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青年期 361
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「…ごちそうさま。とても美味しかった」
「良かったね。じゃあ少し休憩してから第六ラウンドを始めようか」
「…やめとく」
昼飯を食べ終わった後に俺が戦いの再開について話すと女は少し考えて拒否る。
「もしかしてまだ体調が万全じゃない?」
「体調は回復したけど…封印されてる期間が長すぎたせいで、もしかしたらまだ本調子じゃないかもしれないからしばらくの間は調整しようと思って」
「へー、アレで全力を出し切ってたかと思ってたけど…実は言い訳だったりしない?」
「出し切ってない。全力は出してはいたけど、まだ半分しか出してない、なんなら今すぐにでも続きを始めようか?」
俺の確認に女は封印の影響があるような事を話すので弄るように返すと女がムッとしたように返してこの場で戦いを再開しようとした。
「冗談だよ、冗談。ってかあんだけ変化魔法を極めたような技術力を見せておいてまだ半分しか出してないとか…どれだけの数の引き出しを持ってんの?」
「逆にあなたはほとんど変化魔法を使ってない。それどころか強化魔法さえ…使えないのか、使ってないのか…次に会う時にはまずソレを確認するから」
俺が笑って戦いを拒否して女を称賛するように聞くと女は警戒した様子で言い、俺を指差して宣言するように返す。
「『次会った時』じゃなくて『次戦う時』にしてくれ。気軽に飯食いに来れなくなるよ」
「じゃあそれで。というか…殺し合いをして何度も死にかねない攻撃を受け続けたのに、その相手を食事に誘うってどうなの?あなたの感性おかしくない?」
俺の訂正と注意に女は即座に肯定して了承した後に微妙な顔をしながら俺の対応について疑問視する。
「一応『頭おかしい』って周りに言われるぐらいだから人とはズレてるんだろうな。別に俺はそれで困った事無いから気にしないけど」
「なるほど。寝首を掻かれない理由、か…不意打ちや闇討ちで倒しても意味が無い、『強さを示すなら正々堂々と勝たないといけない』ということか…」
俺が受け入れるような適当な感じで肯定的に言うと女は納得した後に今更ながら理解して呟いた。
「戦う相手に嫌悪感を与えなければ真っ当でクリーンな戦いになるんだよ。ソレが敵に気を遣うって事ね」
「…生きるか死ぬかの生存競争の戦いの中でそんな精神を持ち合わせてるのはあなただけよ。少なくとも私は過去にそんな精神をした人間…近い考えを持った人すら見た事も聞いたことも無い」
「じゃあ俺は生まれた時代に恵まれたって事だな。ははっ、今の時代に産まれて良かった」
俺の解説のような説明に女は微妙な顔をしながら奇人変人扱いしてくるので俺は若干煽るように自分の幸運に感謝して笑う。
「…いずれそんなこと言えなくなるんだから今の内に調子に乗っておく事ね。とりあえず持ち物を回収しないと… アンネリーゼはどこ?」
「支部にいるんじゃない?案内してあげようか?」
「助かる」
女は若干イラついたように言うも直ぐに気持ちを切り替えたのか予定を呟いて尋ね、俺が適当に答えて提案すると女が受け入れるので少女の下まで案内する事に。
「…しかし…王都にも支部があると言うのに王都に近いこんな宿営地のような場所にもあるなんて…」
「まあ協会員の人数は少ないけど。せいぜい500人前後だし」
「500…この規模に対しては多い方だと思うけど…」
魔法協会の区画に入ると女が意外そうに呟き、俺が出入りしてる協会員の数をざっくりと教えると女は少し考えながら他の所と比べるように呟く。
「あ。坊ちゃん、ちょうど良かった」
「何かあった?」
「『冷蔵庫』の改良が完了したとの報告を受けました」
「お!マジで?」
「れいぞうこ?」
支部の建物に入って直ぐにお姉さんに声をかけられ、用件を聞くと魔道具の研究開発の進捗状況を告げるので俺が喜びながら確認すると女が不思議そうな反応をする。
「食材を冷やして鮮度を保ったまま保管出来る家電。…いや、魔道具の一種」
俺は前世の記憶からの知識で説明した後に言葉選びを間違った事に気づき、分かり易いよう訂正した。
「へえ、日常生活で使う魔道具か…今の時代ではそこまで…」
「発想自体は100年以上前からありましたし、研究や開発も細々とかなり長い時間をかけて続けてたようです。現在のような飛躍的な進歩を遂げたのはここ十数年の話ですが」
女の驚きながらの意外そうな呟きにお姉さんは簡単に説明して俺を見る。
「で?改良ってどこまで進んだの?」
「温度をマイナスまで冷やす事に成功し『冷凍庫』を作る事が可能になりました」
「おお!マジか!」
「しかも坊ちゃんの設計図通り『冷凍庫』と『冷蔵庫』の同時稼働にも成功したそうです」
「おおー!」
俺が確認するとお姉さんは紙を取り出して報告し、俺のテンションが上がると更に朗報を伝えてくれた。
「…『魔道具』って事は魔石を使うんだろう?稼働時間はどれくらいだ?」
「常に動かすのであれば、ゴブリンの魔石で約一月らしいです。周りの気温や食材の温度や量にもよるらしいですが」
「結構長い間動かす事が出来るのか…」
「庫内の温度を下げるのは最初だけで後は維持するだけなので。お湯などの熱いものを庫内に入れない限りは魔力の消費もさほど多くはありません」
