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後日談
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ネイルが雑務に追われている間、レイニーが一人で植物の世話をしようものなら、大変な事になると分かりきっているので、その間はハリエルに護身術を習ったり、イグルスに相手をして貰ったりと、ネイルとの時間はあまり取れずにいるので少し寂しくは思うものの、ハリエルが鬱陶しい使用人達の対応をしてくれているので、概ね平穏な日々を送っている。
ネイルからすれば、悶々とした日々を送っている上に、何を勘違いしたのか、侍女達の中で、ネイルを誘惑しようとする者が出始める始末。
勿論ネイルは、絶対零度の眼差しと、心身共に全てを凍り付かせるような毒舌で、その女を全否定し、邸から追い出したが。
因みにジョシュアとエヴァンス家の使用人達は、二度と領都や領主関係者に近付かないよう念書も書かせた上で、『仕事もせずに、愛妻家の新領主に色仕掛けで迫り、最愛の妻が居るのに不貞等するか!!と激怒され、夫婦仲に横槍を入れる女等要らないと首になった憐れな女』と言う事実を見せしめとしてあちこちで流し、追い打ちを掛けていたりする。
その後政務の基盤を整え、煩わしい多量の雑務を何とか終わらせたネイルは、漸く愛しのレイニーと植物に、たっぷりの愛情を注ぐ事が出来ると、これまでの鬱々とした日々を発散させるべく、人目を憚らずレイニーを構い続ける。
ネイルのその溺愛具合に、元々ネイルと関わり合いの無かった邸の者達は驚き、ネイルの側近達とエヴァンス家の使用人達は、我慢の限界だったんだなと生温い目をして同情した。
「ねっ……ネイル様、邸の中ですし、これ程密着しなくても、わたしは逃げませんよ?」
だからせめて、食事の時までお膝抱っこで食べさせるのは止めて欲しいなぁと思ってるレイニーに、ネイルは誰もが見惚れる程の笑顔をレイニーへと向ける。
「レイニー、これは邸の者達にも、私がレイニーを心底愛している事を理解させる為に、必要な事だよ。今まではあまりに雑務が多過ぎて、レイニーに手伝って貰えれる段階では無かったから、仕方無くレイニーと共に過ごせる時間が取れなかったと言うだけなのに、何を勘違いしたのか、愛人になろうと企む始末。そんな馬鹿が二度と出ないように、男女共に、きちんと教えて置いた方が良いからね」
「男女共に?ですか?」
キョトンとするレイニーに、ネイルは使用人達に視線を向けながら威嚇する。
「私の可愛いレイニーに、手を出そうとする者も居るかも知れないからね。勿論ハリエルが守ってくれていたから、レイニーに近付く事が出来なかっただろうけど、愛人を持つのは男だけとは限らないと思っているかも知れないよ。まぁ、私がそんな事を許す訳が無いけれど」
「わたしも要りませんよ!ネイル様以外の相手なんて!!」
誤解されては堪らないとばかりに即答するレイニーに、ネイルは気を良くする。
「だからこそ、私達の仲が悪いだなんて、誰も疑う余地も無いように、四六時中傍に居れば問題は無いよ。だから、離れずに居なさい」
レイニーはネイルの言葉に素直に頷き、単純な所為か、お膝抱っこを止めるように言うのをすっかり忘れてしまい、その後もネイルに上手い事話を逸らされ続けるのは言うまでも無い。
ネイルからすれば、悶々とした日々を送っている上に、何を勘違いしたのか、侍女達の中で、ネイルを誘惑しようとする者が出始める始末。
勿論ネイルは、絶対零度の眼差しと、心身共に全てを凍り付かせるような毒舌で、その女を全否定し、邸から追い出したが。
因みにジョシュアとエヴァンス家の使用人達は、二度と領都や領主関係者に近付かないよう念書も書かせた上で、『仕事もせずに、愛妻家の新領主に色仕掛けで迫り、最愛の妻が居るのに不貞等するか!!と激怒され、夫婦仲に横槍を入れる女等要らないと首になった憐れな女』と言う事実を見せしめとしてあちこちで流し、追い打ちを掛けていたりする。
その後政務の基盤を整え、煩わしい多量の雑務を何とか終わらせたネイルは、漸く愛しのレイニーと植物に、たっぷりの愛情を注ぐ事が出来ると、これまでの鬱々とした日々を発散させるべく、人目を憚らずレイニーを構い続ける。
ネイルのその溺愛具合に、元々ネイルと関わり合いの無かった邸の者達は驚き、ネイルの側近達とエヴァンス家の使用人達は、我慢の限界だったんだなと生温い目をして同情した。
「ねっ……ネイル様、邸の中ですし、これ程密着しなくても、わたしは逃げませんよ?」
だからせめて、食事の時までお膝抱っこで食べさせるのは止めて欲しいなぁと思ってるレイニーに、ネイルは誰もが見惚れる程の笑顔をレイニーへと向ける。
「レイニー、これは邸の者達にも、私がレイニーを心底愛している事を理解させる為に、必要な事だよ。今まではあまりに雑務が多過ぎて、レイニーに手伝って貰えれる段階では無かったから、仕方無くレイニーと共に過ごせる時間が取れなかったと言うだけなのに、何を勘違いしたのか、愛人になろうと企む始末。そんな馬鹿が二度と出ないように、男女共に、きちんと教えて置いた方が良いからね」
「男女共に?ですか?」
キョトンとするレイニーに、ネイルは使用人達に視線を向けながら威嚇する。
「私の可愛いレイニーに、手を出そうとする者も居るかも知れないからね。勿論ハリエルが守ってくれていたから、レイニーに近付く事が出来なかっただろうけど、愛人を持つのは男だけとは限らないと思っているかも知れないよ。まぁ、私がそんな事を許す訳が無いけれど」
「わたしも要りませんよ!ネイル様以外の相手なんて!!」
誤解されては堪らないとばかりに即答するレイニーに、ネイルは気を良くする。
「だからこそ、私達の仲が悪いだなんて、誰も疑う余地も無いように、四六時中傍に居れば問題は無いよ。だから、離れずに居なさい」
レイニーはネイルの言葉に素直に頷き、単純な所為か、お膝抱っこを止めるように言うのをすっかり忘れてしまい、その後もネイルに上手い事話を逸らされ続けるのは言うまでも無い。
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