幼馴染みの彼と彼

綾月百花   

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 菜都美は二週間入院して、元気に退院した。

 入院中に五ヶ月になり、9月になった。

 9月に入っても、まだ真夏のように暑い。

 入院中に寝返りを覚えた菜都美は、自分でコロコロ転がっている。

 自由に行きたい場所に転がって行くので、一人遊びが長くなったが、床に物が落ちていると、何でも口に入れるので、朝食を終えたら即掃除を始める。

 次のわんこは関節が可動をするので、ネジを使う。出したネジの数を把握して、一個でもなくならないように、気をつけている。

 わんこに熱中していると、いつの間にか、俺のとこにいて、配線を口に入れようとするので、ビックリする。

 まだ電気を通してはいないけれど、電気が通っていたら感電してしまう。

 菜都美のわんこをそろそろ完成させた方が、菜都美がわんこと遊んでくれるかもしれない。

 だが、パソコンはもう全部、稼働をしているので、俺は初給料で、スペックの高いパソコンを作ることにした。

 この会社の給料は、最初に就職した大塚電気株式会社より高い。

 実は、俺は一日も働いていないけれど、大塚電気株式会社から給料を支払われていた。

 最先端プログラミング課の給料だったので、決して安くはなかった。

 三ヶ月に満たないけれど、二ヶ月と後日数分が通帳に入金されていたのだ。

 その金を菜都美の為に使っても惜しくはない。

 俺は据え置き型のパソコンを菜都美が寝たら組み立てるつもりでいるが、なかなか眠らない。

 仕方なしに、散歩に出かけようと考えた。


「菜都美、散歩に行こうか?」

「んぱんぱんぱんぱ」とご機嫌な声を出す。

「パパだよ?」


 抱き上げて、向かい合う。


「ぱ」

「ぱ」

「パパ」

「んぱ」


『ぱ』は言えるのに、『パパ』になると『んぱ』になってしまう。


「わうわう」

「わんこは留守番」

「ふえーん」


 菜都美はわんことお散歩がしたいようだ。

 部屋の中を見回して、菜都美のオモチャが一つも無いことに気がついた。


「わんこ見に行くか?」

「わうわう」


 俺は普通に『わんこ』と呼んでいるが、一般的にわんこは犬だ。

 間違った言葉を教えていることに気がついた。

 菜都美が言う『わうわう』を『ワンワン』と教えた方が正しい。

 子育ては難しい。


「ワンワン見に行くか?」

「わうわう」


 菜都美は不思議そうな顔をした。

「わんこはワンワン」

「わうわう」


 今日は犬のオモチャを探しに行こう。

 菜都美のおしめを替えて、一応、哺乳瓶とミルクを持って出かける。抱っこ紐で抱っこして、ベビーカーも持って行く。

 電車でお散歩も楽しいようで、菜都美は目をキラキラさせている。

 デパートがある駅で降りて、デパートのオモチャ売り場に来た。

 犬の縫いぐるみを二つ買った。菜都美は抱っこの方が好きなようで、ベビーカーは荷物を載せている。

 帰りの電車の中で眠ってしまった。

 家に帰って、リビングに菜都美の布団にそっと寝かす。

 外出で疲れたのか、ぐっすり眠っている。

 二つ買ったぬいぐるみのうちの一つを、側に置いて、俺はもう一つを作業場に隠した。

 昼食は後にして、パソコンを作っていく。

 貴重な時間なので、少しも無駄にできない。

 俺の今の作業場は、リビングなので、また壁面が減ったが、菜都美が遊べるスペースは十分にある。

 俺は無意識にニヤって笑っていた。

 できた。

 早速、プログラムを書き込む。


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