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16章 討伐前
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ルーク様にエスコートされ、ダイニングルームに行くと、そこにはすでに食事が用意されていた。
でも、やっぱり使用人は誰もおらず、ルーク様と二人きりだ。
ルーク様が椅子を引いてくれるので、そのままそこに腰を下ろす。
「ルーク様、使用人の姿が見えませんが……」
「ん? ああ、ニーナはあまり使用人に見られたくないだろう? だから、滞在中の世話はなるべく姿を見せないようにやってくれと伝えてあるんだ」
やっぱりそうか。
わたしは立ち上がり、使用人が誰もいないなら、わたしが給仕をしようとすると、ルーク様がわたしの肩を押して座らせる。
「ニーナは立たなくていいから」
ルーク様はそう言うと、テーブルの端に置かれていたワゴンのところまで歩いて行った。
ワインクーラーの中に浸っていた瓶を取り出すと、白いナフキンで雫を拭き、わたしの方へと瓶を傾けた。
「お嬢様、シャンパンでございます」
「へっ、シャ、シャンパン?」
ルーク様はオドオドするわたしをよそに、目の前のシャンパングラスにシュワシュワとする液体を注いだ。
そして、瓶を持ったまま向かいの席に座り、そこにあったグラスにもそれを注ぐ。
ルーク様は瓶を戻すと、向かいの席に座り、シャンパングラスをわたしに差し出した。
「ほら、ニーナ。乾杯だ」
ルーク様に言われて、わたしは慌ててグラスを持ち上げた。
チン、と鈴が鳴るような綺麗な音が響く。
お星様がはじけるように、キラキラとしているシャンパンを口に運ぶ。
「ルーク様、甘くて美味しいです。でも、これ全然お酒が入っている気がしないです」
わたしがニコニコと言うと、ルーク様もクイっとグラスを煽る。
「当たり前だろ。酒、入ってないからな」
「えっ、だってルーク様、シャンパンだって言ったじゃないですか!」
「バカ。子どもに酒なんて飲ませるわけないだろ。シャンパン風ジュースだよ」
子どもって、ひどい!
わたしはぷくーっと頬を膨らませるけど、ルーク様はお構いなしに食事を始めた。
「ほら、膨れてないで食べろよ。ただでさえ前もって並ばせておいた料理なんだ。冷たくなっちまうぞ」
そ、そうよね。
まずごはんだわ。
わたしはナイフとフォークを持って、お肉を切り始めた。
もお、お肉頬張ってやる!
昼間たくさん遊んだからか、お腹はかなり空いていたので、パクパク食べていると、わたしをじーっと見ているルーク様に気が付いた。
「……なんですか?」
「いや、綺麗な所作で食事をすると思って。前世のことなのに、きちんと子爵令嬢として身についたことはそのままなんだなと思って」
そう言えば、食事のマナーなんて商家の実家ではきちんと教わらなかった。
もちろん、見苦しくないくらいのものは教えてもらっていたはずだけど、今自然にナイフとフォークが持てるのは、前世の記憶だ。
そっかー。前世のマナーかーなどと思っていると、ルーク様が微笑んでこちらを見ていた。
「オレは、当時はまだ子どもだったから、ジーナにドレスを贈ったことはなかったよな。これで夢が叶った」
ジーナはデビュタントの前に逝ってしまったので、確かにルーク様からドレスを贈られたことはない。
いくら婚約していても、舞踏会に行くわけでもないのに、ほいほいドレスを贈られたりはしないから。
「オレが贈ったドレスを着て、オレが贈ったオレの色のアクセサリーをつけるジーナがすごく見たかったんだ」
嬉しそうにそう言うルーク様を見ていたら、胸が熱くなった。
デザートのケーキまでしっかりいただいたわたしは、まだ早い時間なのに、少し眠たくなっていた。
目がとろんとしてきたわたしを、ルーク様は笑いを噛み殺しながらエスコートして部屋まで連れて行ってくれる。
部屋の中に入ると、ルーク様は微笑んでわたしの手を離し、耳元で囁いた。
「メイドに言って湯を張ってもらってるから、ゆっくり湯に入るといい。オレも隣で湯浴みをしてくるから、上がったらベッドで待ってて」
「えっ、」
眠かった目がカッと見開かれ、ルーク様を見るけど、ルーク様はわたしのおでこにキスを落として爽やかに部屋を出て行った。
ベッド?
ベッドで待つって、ナニを待つの?
