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第五章 残酷な世界
241 口は災いの元
しおりを挟むどうしてこんな事になってしまったのか。
思い立ったが吉日と行動する私が悪いのか?
とんでもない事を口走ってしまったと後々後悔しても、後悔先に立たずで取り返しは付かない。
思い付きで行動してはいけないと自分でもわかっちゃいるが、身体が先に動いてしまうからどうしようもなくて。
……そして。
微笑んだら落ちない女はいないだろう事が窺いしれるその笑顔は、本日は鬼畜仕様でゾクリとする。
エメラルドの瞳は艶かしく劣情を孕み妖しい光を帯びて、愉しそうに嗤い私を見下ろしていた。
「……カレン泣いても嫌がっても、もう止めてやれそうにないから、大人しく啼いてよがり狂え、動くぞ」
「っえ? ……あっ……待っ……」
「だーめ、待たない」
エディはさらにその笑みを深め、私の身体を寝台に抑えつけて、それはそれはうっとりとした色香を漂わす艶かしい表情で。
挿入されたままそれなりに慣らされたとはいえ、熱く滾る凶悪なほど大きいモノを引き抜いて、また一気に突き挿れてきた。
その凶悪な質量は、子宮どころか内臓を押し上げて圧迫し、逃げ場のない快楽を私にもたらした。
「っぁああっ……あっ、ん、っは……」
身体は再び訪れた強い快感にビクビクと跳ねる。
「っは、最高っ……すっげえ締め付けてくる!」
達したばかりでもうそれ以上刺激しないで欲しいのに一番良いところを長い指で擦り、律動を開始して愉しそうに嗤う鬼畜は、なんかご機嫌に喜んでいる。
誰だよ、この男が本当は鬼畜だと知っているのに好きにしていいとか言った馬鹿は!
ぎらぎらと輝き妖しく光るエメラルドの瞳は、片時も私から目を離すことない。
そんなに私のよがり狂う様を見てお前は愉しいかと、文句が言いたいのに。
与えられ続ける甘美な刺激に、言葉が紡げない。
そして何を思ったのかこの男は私の足を掴み大きく広げて、少し浅い挿入を繰り返しながら、乳房の先端を執拗に弄ぶ。
その表情はやっぱりとっても楽しそう……!
こんな楽しそうするエディを見るのは初めてで、今まで我慢させてたのかと少し申し訳ない気持ちに一瞬なったが、この鬼畜には一生我慢して取り繕って頂いたほうがいいんじゃなかろうかと、すぐに考え直した。
だって我慢して貰えないと私の身体が持たない。
それにこの男は深く中をぐちゃぐちゃに掻き回してくるから、また……何度目かの絶頂を迎えさせられて、身体には既に力が入らない。
……なのにその律動は止まらない。
それどころかその律動はいっそう激しさと深さが増して厭らしい水音が寝室に響きわたる。
打ち付けるように繰り返される抽挿は、私に過ぎた快楽を与え、我慢することのできない悲鳴のような声をあげさせた。
「っア、あああぁ?! あっ……ひぁ……あ……」
切なそうに細められるエメラルドの瞳と、汗を滴らせるブラウンの髪が月明かりに煌めいて。
艶かしい色香を醸し出すその美形は苦悶の表情を浮かべ、荒い吐息と愛の言葉を吐く。
「っぐ……愛して、る、カレン! ……ああ、くそっ……可愛すぎて、堪らないっ……!」
そう言って貪るように私の口内を舌で蹂躙し、容赦なく最奥を激しく突き上げて乳房を揉みしだき、私の中に熱い欲を吐き出し脈を打つ。
「っあぁっ……ぇっ……でぃ……ぃっ」
身体は狂ってしまいそうな快楽に浅い呼吸を繰り返し、ガタガタと激しく震え、ぎりぎりで耐えていた快楽の波は吐き出された欲に反応し引きずられるように、達して涙が溢れ落ちた。
なのに……私の中に収まり続けるその凶悪なモノは、大人しくなるどころかさらに滾り熱を増やす。
そうなる事はわかってた……!
一回じゃご満足いただけないって知ってた!
でもさ、休憩させて……?
「カレンっ……愛してる、婚約だけじゃ足りない、今すぐ結婚式して嫁にしたい……もう、無理……辛い」
もう無理なのは辛いのはこちらの方だと言いたいのに、先ほどまでの荒々しい口づけではなく、優しい口づけをして頭を撫でてくるから。
ついそれを受け入れてしまう……!
この男、絶対わかっててやってるよ?!
だって凄い笑ってるもん……!
「も……無理ぃ……!」
「あははっ……でもまだ一回しかシテないけど? 足りないだろ? お前も」
「う、でも、いつもと違うっ……なんでこんな……」
「……これでもまだ優しくしてるんだけどな? 本気でヤったらお前の小さい身体じゃ冗談じゃなく壊れる」
「っえ……壊れ?」
「ん、本当。だからまぁ……魔力循環の影響消えるまで……たっぷり愛してやるから、大人しく抱かれてろ」
「……せめて……手、コレ解いて、痛い……」
「え? あ、忘れてた、ごめ……!」
「っい……」
エディに縛られていた手首には血が滲んでいた。
「癒せ」
エディは治癒魔法を行使してくれる。
「ん、あり、がと」
「ごめん、傷つけるつもりじゃなかったんだけど……痛かった、よな? 怖かった……か? ごめんな」
「んんっ、大丈夫! もう、治ったし、っあ……うー……、それに賢者の石の効果でこんなの、直ぐに治るよ……っん……」
話していても媚薬のように身体が勝手に反応してしまうのは、魔力循環による影響で。
ぎゅっと抱きしめてくれたエディの表情はいつもの穏やかで優しいものに戻っていて。
「……優しくする、だからもう少し我慢してくれるか? コレ途中で止めたら、お前が辛くなるから……」
「そんな顔っ……しないで? エディになら……何をされても私は嬉しいから、激しいのは困るけど……っん」
「っ……お前は自分の事を少しは考えて発言しろよ? そんな事言われたら……本気でぐちゃぐちゃになるまで犯して、壊してしまいたくなる」
そう私に言ったエディのエメラルドの瞳は。
どろりと濁っていてゾクリとした。
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