女の疑問にお姉さんは紙を見たまま答え、またしても驚いたように意外そうな感じで呟いた女にお姉さんがそう説明する。
「良かったね。じゃあ少し休憩してから第六ラウンドを始めようか」
「…やめとく」
昼飯を食べ終わった後に俺が戦いの再開について話すと女は少し考えて拒否る。
「もしかしてまだ体調が万全じゃない?」
「体調は回復したけど…封印されてる期間が長すぎたせいで、もしかしたらまだ本調子じゃないかもしれないからしばらくの間は調整しようと思って」
「へー、アレで全力を出し切ってたかと思ってたけど…実は言い訳だったりしない?」
「出し切ってない。全力は出してはいたけど、まだ半分しか出してない、なんなら今すぐにでも続きを始めようか?」
俺の確認に女は封印の影響があるような事を話すので弄るように返すと女がムッとしたように返してこの場で戦いを再開しようとした。
「冗談だよ、冗談。ってかあんだけ変化魔法を極めたような技術力を見せておいてまだ半分しか出してないとか…どれだけの数の引き出しを持ってんの?」
「逆にあなたはほとんど変化魔法を使ってない。それどころか強化魔法さえ…使えないのか、使ってないのか…次に会う時にはまずソレを確認するから」
俺が笑って戦いを拒否して女を称賛するように聞くと女は警戒した様子で言い、俺を指差して宣言するように返す。
「『次会った時』じゃなくて『次戦う時』にしてくれ。気軽に飯食いに来れなくなるよ」
「じゃあそれで。というか…殺し合いをして何度も死にかねない攻撃を受け続けたのに、その相手を食事に誘うってどうなの?あなたの感性おかしくない?」
俺の訂正と注意に女は即座に肯定して了承した後に微妙な顔をしながら俺の対応について疑問視する。
「一応『頭おかしい』って周りに言われるぐらいだから人とはズレてるんだろうな。別に俺はそれで困った事無いから気にしないけど」
「なるほど。寝首を掻かれない理由、か…不意打ちや闇討ちで倒しても意味が無い、『強さを示すなら正々堂々と勝たないといけない』ということか…」
俺が受け入れるような適当な感じで肯定的に言うと女は納得した後に今更ながら理解して呟いた。
「戦う相手に嫌悪感を与えなければ真っ当でクリーンな戦いになるんだよ。ソレが敵に気を遣うって事ね」
「…生きるか死ぬかの生存競争の戦いの中でそんな精神を持ち合わせてるのはあなただけよ。少なくとも私は過去にそんな精神をした人間…近い考えを持った人すら見た事も聞いたことも無い」
「じゃあ俺は生まれた時代に恵まれたって事だな。ははっ、今の時代に産まれて良かった」
俺の解説のような説明に女は微妙な顔をしながら奇人変人扱いしてくるので俺は若干煽るように自分の幸運に感謝して笑う。
「…いずれそんなこと言えなくなるんだから今の内に調子に乗っておく事ね。とりあえず持ち物を回収しないと… アンネリーゼはどこ?」
「支部にいるんじゃない?案内してあげようか?」
「助かる」
女は若干イラついたように言うも直ぐに気持ちを切り替えたのか予定を呟いて尋ね、俺が適当に答えて提案すると女が受け入れるので少女の下まで案内する事に。
「…しかし…王都にも支部があると言うのに王都に近いこんな宿営地のような場所にもあるなんて…」
「まあ協会員の人数は少ないけど。せいぜい500人前後だし」
「500…この規模に対しては多い方だと思うけど…」
魔法協会の区画に入ると女が意外そうに呟き、俺が出入りしてる協会員の数をざっくりと教えると女は少し考えながら他の所と比べるように呟く。
「あ。坊ちゃん、ちょうど良かった」
「何かあった?」
「『冷蔵庫』の改良が完了したとの報告を受けました」
「お!マジで?」
「れいぞうこ?」
支部の建物に入って直ぐにお姉さんに声をかけられ、用件を聞くと魔道具の研究開発の進捗状況を告げるので俺が喜びながら確認すると女が不思議そうな反応をする。
「食材を冷やして鮮度を保ったまま保管出来る家電。…いや、魔道具の一種」
俺は前世の記憶からの知識で説明した後に言葉選びを間違った事に気づき、分かり易いよう訂正した。
「へえ、日常生活で使う魔道具か…今の時代ではそこまで…」
「発想自体は100年以上前からありましたし、研究や開発も細々とかなり長い時間をかけて続けてたようです。現在のような飛躍的な進歩を遂げたのはここ十数年の話ですが」
女の驚きながらの意外そうな呟きにお姉さんは簡単に説明して俺を見る。
「で?改良ってどこまで進んだの?」
「温度をマイナスまで冷やす事に成功し『冷凍庫』を作る事が可能になりました」
「おお!マジか!」
「しかも坊ちゃんの設計図通り『冷凍庫』と『冷蔵庫』の同時稼働にも成功したそうです」
「おおー!」
俺が確認するとお姉さんは紙を取り出して報告し、俺のテンションが上がると更に朗報を伝えてくれた。
「…『魔道具』って事は魔石を使うんだろう?稼働時間はどれくらいだ?」
「常に動かすのであれば、ゴブリンの魔石で約一月らしいです。周りの気温や食材の温度や量にもよるらしいですが」
「結構長い間動かす事が出来るのか…」
「庫内の温度を下げるのは最初だけで後は維持するだけなので。お湯などの熱いものを庫内に入れない限りは魔力の消費もさほど多くはありません」
女の疑問にお姉さんは紙を見たまま答え、またしても驚いたように意外そうな感じで呟いた女にお姉さんがそう説明する。
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