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12章 とまどい
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応接室へ急いで行くと、サリーさんがお茶や軽食等をワゴンに乗せて、ドアをノックするところだった。
わたしは慌ててサリーさんの隣に並び、腰を折って一礼してから入室する。
応接室では、難しい顔をしたお兄様が、黙ってルーク様を見つめていた。
二人の間にあるローテーブルには、書類がいくつか散らばっている。
「ああ、侍女殿。急に申し訳ない」
お兄様はわたし達に気がつくと、軽く笑顔でそう言った。
わたしを妹と呼ぶ訳にはいかないので、ちゃんと侍女と呼んでくれる。
仕事をしているのだと思ったわたし達は、黙ってサリーさんと二人でお茶や軽食を置くためのテーブルを横に設置して、邪魔にならないように置いていく。
お兄様は、わたし達に向けた笑顔はどこかにしまい、ルーク様を見つめていた。
「ルーク様。今の状態では、なんと言われようとも反対することしかできない」
お兄様は穏やかな、そして諭すような表情でルーク様を見つめる。
「義兄上、しかし、後に延ばせば延ばすほどオレ達に不利になるのがわかっていて、このままにはしておけない」
眉間に皺を寄せて、ルーク様が唸るように言う。
何か、問題が起こったのだろうか……。
音を立てないように食器を置きながら内容が気になって仕方ないけど、一介の侍女が口を挟める訳もなく。
話を聞きたくてなるべくゆっくり並べていたけど、サリーさんと二人で給仕しているのもあって、あっという間にお茶も軽食も並べ終えてしまった。
わたしとサリーさんはワゴンを押して、ドアの前で一礼してから部屋を出た。
そのまま、黙って二人で応接室隣の使用人控室に入って、待機をする。
控室に入ると、サリーさんはやっとしゃべれるよつになったと、口を開いた。
もちろん、隣に声が聞こえないように小声で。
「ルーク様たち、何か深刻そうだったわね。オリバー様がいらした時は、いつもなんとなく嬉しそうにしているルーク様なのに、眉間に皺を寄せていたし」
「そうですね。わたしも気になりました」
「ルーク様はともかく、オリバー様まで渋いお顔をしていたとなると、婚約者のローゼリア様のことかしらね」
サリーさんは深くため息をつく。
「ルーク様はお可哀想よね。英雄として魔物と対峙しなければいけないことだけでも大変な運命なのに、共に歩んで行く婚約者様を選べないなんて」
わたしもサリーさんの話に頷く。
「そうですね……。王家からのお話ではどうにもなりませんものね」
せめて、ルーク様に断る権利くらいあれば。
だって、学園では仮面をつけていたり、無口だったりしたのに、結構人気があったんだもの。
きっと、ローゼリア様以外の光の術者で、ルーク様と婚約したいというご令嬢はいたはずだわ。
過去、婚約を断られていたのは、お相手の令嬢が幼かったせいだし、幼いが故に怖がられたお顔の傷も消えている。
王家が無理にローゼリア様を押し付けなければ、ルーク様はジーナが亡くなっても他の光の術者と婚約できたはずだ。
でも、王家から押し付けられたローゼリア様を、ルーク様から断ることはできない。
わたし達は、二人で暗く黙り込んでしまった。
沈黙に耐えきれなくなり、わたしはワザと明るく声を出した。
「サリーさん、後はお茶のお代わりか、オリバー様がお帰りになる時にお見送りだけですので、わたしだけでも大丈夫です。サリーさんは他のお仕事もおありでしょう? ここはわたしにお任せください」
