【完結・R18】私を待っていたもの…それは…

もえこ

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誘い

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付き合いもほとんどなかった石元さんが私を食事に誘ってくるなんて…おかしい…
もしかしてやっぱり…お金を狙われている…?

でもまあ一度くらいなら、騙されてみてもいいのかもしれない…
なにしろお金は沢山ある…
人生で一度くらい、こんなに格好いい男性と食事に行っても罰は当たらない…。 

「なんですか…突然…お食事って…」

はい喜んでじゃ、なんとなく軽い女だと思われそうだし、負けた気分になってしまう。
だから私は少しだけ、そんな風に警戒したような素振りを見せる。

「実はずっと…先輩とゆっくり話をしてみたいと思っていたんです…ちょっと、相談もありまして…」

相談…?
それが常套手段… いつもの、口説き文句なのね… 

そのお綺麗な顔でそんな風に言われたら、若い女の子たちはイチコロでしょうよ…
おっと、イチコロなんて言葉は今時の子たちは使わない死語かしらん… 

でもまあ、上手に騙されてあげる… 

「わかりました…では食事に行きましょう」私はにっこりと微笑む。

「良かった!では、7時に駅前で…お店は良ければ俺にお任せください…」

ニッコリと蕩けるような笑顔を顔に張り付けて、男は去って行った。

 …何年ぶりのデート…男との食事だろうか…

たとえ騙されているとしても、こんな身なりじゃとてもいけない…
せめて、もっとまともな服を着て…
そうだ、お風呂にも入って綺麗にメイクして彼の前に現れたい…

私ははやる気持ちを抑えながら、午後になって主任の席へ向かった…。

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