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本編

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 リラお勧めの飲食店に入り、エドワルドはリラと向かい合わせに二人で座る。

 因みに、ダンは連れだけど、デートの邪魔はしたくないからと、別の席に移動する。

 注文を済ませて周囲に目を配ると、そこでもエドワルドに向けられる視線は多く、リラは失敗したかもと少し不安になるが、エドワルドはリラに微笑み掛けて、向かい合わせのリラの手を取る。


「結婚式が、物凄く待ち遠しいな。結婚すれば、こうしてリラとずっと一緒に日々を過ごせるようになるのだから、早く月日が経って欲しいのに、中々そうもいかないな。リラと一緒の時間は短く感じるのに、一人でいる時間は長く感じてもどかしいよ。早くリラの全てを、私だけの物にしたいな」


 そう言って、エドワルドはリラの手に口付けるのだから、リラとしては赤面するしかない。


「えっ、エドワルド様っ?!ひひひひっ、人が見ています!おっ、お戯れはお止めになって下さい!!」

「リラが悪いのだよ?私がちゃんと傍にいるのに、不安そうな顔をするだなんて。それに言った筈だよ?他の事を気に掛けていたら、私がリラの気を引こうとすると」



 にっこりと笑顔でエドワルドに言われて、何も言い返せなくなるリラに満足するエドワルド。

(ずっ、ズルいですズルいですズルいです~!!そんな顔でそんな事を言われて、嬉しくならない女性はいません~!)


「ほっ、他の女性が沢山いる前で、そんな笑顔を見せないで下さい!恋敵をこれ以上増やさないで下さいぃ……」


 拗ねるリラが可愛くて、エドワルドは思わず微笑んでしまうがそんなエドワルドを見てリラは膨れる。


「そうは言うけれど、私が微笑むのはリラだけだ。最愛のリラと話しているのに、仏頂面等出来ないよ。それに、他の女性がリラの恋敵になったとしても、その女性に勝ち目は無いな。私はリラ以外に優しくする気も無ければ、微笑む気も無いからね。有るとすれば、それこそリラ関連だし、そうで無ければ目が笑っていないと思うな。本当の笑顔を見せれるのはリラだけだし、そこはリラに折れて欲しいな」


 エドワルドにそうまで言われて、嬉しくない訳が無い。


「しょっ、しょうがないですわね。ですが、わたくしの前だけですからね?他の女性に向けてしちゃ嫌ですからね?」

「勿論、リラの前でだけだから、安心しなさい」


 エドワルドの優しい微笑みに、リラはふんわりと笑みを見せた。


「あっ、あのっ、お話し中に失礼致します!ご注文の品と、お二方の婚約の記念にと、当店の店主より、お祝いのケーキを贈らせて頂きます!どうぞ、ごゆっくりとお召し上がりください」


 リラとエドワルドは顔を見合し、店員にお礼を言って受け取った。
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