ルーク様、爽やかに出て行ったけど、言ってる内容は、爽やかじゃありませんけど~~~!!
でも、やっぱり使用人は誰もおらず、ルーク様と二人きりだ。
ルーク様が椅子を引いてくれるので、そのままそこに腰を下ろす。
「ルーク様、使用人の姿が見えませんが……」
「ん? ああ、ニーナはあまり使用人に見られたくないだろう? だから、滞在中の世話はなるべく姿を見せないようにやってくれと伝えてあるんだ」
やっぱりそうか。
わたしは立ち上がり、使用人が誰もいないなら、わたしが給仕をしようとすると、ルーク様がわたしの肩を押して座らせる。
「ニーナは立たなくていいから」
ルーク様はそう言うと、テーブルの端に置かれていたワゴンのところまで歩いて行った。
ワインクーラーの中に浸っていた瓶を取り出すと、白いナフキンで雫を拭き、わたしの方へと瓶を傾けた。
「お嬢様、シャンパンでございます」
「へっ、シャ、シャンパン?」
ルーク様はオドオドするわたしをよそに、目の前のシャンパングラスにシュワシュワとする液体を注いだ。
そして、瓶を持ったまま向かいの席に座り、そこにあったグラスにもそれを注ぐ。
ルーク様は瓶を戻すと、向かいの席に座り、シャンパングラスをわたしに差し出した。
「ほら、ニーナ。乾杯だ」
ルーク様に言われて、わたしは慌ててグラスを持ち上げた。
チン、と鈴が鳴るような綺麗な音が響く。
お星様がはじけるように、キラキラとしているシャンパンを口に運ぶ。
「ルーク様、甘くて美味しいです。でも、これ全然お酒が入っている気がしないです」
わたしがニコニコと言うと、ルーク様もクイっとグラスを煽る。
「当たり前だろ。酒、入ってないからな」
「えっ、だってルーク様、シャンパンだって言ったじゃないですか!」
「バカ。子どもに酒なんて飲ませるわけないだろ。シャンパン風ジュースだよ」
子どもって、ひどい!
わたしはぷくーっと頬を膨らませるけど、ルーク様はお構いなしに食事を始めた。
「ほら、膨れてないで食べろよ。ただでさえ前もって並ばせておいた料理なんだ。冷たくなっちまうぞ」
そ、そうよね。
まずごはんだわ。
わたしはナイフとフォークを持って、お肉を切り始めた。
もお、お肉頬張ってやる!
昼間たくさん遊んだからか、お腹はかなり空いていたので、パクパク食べていると、わたしをじーっと見ているルーク様に気が付いた。
「……なんですか?」
「いや、綺麗な所作で食事をすると思って。前世のことなのに、きちんと子爵令嬢として身についたことはそのままなんだなと思って」
そう言えば、食事のマナーなんて商家の実家ではきちんと教わらなかった。
もちろん、見苦しくないくらいのものは教えてもらっていたはずだけど、今自然にナイフとフォークが持てるのは、前世の記憶だ。
そっかー。前世のマナーかーなどと思っていると、ルーク様が微笑んでこちらを見ていた。
「オレは、当時はまだ子どもだったから、ジーナにドレスを贈ったことはなかったよな。これで夢が叶った」
ジーナはデビュタントの前に逝ってしまったので、確かにルーク様からドレスを贈られたことはない。
いくら婚約していても、舞踏会に行くわけでもないのに、ほいほいドレスを贈られたりはしないから。
「オレが贈ったドレスを着て、オレが贈ったオレの色のアクセサリーをつけるジーナがすごく見たかったんだ」
嬉しそうにそう言うルーク様を見ていたら、胸が熱くなった。
デザートのケーキまでしっかりいただいたわたしは、まだ早い時間なのに、少し眠たくなっていた。
目がとろんとしてきたわたしを、ルーク様は笑いを噛み殺しながらエスコートして部屋まで連れて行ってくれる。
部屋の中に入ると、ルーク様は微笑んでわたしの手を離し、耳元で囁いた。
「メイドに言って湯を張ってもらってるから、ゆっくり湯に入るといい。オレも隣で湯浴みをしてくるから、上がったらベッドで待ってて」
「えっ、」
眠かった目がカッと見開かれ、ルーク様を見るけど、ルーク様はわたしのおでこにキスを落として爽やかに部屋を出て行った。
ベッド?
ベッドで待つって、ナニを待つの?
ルーク様、爽やかに出て行ったけど、言ってる内容は、爽やかじゃありませんけど~~~!!
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