氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 その後結婚式は滞り無く進み、皆がリラの美麗さに改めてショックを受けてるが、トドめとばかりに長く熱い誓いの口付けでレオンの精神をもガリガリと削りながら式が終わる。

 因みに披露宴は王宮とは言え、レオンは参加しない。

 本来社交界デビューを済ませてないレオンは、結婚式にも参加する資格は無いが、身内で有り王太子としても顔を知られている為、参加可能になったのだ。

 まぁ、加えて言うならば、冤罪を犯しかけた者として認識をさせる為、再教育中だと他の貴族の前で公表する事にしたからだ。

 これにはレオンに対する罰、厳しい教育のやり直しと、他の貴族達への警告も含まれている。

 王族、してや王太子を唆しておいて、只で済むと思うなよ、といった警告だ。

 その警告も気付けない馬鹿は、貴族として生きていく事は出来ないだろう。

 レオンはリラ達の結婚式の後、ジェフに依る課題……報告会で公表された罪人の親族達の名前や領地、その地の名産品等を分かる範囲で調べ、書き出し、後任はどのような人物が好ましいかも記入させた一覧表を作らされた。

 正規の勉強の課題では無い為、期限は無いが、期限が無いからと後回しにし過ぎると、国王に就いた後、同じ事が起きた時まで後回しにしたら、その地は無法地帯となり、困る事になりますよと釘をさす事も忘れない。

 実際には、アレクシスやエドワルド、ジーン達が中心になって話し合い、もう既に後任を選出し終わっているが、レオンが真剣に取り組むように、その事は黙っている。

 罪が発覚するのに時間が掛かる事も有るが、罪が先に明るみに出る事も有り、その場合は突発的事案では有るが、速やかに対処しなければならない。

 その予行練習の経験を積ませるのと積ませないのとでは、将来の心構えや対処に掛かる時間にも大きな差が出る事だろう。

 本来レオンの学習能力は高い。

 やらかしはしたものの、学院の成績はどの教科もほぼ満点と言える物で、他の領域共通語も日常会話ならマスターしている程だ。

 まぁその為、深く考えずに先へと進み、教育者の方も理解済み、となってしまったのだろうが。

 ディーランでは、貴族間での派閥や利権争い等は、国を乱し、他国に付け入られる隙を与える為、基本禁止され、大事になれば王家が介入し、厳しい処罰が下される。

 だが、バレなければ良い、機会が有ればと考える者はどこにでも居るのだ。

(学院卒業までには、まだまだ時間が有りますからね。私が王宮勤めをしている在学中の内に、確りと勉強して貰わなければ。教材は幾らでもいて出るから、教育に困る事も無いでしょうし。仕事とは言え、我が子の成長過程を間近で見守る時間を奪ったのだから、それ相応の対応はさせて頂きますよ)

 レオンはジェフに合格点が貰える学院卒業まで、ジェフを始め周囲からもみっちり厳しく仕込まれるのだった。
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