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後日談

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 クルルフォーン邸に、エドワルドが居ない時には通すなと言われているレオンと、その婚約者で有るエリオールが訪ねて来た。

 こちらは後、数ヶ月で結婚する事になっている。


「リラ様がご出産されたとお聞きして、どうしてもお祝いの言葉を言いたくて参りましたの。ここは、子供達の声で騒がしいですわね」

「ええ、わたくしの子供達だけでなく、家の使用人達の子供達も一緒に、子育てをさせていますので、どうしても騒がしくなってしまいますわ」


 言葉だけを聴けば、子供達の声が煩いと捉えられそうだが、本人達の目は、キラキラとしており、子供達、可愛い!と言っているような物だ。

 リラの横では、エドワルドがカレンを抱えて居る。

 レオンとしては、出産の時に両親と共に来たがったのだが、エドワルドからも両親からも、出産の際は、寝間着のような物を身に纏っているだけなので、そんな姿を未婚の男が見て良い物では無いと言われたのだ。

 父が良いのに、自分は駄目だなんて、納得がいかなかったが、エドワルドが兄上の場合は、伴侶で有る義姉上が同席するのだし、何よりリラに、邪な想いを抱かないからと言うのが大きいと言い、その上、もう直ぐ結婚すると言う時期に、花嫁以外の女性の、そういう姿を目にして良いと思っているのか?と言われてぐうの音も出なかった。

 リラは、結婚してから益々美麗さに磨きが掛かり、リラを貶していたのだろう男達が、エドワルドに妬みと羨望の眼差しを向け、リラに声を掛ける事すら出来ずに項垂れている姿をよく見掛けていた。

 レオンは、エリオールと言う可愛い婚約者が出来たが、それでも初恋で有るリラが微笑んでると、胸が苦しくなる時が有る。

 後々の教育で思い知った、自身のやらかした事の無知さ加減と、罪の大きさで。


「末のお子様は、リラ様にそっくりなのですね。将来が楽しみです!」

「レオンの息子だろうと、娘はやらないし、レオンの娘も貰う気は無いから、そこは了承してくれ」


 エドワルドは冷たく言い切る。

 一応、婚約者のエリオールには、レオンが昔、リラに何を仕出かしたのかは、報告している。リラに恋心を抱いた事に関しては言わなかったが。

 その時のエリオールのレオンに対する眼差しは、かなり冷たく、厳しかったが、知っていて補佐するのと、知らずに補佐するのとでは違うからだ。


「はい。わたくしもその方が良いかと。わたくしとしましては、リラ様のお子様達の誰かと婚約させて頂きたい所ですが、レオン様のなさった事を考えると、さすがにそれは、図々しい事ですから」


 エリオールも賢い王女として育っていたので、レオンの伴侶として、これからもレオンを支えてくれる事だろう。

 エリオールは、子供達と少し戯れ、レオンと共に帰っていった。
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