サリーさんは少しだけ申し訳なさそうな顔をして、ゆっくり頷いた。
「じゃ、後は頼むわね。何かあったらすぐに呼んでちょうだい」
「はい」
そうして、使用人控室のドアからサリーさんは出て行った。
しーん。
控室の中は静まり返る。
しかし、隣の部屋の話し声は微かに聞こえた。
応接室と使用人控室の壁は案外薄くできている。
主人が呼び出しベルを鳴らした時に、聞こえなければ控えている意味がないからだ。
微かではあるけど、使用人の耳にベルの音がちゃんと聞こえるということは、注意していれば中の会話も聞こえるということ。
盗み聞きする気はなかった。
だって、お仕事の話だろうし、それに絡むローゼリア様の話かもしれないし。
でも、ここに一人で控えていれば、自然と耳に入ってくる。
通常、使用人は雇ってくれている家のことは外へは漏らさない。
名門貴族の家の使用人ほど、それはよく教育されているものだ。
だから、もちろんわたしも、ここで何を聞いても漏らすつもりもない。
ないけど……やっぱり、二人が深刻な顔をしていれば気になってしまう。盗み聞きは良くないと思いつつ。
隣からはお兄様の声が聞こえる。
「なんとかしたければ、ローゼリアとの剣の連携の方を先にどうにかするんだな」
やっぱり、深刻なお顔の原因はローゼリア様との連携ができないことなのかしら。
それに対してルーク様が疲れたように返す。
「ローゼリアと連携などできるわけがない。あの女はオレが死のうが生きようがどうでもいいと考えている」
「そんなはずはないだろう? ルーク様が死んだらこの国はどうなるんだ」
「あいつが国民のことを考えているわけがない。史実にもあるが、人間側が負けても、多数の人間が食い殺され、魔物や魔獣が満足すれば魔の森へ引き返す。それを待てばいいと思っているのさ。史実に残っているのは、多数の国民が魔物や魔獣に食われても、王族はその身を隠し、魔物の暴虐が収まるまで数年、十数年経ってから、また人間の王国を復活させている。自分たちだけは助かると思っているのさ」
ふぅ。と、どちらかのかわからないため息が聞こえる。
「それなら、ローゼリアを排除して、ルーク様の剣に他の光の祝福をもらえるようにできないか?」
「あいつのプライドが許さないだろう。自分が役立たずのように扱われるのは」
「現に役立たずだがな」
「それを本人も周りも理解していない。それに、別の者と今更組んだとしても、信頼関係のない光の術者とでは連携できないだろう」
「そうだな。オレの剣に祝福をくれているリーファとは信頼関係が築けている。担当が決まって、何回も祝福をもらっているうちに、回数を重ねるごとに力が大きくなっているのは双方で実感がわいているからな」
わたしがお兄様に聞いた話だと、一人の光の術者に4、5人の隊士が祝福を受けるらしい。
その担当も、順繰りに何人もを担当して、お互い心地よく組める人と担当を組む。それからは、担当する隊士は固定になるそうだ。
「オレとローゼリアの婚約の解消は難しいだろう。だから、オレは光の祝福なしで戦いに行く。さっきも言ったが、今回の魔物の成長は早い。対になっているオレにはわかる。早く、成熟してしまう前に叩くしかないんだ。こっちはどんなに時間をかけても光との連携が取れないんだ。討伐を遅らせれば遅らせるほど、こちらが不利になる」
「ルーク様……。確実でないので言いたくはなかったが、もしかしたらルーク様に光の祝福をもたらすことができるかもしれないんだ。だから、少し時間をくれ」
ガタンっ!
