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番外編『魔法使いがいく!』
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「…ただいま」
「…おー、おかえり」
朝、まだ日が昇る前に目覚ましによる音で起きた彼は眠い目を擦って小屋へと入る。
「…出張先でお土産を買ったんだが…何か珍しい物はないか?」
「お土産?…あとで見るからそこに置いといて」
昨日買った物が入っている大袋をテーブルの上に置いて聞くも、彼女は料理を作っている最中のため見向きもしない。
「あ、ああ…」
テーブルの上では邪魔になると思ったのか、床の邪魔にならない場所を探して纏めるようにして置く。
「…お、帰ってたのか…おかえり」
「ああ、ただいま……っ!?」
朝のランニングから帰って来たんであろう青年の挨拶に顔を向けて返すと…
見慣れぬ表示に彼は思わず二度見して驚く。
「?どうした?」
「い、いや…おま…その表示…」
「?…ああ、コレか…」
不思議そうに聞く青年は指差す彼の反応に気づいたのか『暗黒騎士』という職業表示を見てなんとも言えない顔になる。
「『暗黒騎士』!?なんだその見慣れぬ…というか初めて見る職業は!」
俺が出張に行ってる間に何があったんだ!?と彼は軽くパニックになったように質問する。
「…コレは説明したら少し長くなるんだが…」
「…ふう…あ、お帰りなさい」
なんて言おうか…と青年が考えている間に女の人がランニングから帰って来た。
「あ、ああ…ただいま」
「…あ!もしかして、アレ…お土産ですか?」
女の人は床に置かれた大袋を見て目を輝かせて彼に聞いてくる。
「あ、いや…アレは食材しか入っていない。お前達のはこれだ」
彼は勘違いさせないように中身を話して別の袋を取り出してテーブルの上に置く。
「わ~!お菓子がいっぱい!ありがとうございます!」
「良かったな。…鍛錬の後の楽しみが増えた、俺からも礼を言う…ありがとう」
「なに気にするな。…じゃなくてだな!お前のその称号!」
「飯が出来たぞー」
彼が青年の『暗黒騎士』という称号について詳しく聞こうにも彼女の言葉でまた話の腰が折れる。
…結局、彼女のご飯の美味しさで彼はどうでもよくなり青年への追求は諦めてしまったようだ。
ーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーー
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