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後日談

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 カレンが旅に出ても大丈夫になった頃のシーズンオフ、いつものようにエヴァンス領へと行くと、案の定の大歓迎を受ける。

 しかも、リラ似の女の子となれば、皆、喜んで迎えてくれた。

 因みに、ベビーラッシュを迎えていたクルルフォーン邸では、リラがカレンを産む前にも、レベッカだけでなく、マッドとダンの所にも一年前に子供が産まれていて、ライラは女の子を、シルビアは男の子を産んでいた。

 サイナスの所も、リラがカレンを産んだ後、一月程後に女の子が産まれ、馬車がギュウギュウ詰めになるので、リカルドとクロード、ゾーイの三人は、リラ達と同じ馬車に乗る事になり、大人の仲間入りをした気分で喜んでいたようだ。

 子供達が、道中暇になるだろうからと、カードゲームやボートゲームと共に、机も持ち込ませ、ボートゲームの手解きをし、曾祖父のジオラルドが好きな、大人の遊びだから、エヴァンス領に着いたら相手になって貰いなさいと言って、指南していた。

 勿論エヴァンス領に到着後、カレンを大いに愛でたであろう、ジオラルドを捕まえて、三人がボートゲームの相手をして下さいとお願いすれば、ジオラルドは喜び勇んで相手をする事になる。

 ヨルド効果は相変わらずで、子供達が乗る馬車は、年々少しずつ改良され、揺れ難く、広い空間を確保されていた。

 クロードは数年前から執事職に興味を持ち、時折サイナスの後を付いて回っていたら、サイナスに執事を目指すなら、教えるよ?と言われ、少し戸惑ったようだ。


「僕、執事の子供じゃないのに、良いの?」


 クロードがそんな事を言ったので、サイナスは、レベッカが昔、執事候補に入れられていて、スカウトしたけど、専属侍女の方がリラの傍に居られるからと断られた事や、なるならないは、本人の意思だから、なる気の無い子や素質の無い子は、最初から誘ったりしないよとクロードに言えば、クロードが目を輝かせていた。

 サイナス的には是非ともレベッカの息子を執事にしたいので、大歓迎だ。


「今度エヴァンス領に行ったら、執事になる為の絵本を読んだら良いよ。沢山有るし、色々教えてあげるから♪」


 そうしてサイナスは、クロードと言う執事候補生を手に入れて、家の中でもエヴァンス領へと行く際にも、楽しく色々教えていた。


「ランドール、お前の弟弟子だよ。あっさり抜かれたりしたら、承知しないからな」


 そんな事をランドールに言い、ランドールは、今以上に気を引き締める羽目になる。

 クロードは下の弟達を可愛がりながら、少しずつ、サイナスから色々と教わり続けて、エヴァンス領の本宅でも、執事候補生として可愛がられていったのだった。
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