おそらくルーク様が立ち上がったのだろう。
机かソファが音を立てた。
「義兄上! もしかして、ジーナが残した何かがあるのか!?」
「今は言えない。ジーナが残したと言えば、そうなるかもしれないな」
「それは一体!?」
「悪い、ルーク様。あいつも確実でないのに言われるのは本意ではないだろう。結果が出るまでは言えない。でも、成功してもしなくても、結果が出たらきちんと話すから、少し時間が欲しい」
カタン。
今度は腰を下ろす音がする。
「失敗したとしても、ジーナが残してくれたものなら、オレは恨んだりしない。それでも教えてもらえないのですか」
「オレだって、ルーク様がそんなことをするとは思ってないよ。それでも、今は言えない」
そして、長い長い沈黙。
「わかりました。まだ、討伐に着手するのは待ちます」
「ありがとう。ルーク様」
「でも、必ず教えてください。ジーナが残してくれたものを」
「もちろんだ」
そこまで話して、二人はやっと軽食に手をつけたのだろう。
少しだけ、隣の部屋の空気が和やかになった。
でも、反対にこの控室にいるわたしは、聞いてしまった話に手を震わせた。
魔物の復活が早い。
そして、ローゼリア様とルーク様は、どうやっても連携が取れない。
お兄様は多分、わたしがルーク様の剣に祝福を与えられると思ってそれを話したんだ。
祝福どころか、前世で学校で習ったことまでしか光の術が使えないわたしに、剣を祝福することなんて、できるのだろうか。
わたしは慌ててサリーさんの隣に並び、腰を折って一礼してから入室する。
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二人の間にあるローテーブルには、書類がいくつか散らばっている。
「ああ、侍女殿。急に申し訳ない」
お兄様はわたし達に気がつくと、軽く笑顔でそう言った。
わたしを妹と呼ぶ訳にはいかないので、ちゃんと侍女と呼んでくれる。
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「義兄上、しかし、後に延ばせば延ばすほどオレ達に不利になるのがわかっていて、このままにはしておけない」
眉間に皺を寄せて、ルーク様が唸るように言う。
何か、問題が起こったのだろうか……。
音を立てないように食器を置きながら内容が気になって仕方ないけど、一介の侍女が口を挟める訳もなく。
話を聞きたくてなるべくゆっくり並べていたけど、サリーさんと二人で給仕しているのもあって、あっという間にお茶も軽食も並べ終えてしまった。
わたしとサリーさんはワゴンを押して、ドアの前で一礼してから部屋を出た。
そのまま、黙って二人で応接室隣の使用人控室に入って、待機をする。
控室に入ると、サリーさんはやっとしゃべれるよつになったと、口を開いた。
もちろん、隣に声が聞こえないように小声で。
「ルーク様たち、何か深刻そうだったわね。オリバー様がいらした時は、いつもなんとなく嬉しそうにしているルーク様なのに、眉間に皺を寄せていたし」
「そうですね。わたしも気になりました」
「ルーク様はともかく、オリバー様まで渋いお顔をしていたとなると、婚約者のローゼリア様のことかしらね」
サリーさんは深くため息をつく。
「ルーク様はお可哀想よね。英雄として魔物と対峙しなければいけないことだけでも大変な運命なのに、共に歩んで行く婚約者様を選べないなんて」
わたしもサリーさんの話に頷く。
「そうですね……。王家からのお話ではどうにもなりませんものね」
せめて、ルーク様に断る権利くらいあれば。
だって、学園では仮面をつけていたり、無口だったりしたのに、結構人気があったんだもの。
きっと、ローゼリア様以外の光の術者で、ルーク様と婚約したいというご令嬢はいたはずだわ。
過去、婚約を断られていたのは、お相手の令嬢が幼かったせいだし、幼いが故に怖がられたお顔の傷も消えている。
王家が無理にローゼリア様を押し付けなければ、ルーク様はジーナが亡くなっても他の光の術者と婚約できたはずだ。
でも、王家から押し付けられたローゼリア様を、ルーク様から断ることはできない。
わたし達は、二人で暗く黙り込んでしまった。
沈黙に耐えきれなくなり、わたしはワザと明るく声を出した。
「サリーさん、後はお茶のお代わりか、オリバー様がお帰りになる時にお見送りだけですので、わたしだけでも大丈夫です。サリーさんは他のお仕事もおありでしょう? ここはわたしにお任せください」
サリーさんは少しだけ申し訳なさそうな顔をして、ゆっくり頷いた。
「じゃ、後は頼むわね。何かあったらすぐに呼んでちょうだい」
「はい」
そうして、使用人控室のドアからサリーさんは出て行った。
しーん。
控室の中は静まり返る。
しかし、隣の部屋の話し声は微かに聞こえた。
応接室と使用人控室の壁は案外薄くできている。
