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清春編
妹
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それからの数日間、
俺は病院に寝泊まりをしながら真由を検査や診察の時以外ほぼ四六時中見守っていたが、
真由は目を覚さないままだった。
哲也とともに聞いた際の医師の説明とその表情には、希望を見出せない…
確かに俺はそんな印象を受けていたが、
いや…
それにしてもあり得ない…
真由がこのまま一生…目を覚まさないなんてことがあって、いいはずがない。
小説やドラマじゃあるまいし、俺の身の回りにそんな悲惨な…ことは、現実には起こらないはずだ…
俺はここ数日…
時々そんな風に…現実逃避をし始めるようになっていた。
頭ではわかっている。
当然これは現実のことで…真由は今、意識が戻らないままで…生死の境を彷徨っている…
言葉を発することなく…目も開かず…あの大きくてチャーミングだった瞳の輝きも…もう俺はいっときの間、目にしていない。
俺はハッとする。
いや… 違う…
そもそも真由が普段生活している時にすら…俺は…真由の顔を…まともには見ていない…気がする…
俺は最近…
真由の顔を、しっかりと見たことがあっただろうか…
真由を…女として…愛すべき妻として…じっと、見つめたことがあっただろうか…
最近の俺の頭の中は…
真由ではなく…茉優子のことで埋め尽くされていた…
茉優子に会えない時は…
茉優子の、白くなめらかで柔らかな裸体と…俺が深く突き上げた時に快感に喘ぐ小さくて高い声… 俺の動きに合わせてのけぞる白い首筋…
耐えきれないような…茉優子のみだらな女の…表情を思い出しては…
次の教室まで、我慢だ…などと、自分を…慰めていた…
真由のことなど一切、頭になかった…
真由は一緒に暮らしている…まるで…
そうだ…
家族のような…俺にとって、不出来で少し頼りないが、可愛い妹のような…そんな存在に、なってしまっていたのかもしれない…
最後に真由を抱いたあの夜… だけは、なんとか萎えることもなく…男の機能を果たせたが… 毎回…うまくいくとは限らなかった…奮い立たせてやっと…というところだ…
その点、
茉優子に対しては、違った…
俺は病院に寝泊まりをしながら真由を検査や診察の時以外ほぼ四六時中見守っていたが、
真由は目を覚さないままだった。
哲也とともに聞いた際の医師の説明とその表情には、希望を見出せない…
確かに俺はそんな印象を受けていたが、
いや…
それにしてもあり得ない…
真由がこのまま一生…目を覚まさないなんてことがあって、いいはずがない。
小説やドラマじゃあるまいし、俺の身の回りにそんな悲惨な…ことは、現実には起こらないはずだ…
俺はここ数日…
時々そんな風に…現実逃避をし始めるようになっていた。
頭ではわかっている。
当然これは現実のことで…真由は今、意識が戻らないままで…生死の境を彷徨っている…
言葉を発することなく…目も開かず…あの大きくてチャーミングだった瞳の輝きも…もう俺はいっときの間、目にしていない。
俺はハッとする。
いや… 違う…
そもそも真由が普段生活している時にすら…俺は…真由の顔を…まともには見ていない…気がする…
俺は最近…
真由の顔を、しっかりと見たことがあっただろうか…
真由を…女として…愛すべき妻として…じっと、見つめたことがあっただろうか…
最近の俺の頭の中は…
真由ではなく…茉優子のことで埋め尽くされていた…
茉優子に会えない時は…
茉優子の、白くなめらかで柔らかな裸体と…俺が深く突き上げた時に快感に喘ぐ小さくて高い声… 俺の動きに合わせてのけぞる白い首筋…
耐えきれないような…茉優子のみだらな女の…表情を思い出しては…
次の教室まで、我慢だ…などと、自分を…慰めていた…
真由のことなど一切、頭になかった…
真由は一緒に暮らしている…まるで…
そうだ…
家族のような…俺にとって、不出来で少し頼りないが、可愛い妹のような…そんな存在に、なってしまっていたのかもしれない…
最後に真由を抱いたあの夜… だけは、なんとか萎えることもなく…男の機能を果たせたが… 毎回…うまくいくとは限らなかった…奮い立たせてやっと…というところだ…
その点、
茉優子に対しては、違った…
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