422 / 538
~智花~
お茶
しおりを挟む
「ありがとう、三橋君…着いたわ。ここなの私のマンション」
会話が楽しくてあっという間に…気付けば、マンション下まで来ていた。
「あ…ほんと近いんですね…てか、ここだったんですね、林さんのマンション…」
三橋君がおもむろにマンションを見上げる。
「ええ…今日はごめんね、ありがとう、助かった。」
「俺んち、あれです…めちゃ近かったんですね?」
三橋君が指さしたマンションは本当に目と鼻の先…
ここからも見えているマンションで、密かに驚く。
「こんなに近くて今まで会わなかったのが不思議ね、ホント」
そう言いながらも答えは明確だ。
三橋君は早目の出勤の私とは違ってギリギリに職場に来るタイプだから、時間的に会うことがなかったのだろう…
「それじゃあ、また明日ね…ありがとう、お休みなさい」
そう言ってロビーに入ろうとした瞬間、背後からいきなり腕をつかまれ、驚いて振り向く。
「な… 何、よ… びっくり…する… 」
彼につかまれたままの腕が…なんだか熱い…
「ここまで送って来たのに…あっさりさよなら…?お茶も、なしですか…」
「はあ…!?」
「あーあ、がっかりだな…林さんって結構冷たいんですね…着いた、ありがと、はいさよならって…はあ…」
「え… …それって…どういう…」
「林さんの家、少しお邪魔してみたいな~って」
「や…でも、さすがにそれは…」
相手は男…
年下とはいえ、男なのだ… 彼氏でもない男を家に上げるなんて…さすがにそれは。
「無理よ… ほら、もう時間も遅いし、また今度…」
「…いいじゃないですか…?まさか警戒してます…?俺、無害ですよ…彼女、いるんで…」
「… そう、…だったよね… 」
飲み会の席で、年下の可愛い彼女がいることを楽しそうに話していた。
でも…彼女がいるからこそ、他の女の部屋に上がろうとするのは駄目なのでは…
「や…やっぱり、駄目よ…部屋、散らかってるし…」
定番の断り文句…嘘だ… 私の部屋はいつも、片付いている…
「あんま悩まないで、上げてくださいよ~さっき飲み会の席で話してた林さんのこだわりの特製ハーブティ、淹れてくれたら…それ、飲んだら、速攻帰るんで…」
「ん… …んー-… 」
「あ…やっぱ警戒してる… 俺、彼女に誓って…神に誓って、なんもしませんよ…だからね!?いいでしょ?」
「… んー- 」
さすがに、同じ職場…同じ部屋の、同僚…そして、明らかに彼女持ち…
何かされるなんてことは、普通に考えてないだろう…
「んじゃ…絶対だよ…もうこの時間だし、ほんとちょっとだけね…は~~負けたわ…」
「やっりー-!!…有り難うございます…ワクワク…ワクワク…!!」
三橋君がおどけるようにしながら私の後を、るんるんとわけのわからないステップを踏みながらついてくる…。
まるで、大きな子供みたいだ…
私はクスリと笑いそうになるのを抑えながら、部屋へ向かった。
だけど彼は、部屋に入って間もなく、豹変した… どこが、子供…
私が馬鹿だった…
そう思ったけど、
もう全てが、遅かった…
会話が楽しくてあっという間に…気付けば、マンション下まで来ていた。
「あ…ほんと近いんですね…てか、ここだったんですね、林さんのマンション…」
三橋君がおもむろにマンションを見上げる。
「ええ…今日はごめんね、ありがとう、助かった。」
「俺んち、あれです…めちゃ近かったんですね?」
三橋君が指さしたマンションは本当に目と鼻の先…
ここからも見えているマンションで、密かに驚く。
「こんなに近くて今まで会わなかったのが不思議ね、ホント」
そう言いながらも答えは明確だ。
三橋君は早目の出勤の私とは違ってギリギリに職場に来るタイプだから、時間的に会うことがなかったのだろう…
「それじゃあ、また明日ね…ありがとう、お休みなさい」
そう言ってロビーに入ろうとした瞬間、背後からいきなり腕をつかまれ、驚いて振り向く。
「な… 何、よ… びっくり…する… 」
彼につかまれたままの腕が…なんだか熱い…
「ここまで送って来たのに…あっさりさよなら…?お茶も、なしですか…」
「はあ…!?」
「あーあ、がっかりだな…林さんって結構冷たいんですね…着いた、ありがと、はいさよならって…はあ…」
「え… …それって…どういう…」
「林さんの家、少しお邪魔してみたいな~って」
「や…でも、さすがにそれは…」
相手は男…
年下とはいえ、男なのだ… 彼氏でもない男を家に上げるなんて…さすがにそれは。
「無理よ… ほら、もう時間も遅いし、また今度…」
「…いいじゃないですか…?まさか警戒してます…?俺、無害ですよ…彼女、いるんで…」
「… そう、…だったよね… 」
飲み会の席で、年下の可愛い彼女がいることを楽しそうに話していた。
でも…彼女がいるからこそ、他の女の部屋に上がろうとするのは駄目なのでは…
「や…やっぱり、駄目よ…部屋、散らかってるし…」
定番の断り文句…嘘だ… 私の部屋はいつも、片付いている…
「あんま悩まないで、上げてくださいよ~さっき飲み会の席で話してた林さんのこだわりの特製ハーブティ、淹れてくれたら…それ、飲んだら、速攻帰るんで…」
「ん… …んー-… 」
「あ…やっぱ警戒してる… 俺、彼女に誓って…神に誓って、なんもしませんよ…だからね!?いいでしょ?」
「… んー- 」
さすがに、同じ職場…同じ部屋の、同僚…そして、明らかに彼女持ち…
何かされるなんてことは、普通に考えてないだろう…
「んじゃ…絶対だよ…もうこの時間だし、ほんとちょっとだけね…は~~負けたわ…」
「やっりー-!!…有り難うございます…ワクワク…ワクワク…!!」
三橋君がおどけるようにしながら私の後を、るんるんとわけのわからないステップを踏みながらついてくる…。
まるで、大きな子供みたいだ…
私はクスリと笑いそうになるのを抑えながら、部屋へ向かった。
だけど彼は、部屋に入って間もなく、豹変した… どこが、子供…
私が馬鹿だった…
そう思ったけど、
もう全てが、遅かった…
0
お気に入りに追加
224
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる