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おまけ/南の王END

みんなどこかで繋がってる

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じゅぷっ、じゅぷっ、と。
指が抜き差しされるたびに、恥ずかしい音がする。

「ふぁ、あ、……っ、やん、」

自分の口から出てるとは思いたくないような、高い声も出てしまって。
恥ずかしくて、いたたまれなくなる。


何度もイッてしまったのを、舐め取られて。
甘い、とか言われて。

そんなの、甘い訳ないじゃん! ああもう、死ぬほど恥ずかしい!


「……そろそろ、頃合か?」
ジュセルは、ごそごそと自分の下衣をまさぐっている。

「……ジュセルのって、俺に入るくらいちっさいの?」

体格差を考えたら、この体格に見合うサイズだとめちゃくちゃ大きそうだけど。
いくら”痛くない魔法”とやらを使っても、受け入れるのは不可能だろう。

ジュセルは別に、そこは気にしてないみたいだし。
楽々inできるサイズなのかなって。


「犯すぞこのヤロウ。まあ今から犯すが、」
と言いながら取り出した物体は。

赤黒くて。血管が浮いてて。
かさが張ってて。とんでもなくでかくて。

その上、とんでもなくぶっとい代物だったのだった。


†††


「……無理! 裂けちゃう!!」
思わず本気で叫んだ。

だってそれ、俺の太ももくらいあるんだよ!?

いくらなんでも無理です! 物理的に不可能だと思う。
長いし大きいし太いって。

何なのソレ。
凶器か何かなの!? もはや棍棒だろ!?


ごめんなさい! やっぱナシ!
と、逃げたくなったけど。

逃げようにも腕は拘束されてるし、自力では起き上がれそうにない。

いや、自分で縛ってって頼んだんだけどね!
俺ってば、本当に馬鹿だなあ。


この姿勢の方が楽だからと、うつ伏せで、腰を高く上げた格好で。
大きな手で腰を掴まれる。

「だから、裂けないように魔法をかけたんだっつの。……ほら、」

凶悪なそれを。
ジュセルが散々指でかき回した場所にあてがわれた。

熱くて、おっきいの。

入ってくる。

そんなの。……お腹を引き裂かれて死んじゃうよ。

「やあぁっ、こわい、」
怖くて、涙目になった。


「大丈夫だ。おれは、絶対、伴侶を傷つけたりしねえ」
額に、ちゅっ、とキスをされた。

ジュセルの額には、汗が浮いている。

眉間にはくっきり縦ジワが刻まれてるし。
相当、我慢しているみたいだ。

痛そうなくらい張り詰めてた。さすがにつらそうだ。

怖いけど。
……信じよう。俺の、伴侶を。


「ん、信じる」
ジュセルに、頷いてみせた。


†††


「く、……ぅ、」

ズ、ズ、ズッ、と。
少しずつ、入ってくるのがわかる。


こわくない。

大丈夫。
……これは、愛しいものだから。

そう必死に考えていたら。


ヌルッ、と、滑るような感触がして。
頭の部分が完全に挿入されたら、以降は、ジュセルのが、比較的楽に入っていくのがわかった。

……痛くない。
あんなにおっきいのが入ってるのに。嘘みたいだ。


振り返って見れば。

「……ほら、な?」
ジュセルは唇の端を歪めて。額に汗を浮かせながら、笑った。

そんな、額に汗が浮き出るくらい、つらいのに。
俺のために、ゆっくり、してくれてるんだ。

優しい、俺の伴侶。


「うん、痛くなかった」
なんか、お腹が苦しいような感じはするけど。

「全部、入れるぞ……っ、」
腰を掴まれて。

「ひぁっ!?」


ズプン、と。
お尻に、隙間がないくらい、熱い肌を感じた。


†††


「……ぜんぶ、入ったの……?」

縛られた手の向こうに見えるお腹は、ぽっこりと膨らんでる。
こんな、内臓を圧迫されるほどの質量が入ってきているのに、不思議と痛くない。

痛くないどころか、気持ち良くて、ゾクゾクしてしまう。
媚薬効果でもあるの、これ?


「ああ。すげえな。……伴侶との交接が、こんな、悦いものだとは、知らなかった」
軽く、腰を揺らして。

「熱くて、きつくて。きゅうきゅう締め付けられる。……抜きたくねえな。ずっと、この中にいたいくらいだ」

癖なのか、片側だけ口の端を上げて笑う顔は、凄まじい男の色気で。
ドキドキしてしまう。


「愛してる。……一生大切にするぜ、俺のかわいい伴侶どの」


俺を、愛しげに見詰めている金色の瞳。
よく見たら、虹彩が縦長だ。


ああ、そうか。

”言解の魔法”。
元々は、他の国の国民を、王の伴侶にするためのものだという。


あの国には珍しい、アレクの金色の髪や瞳。

ナーサルの銀の髪。

タナクァの黄色い瞳、背中の翼。

ヨハンの薄紫の瞳。

クインの蒼い瞳。

みんな、そういった混血による先祖がえりなのかもしれない。


それは、伴侶が愛された証。
みんな、どこかで繋がっているのかもしれない。


†††


「ん。……好きだよ、ジュセル」


どくん、と。
中のジュセルが爆発した。

そう感じるくらい、勢い良く噴き出しているようだ。

お腹が熱い気がする。
これ、ジュセルの精液?


「くそ、伴侶に名を呼ばれるのが、こんな、クるとは、……レイト、我の、我だけのものだ……!」

出したばっかりなのに、すぐに力を取り戻したジュセルに、ガツガツ腰をぶつけられる。
その度に、出された精液か分泌液だかが、ごぷっ、と溢れてくる感覚。

気持ち良すぎて、気が遠くなりそうだ。


「や、あっ、あっ、あぅ、」
小刻みに揺すられるのも気持ち良くて。

目の前がチカチカするほどの快楽に。気が遠くなりそう。
意識を手放したいのに。激しく突き上げられて、引き戻される。
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