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本編

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(エドワルド様はどんな子供だったのかしら?今度、マーウおじ様に聞いてみましょう!でも、先ずはエドワルド様にも聞いてみたいですっ!そして、エドワルド様の子供時代も見たかったですぅ~!)

 リラは、エドワルドと確執の有りそうなハンナと、仲良くなろうとは思わない。息子に息子では無いと認識させる母親なんて、居ないも同然だし、エドワルドが母親を恋しく思っているのなら未だしも、『恨まれるかも知れなくてよ?』とリリーが言った問いに、『母に疎まれているので、問題無いかと』と言ったエドワルドは、本当に他人事の様だった。否、他人事だったのだ。

(そんな女性に母親だからと、エドワルド様を返す気も、取り戻させる気も有りません!!エドワルド様の母親は、わたくしのお母様だけで充分ですし、エドワルド様は、わたくしだけのエドワルド様ですっ!エドワルド様を産んで下さった事には感謝しますし、疎んでられたから、わたくしなんかを選んだくれたのかも知れませんが、それ以外では感謝はしません!エドワルド様には、母親が与える愛情の分まで上乗せして、わたくしが愛していくので問題有りませんものっ!エドワルド様の愛情の全てはわたくしが独り占めするのですぅ~!!誰にもっ、産みの母親にも譲りません~!!)

 そして、またもやリラは、夜会の後の情事を頭に過らせてしまう。

 愛情だの、独り占めだのと思っていたからだが、身体が疼き、下着の中が濡れていくのが自分でも分かる。

 足を動かし太股を擦り合わせたい気持ちに陥るが、動かせば、エドワルドが起きてしまうかも知れない。

(あっ、あんな……気持ち良い?事を教えた、エドワルド様が悪いのですっ!!体感するのとしていないのとでは、全然違うのですぅ~!しっ、知ってしまったのですから、すっ、少しずつでもエドワルド様に、この疼きをしずめて頂かないと、いっ、嫌ですぅ~!)

 思い出す度、エドワルドと会う度に、段々と好きが募り、もっと近くで感じたくなってくる。

 夜会の後の馬車の中でも、あの行為は、お互いの気持ちを確かめる行為であり、結婚を控えた恋人同士なら許されると言ったのだから、婚約者であり恋人だと言ったエドワルドとは、しても許される筈なのだと、リラは自分に言い聞かせる。

(つっ、繋がれないけど、触って欲しいですぅ~!エドワルド様の、大きな手で、包まれたいぃ~!!)

 リラは顔を火照らせ、エドワルドが早く起きてくれる事を、必死で願った。
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