氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
178 / 805
本編

126

しおりを挟む
(エドワルド様はどんな子供だったのかしら?今度、マーウおじ様に聞いてみましょう!でも、先ずはエドワルド様にも聞いてみたいですっ!そして、エドワルド様の子供時代も見たかったですぅ~!)

 リラは、エドワルドと確執の有りそうなハンナと、仲良くなろうとは思わない。息子に息子では無いと認識させる母親なんて、居ないも同然だし、エドワルドが母親を恋しく思っているのなら未だしも、『恨まれるかも知れなくてよ?』とリリーが言った問いに、『母に疎まれているので、問題無いかと』と言ったエドワルドは、本当に他人事の様だった。否、他人事だったのだ。

(そんな女性に母親だからと、エドワルド様を返す気も、取り戻させる気も有りません!!エドワルド様の母親は、わたくしのお母様だけで充分ですし、エドワルド様は、わたくしだけのエドワルド様ですっ!エドワルド様を産んで下さった事には感謝しますし、疎んでられたから、わたくしなんかを選んだくれたのかも知れませんが、それ以外では感謝はしません!エドワルド様には、母親が与える愛情の分まで上乗せして、わたくしが愛していくので問題有りませんものっ!エドワルド様の愛情の全てはわたくしが独り占めするのですぅ~!!誰にもっ、産みの母親にも譲りません~!!)

 そして、またもやリラは、夜会の後の情事を頭に過らせてしまう。

 愛情だの、独り占めだのと思っていたからだが、身体が疼き、下着の中が濡れていくのが自分でも分かる。

 足を動かし太股を擦り合わせたい気持ちに陥るが、動かせば、エドワルドが起きてしまうかも知れない。

(あっ、あんな……気持ち良い?事を教えた、エドワルド様が悪いのですっ!!体感するのとしていないのとでは、全然違うのですぅ~!しっ、知ってしまったのですから、すっ、少しずつでもエドワルド様に、この疼きをしずめて頂かないと、いっ、嫌ですぅ~!)

 思い出す度、エドワルドと会う度に、段々と好きが募り、もっと近くで感じたくなってくる。

 夜会の後の馬車の中でも、あの行為は、お互いの気持ちを確かめる行為であり、結婚を控えた恋人同士なら許されると言ったのだから、婚約者であり恋人だと言ったエドワルドとは、しても許される筈なのだと、リラは自分に言い聞かせる。

(つっ、繋がれないけど、触って欲しいですぅ~!エドワルド様の、大きな手で、包まれたいぃ~!!)

 リラは顔を火照らせ、エドワルドが早く起きてくれる事を、必死で願った。
しおりを挟む
感想 2,440

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...