7人のメイド物語

モモん

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第四章 婚約者候補

金貨一枚の価値

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 リビングにベッドを2台用意して、そこに裸で寝てもらう。

「あら、タウはどうしたの?」

「さすがに、ここは遠慮させていただいております」

「あら、気にすることないのに」

「お母さまは平気でも、私は困ります。
仮にも婚約者候補なんですから」

「あら、だからこそ、きれいな体を見せつけてあげないと」

「お母さま!」

 背中からブレンドオイルをつけてマッサージしていく。
キャハハと王女が笑い出す。

「どうしたの?」

「だって、くすぐったくて」

「淑女はそんな大声で笑ってはいけません。
ああ、気持ちいい」

「オイルの保湿効果と、マッサージによる血行改善。
美容効果だけでなく、健康にも良いですよ」

「いくらくらいを考えているの?」

「オイル代込みで金貨一枚を考えています」

「それが、孤児たちの収入になるのね」

「さようでございます」

「私たちが広告塔になれば、貴族が殺到するわよ」

「このオイルづくりに、孤児たちを総動員しています。
金銭的に余裕ができたら、孤児たちに算術を教えていきます」

「ああ、気持ちいいわ。
タウはこれを自費で実現させるのね」

「さようでございます」

「ソフィア、あなたの婚約者候補の業績よ」

「タウなら、これくらいのこと当然よ」

「まあ!言うわね、うふふ」

「一緒に、髪の生え際や陰部のムダ毛処理も行わせていただきます」

「至れり尽くせりね。
これで金貨一枚は安すぎるわよ」

「やっぱり、利用しやすい価格帯にしたいですからね。
継続されれば、美白効果や保湿効果も確認できますので、更に利用者が増えると思いますよ」

「あっ、そこ、もっと念入りにやってくださるかしら」

 マッサージ後はスイカのスムージーでくつろいでいただきます。

「どうでしたか?」

「もう、最高よ」

「お父様たちは、このマッサージの代わりにエールを飲んでいたのね」

「その通りでございます」

「私もエールをいただきたいところだけど、この肌のしっとり感を楽しみたいからやめておくわ」

「お召し物は、クリーンとアイロンをかけておきましたから、今日はバスローブでお帰りくださいね」

「あら、ソフィアはおいていこうかと思っていましたのに」

「お母さま!」

「いや、それは……」

「はやいところ、お風呂を作ってちょうだい。
もう、最高よ。マッサージもよかったし、孤児院の子を使うというアイデアも素晴らしいわ。
マッサージを受けていて、この子たちをメイドに迎えようかと本気で思ったくらいよ」

「そういうチャンスもやってくるでしょうね。
女の子ばかり引き抜かれると、こちらが困ってしまいますけど」
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