【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

発見者

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真由の第一発見者は哲也だと聞いている…

真由と連絡のつかなくなった哲也が家に駆けつけ、血を流して倒れている真由を発見したと… 

そう、聞いている…

だが、哲也は前に…眠っている真由に…不埒な行いをした、危険過ぎる男だ。

あろうことか、妹である真由の服をはだけさせ、真由の胸を揉みながらキスをしていた…
だから、奴の言っていること全てを信用できない自分が、いる…

ひょっとするとその時間、その現場に、哲也が最初からいたとは考えられないだろうか…

状況はわからないが、薬で朦朧となっている真由を見て、この前のように魔が差して…哲也は真由を襲おうとしたのではないか…

真由は哲也に無理矢理に押し倒され、その時に頭を、運悪く強打したのではないか…  …

疑心暗鬼になった俺の中には、そんな想像も生まれ始めていた… 

全ては…
あの奇妙で不気味な男が…
真由の兄である、あの男…哲也が…
兄でありながら妹である真由を変な目で見ているからだ…

俺は真由に近づき、ボソリと呟く。

「真由… いったい、あの夜、何があった…?本当のことを教えてくれ…  でないと俺は… 俺…は…  」

じっと、見つめるが、
真由の瞼は…ピクリとも動かない…
青白い肌が暗闇の中、ぼうっと浮かび上がっているだけだ…

ああ…  真由…
このまま本当に真由の意識が戻らなければ…  俺は…     俺はどうすれば…

どんなに見つめても、
  真由は、人形のように動かない…

   俺は項垂れて、

     ベッドへ戻った…

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