元悪役令嬢は何でも屋になる。

葉叶

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ようこそ、Diabloへ。

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「貴様とは婚約破棄をする!!
汚い牢獄で死ぬまで罪を償え!!」

「私は…何もしていませんっ…」

あれ…これ…夢…?

「うるさいうるさい!お前が彼女を殺そうした証拠も今まで数々の生徒にしてきたイジメも全てわかっているんだ!兵よ!奴を捕らえろ!」

「やめてっ!止めてくださいませっ!
私は無実です!何もしていませんっ!信じて下さい!誰か…信じて…!!」

私は何もしていない
それじゃあ、何故私は牢獄に入れられているのか
あぁ、誰かにはめられたんだ

そう気づいたときに全て遅くて両親には勘当され
友人も皆いなくなった
誰も…私を信じてくれなかった
全て…あの女が来てからおかしくなった
あの女が…来てから…

「ハル!おきて!」

「っ!?…どうしたの?エル」

何か…嫌な夢を見ていた気がする…
何だったっけ…

「んーとね、怖い夢見たから一緒にホットミルク貰いに行って欲しいなって思って
起こしてごめんね。」

「ううん、大丈夫よ。
ホットミルク貰いに行きましょ」

上着を羽織りエルと手を繋ぎ食堂へ向かった

「あれ?ハルとエルどうしたの?こんな時間にー…っつっても朝だけどさー」

眠たげに目を擦って欠伸をするクリニック
どうやら徹夜で何かしてたみたいだ
Diabloでは24時間依頼が来るから朝番と夜番で分かれて働いてもらっている。
食堂とシステム開発は24時間稼働してるけどね…

「おはよう、クリス
ホットミルク貰いに食堂に行く所よ」

「んー…俺も珈琲貰いに行こっかなぁ」

軽く体を伸ばして立ち上がった

「ハクはどうかしら?」

「んー…一応色々検査してから主要なメンバーへの顔合わせは済ませておいた
重要区画にはまだ案内はしてないよ
能力的には今は下位かな
只スポンジみたいに知識とか吸収するからこれから伸びるだろうね」

「そう、スタート地点はクリスに任せるわ
特別扱いは、なしでお願いね
そんな事してもあの子の為にはならないわ。
訓練は体ができてからスタートさせて、勉学の方は始めちゃっていいわ」

「りょーかいっ
あ、そうそう
ハルとエルが喜びそうな依頼来たけど見る?」

悪戯っ子の様に笑いながら紙をひらひらさせる。

「クリスがそういうってことは期待できそうね
食堂で見せてもらうわ」

「きっと喜ぶよー!」

フフンっとドヤ顔するクリスは余程自身があるらしい。

なんだかクリスと話してると、ちょっとだけ起きた時の嫌な気持ちが無くなった気がする。

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