主人が呼び出しベルを鳴らした時に、聞こえなければ控えている意味がないからだ。
微かではあるけど、使用人の耳にベルの音がちゃんと聞こえるということは、注意していれば中の会話も聞こえるということ。
盗み聞きする気はなかった。
だって、お仕事の話だろうし、それに絡むローゼリア様の話かもしれないし。
でも、ここに一人で控えていれば、自然と耳に入ってくる。
通常、使用人は雇ってくれている家のことは外へは漏らさない。
名門貴族の家の使用人ほど、それはよく教育されているものだ。
だから、もちろんわたしも、ここで何を聞いても漏らすつもりもない。
ないけど……やっぱり、二人が深刻な顔をしていれば気になってしまう。盗み聞きは良くないと思いつつ。
隣からはお兄様の声が聞こえる。
「なんとかしたければ、ローゼリアとの剣の連携の方を先にどうにかするんだな」
やっぱり、深刻なお顔の原因はローゼリア様との連携ができないことなのかしら。
それに対してルーク様が疲れたように返す。
「ローゼリアと連携などできるわけがない。あの女はオレが死のうが生きようがどうでもいいと考えている」
「そんなはずはないだろう? ルーク様が死んだらこの国はどうなるんだ」
「あいつが国民のことを考えているわけがない。史実にもあるが、人間側が負けても、多数の人間が食い殺され、魔物や魔獣が満足すれば魔の森へ引き返す。それを待てばいいと思っているのさ。史実に残っているのは、多数の国民が魔物や魔獣に食われても、王族はその身を隠し、魔物の暴虐が収まるまで数年、十数年経ってから、また人間の王国を復活させている。自分たちだけは助かると思っているのさ」
ふぅ。と、どちらかのかわからないため息が聞こえる。
「それなら、ローゼリアを排除して、ルーク様の剣に他の光の祝福をもらえるようにできないか?」
「あいつのプライドが許さないだろう。自分が役立たずのように扱われるのは」
「現に役立たずだがな」
「それを本人も周りも理解していない。それに、別の者と今更組んだとしても、信頼関係のない光の術者とでは連携できないだろう」
「そうだな。オレの剣に祝福をくれているリーファとは信頼関係が築けている。担当が決まって、何回も祝福をもらっているうちに、回数を重ねるごとに力が大きくなっているのは双方で実感がわいているからな」
わたしがお兄様に聞いた話だと、一人の光の術者に4、5人の隊士が祝福を受けるらしい。
その担当も、順繰りに何人もを担当して、お互い心地よく組める人と担当を組む。それからは、担当する隊士は固定になるそうだ。
「オレとローゼリアの婚約の解消は難しいだろう。だから、オレは光の祝福なしで戦いに行く。さっきも言ったが、今回の魔物の成長は早い。対になっているオレにはわかる。早く、成熟してしまう前に叩くしかないんだ。こっちはどんなに時間をかけても光との連携が取れないんだ。討伐を遅らせれば遅らせるほど、こちらが不利になる」
「ルーク様……。確実でないので言いたくはなかったが、もしかしたらルーク様に光の祝福をもたらすことができるかもしれないんだ。だから、少し時間をくれ」
ガタンっ!
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「義兄上! もしかして、ジーナが残した何かがあるのか!?」
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「それは一体!?」
「悪い、ルーク様。あいつも確実でないのに言われるのは本意ではないだろう。結果が出るまでは言えない。でも、成功してもしなくても、結果が出たらきちんと話すから、少し時間が欲しい」
カタン。
今度は腰を下ろす音がする。
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「オレだって、ルーク様がそんなことをするとは思ってないよ。それでも、今は言えない」
そして、長い長い沈黙。
「わかりました。まだ、討伐に着手するのは待ちます」
「ありがとう。ルーク様」
「でも、必ず教えてください。ジーナが残してくれたものを」
「もちろんだ」
そこまで話して、二人はやっと軽食に手をつけたのだろう。
少しだけ、隣の部屋の空気が和やかになった。
でも、反対にこの控室にいるわたしは、聞いてしまった話に手を震わせた。
魔物の復活が早い。
そして、ローゼリア様とルーク様は、どうやっても連携が取れない。
お兄様は多分、わたしがルーク様の剣に祝福を与えられると思ってそれを話したんだ。
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
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