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ハネムーン編

ハネムーン編 マテリオ 4 *R18 最終話

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「ん~、ここがマテリオのへや?」

 シンプルな部屋だなぁ。マテリオの合理的で質素な性格が現れている。そっとベッドに下ろしてくれた。

「そうだ。何もなくて済まないが、ノーマ殿達がジュンヤの荷物も運び入れてくれた」
「アレもありゅ?」
「……もちろん、ある」
「はやく、エッチしよ?」
「ーーっ!! 待て。遮音をかけてくる」

 マテリオが離れて、バッグから遮音の魔道具を取り出して発動させた。

「マテリオぉ~はやくぅ~!」
「分かっている。玉を出すから……」

 さらにバッグをゴソゴソして、エッチなお道具一式が出てきた。俺はその合間にもつれる手でボタンを外していく。

「ジュン……ヤ」
「ん、手伝って?」

 イチャイチャしたいイチャイチャしたい……

 脱ぐ手伝いをしてくれるマテリオを引き寄せた。

「チューする……」
「お前はっ! 私がどれだけ我慢しているか、んんっ!」

 ちゅっちゅっ……あ~美味しい。好き。はやくエッチしたい二人だけでイチャイチャしたい……

「ジュンヤ、今日は可愛いな……」
「しきょうじゃないマテリオ、嬉しい。かわいい……しゅき」
「ジュンヤも可愛かった。ずっと我慢をしていた……愛してる……」

 深い口づけに変わり、マテリオの唾液をねだって啜る。

「——ちゅながりたい」
「私もだ」

 マテリオは乱暴に服を脱ぎ捨てて、香油で玉を埋め込んだ。

「マテリオ……はやくきて、らいじょうぶだからぁ」
「だが」
「やら、はやく~」

 ずっとエッチしっぱなしだから、濡らしてくれるだけで良いと思う。はやくきてくれよ~!

「待て、少しだけ解すから」
「んんっ……あぁ……」

 ずぶずぶと指が一本入ってくる。だけど、それじゃ足りない。

 クチュッ……ジュプ……グチュッ……

「はっ、はぁ……あん……もっとぉ」
「ああ、増やすぞ」

 二本、三本……気遣っているのはわかる。

 ——でも、限界だ

「はやく! はやく、こいよぉ~! きて……」
「っ! まったく、お前は……!」

 ガバッと足を担いだマテリオが、俺の中に押し入ってくる。

 これがほしかった——!

「っう~! あっ! あっ! んっ、イイ!」
「——っ! はっ、はっ! なんて、淫らな体だ……愛してる……!」

 パン! パン! グチュッ、ヌチュッ! 

 俺の中からやらしい音がする……マテリオに食われてる音……

「ふぁっ、あんっ! そこっ!」
「ここ、か?」
「あんっ、そこぉ~!」

 マテリオが俺のイイところをガンガン突き上げて、あっという間に絶頂に向かってしまう。

「んっ、一緒が、いい! いっしょ、イく!」
「奥まで、入って、良いかっ?」
「いいっ! あ~~っ」

 全部を受け入れて、そのままマテリオがガツガツと俺を貪る。

「あっ、ひぅっ! いぃ! イッちゃ、あっ! ~~っ!」
「くぅっ! 私、もっ……!」

 奥の深いところにマテリオの愛が注がれて、うっとりと受け入れる。

「マテリオ ……あかちゃん、ほちいね……」
「ああ……私たちの未来を……産んでくれ」

 未来を産む……素敵な言葉だな。

「うん……あいちてる」

 そこから多分、二回戦くらいエッチして、満足した俺たちは抱き合って眠った。




 次の日の朝。町の浄化をするために準備をしていたのだが……お義父さん、お義母さんが赤い顔で俺達を見ていた。
 えっと、遮音はしてるから聞かれてない。けど、多分香りとか痕を隠すためのお化粧とか……めちゃくちゃエッチしたってバレバレです。
 そして、護衛のラドクルトは俺を厳しい目で見ていた。

「……ジュンヤ様、マテリオ殿。私があれほどお願いしたのに、すっかりお忘れのようですね」
「ごっ、ごめん……」
「……すまない」

 ラドクルトに、町を出歩く前日はエッチしないでくださいね! って頼まれてたんだよな~。

「ジュンヤ様。案の定エッチな香りを振りまいてるし、表情も全部エッチだし! 護衛の俺達が大変じゃないっすか~!!」

 ウォーベルトはもう少し婉曲な表現を覚えようか?

「ううっ……いやぁ、昨夜はちょっと酔っ払ってさぁ~」

 酔っ払ったらエッチしたくなったんだもん!! マテリオが可愛かったんだもん!!

 良い大人が『だもん』なんて言っても可愛くないから言わないけどさぁ~。

「ラドクルト殿、ご迷惑をおかけしてすまない。ジュンヤがあまりにも魅力的で我慢できなかった私の責任です」
「ゴホッ! ゲホッ!」
「——マテリオ殿は、相変わらずっすね……その天然の惚気、破壊力ありすぎっす」
「そんなつもりではないのだが」

 むせたラドクルト、あきれ返るウォーベルト。

「ゴホンッ! ともかく、ジュンヤ様。今日は民と少し距離を取ってください。今日のジュンヤ様はとにかく危険です! 虫が寄ってきたら私達が団長にお仕置きされますから!」
「分かったよ」

 はい、ラドクルトに心労をかけないように気をつけます!!
 
 と、いうわけで俺達は町の教会に出かけた。小さな町なので、治療院が併設してあるそうなんだ。

「マテリオ! いや、マテリオ司教、ご立派になられたな」
「トッパー神官、これまで通りマテリオとお呼びください」

 マテリオにしたら、この年配の神官は幼い頃からお世話になった人。その人に敬称をつけられるのはくすぐったいよな。

「神子ジュンヤ様。この度は王国の浄化を成していただき、誠にありがとうございます。拝謁がかない、このトッパー、思い残すことはございません」

 跪いて平伏するトッパー神官。今までなら俺も跪いて立ち上がらせるところなんだけど、ラドクルトが目でやめてくれ、と合図をしてきた。

 ——仕方ない。神子や王太子妃として対応を求められているんだ。

「トッパー神官。大きな浄化は終わりましたが、日々民を救う神官の力があってこそです。どうぞお立ちください」

 恭しく立ち上がるトッパー神官。

「マテリオが幼い頃に、こちらで教えを受けたと聞きました。……夫が神官になった始まりの場所を見たかったのです」
「おお……なんというありがたいお言葉。小さな教会ではございますが、存分にご覧ください」

 トッパー神官の案内で見せてもらった教会は、小さいけれど町のみんなに愛されて大事にされている温かい場所だった。

「マテリオはどんな子供でした?」
「昔から生真面目で、治癒をコントロールする授業を熱心に受けていました。それに、誰よりも強い力があり、レナッソーの神殿に推薦をしたのです」
「なるほど……」
「当時ともに学んだ子供たちは、皆各地で神官となって仕えています。でも、誰もマテリオの司教就任に驚かないでしょう。それほど特出しておりましたから」

 そうか。子供の頃から才能を発揮していたんだな。

「ですが、神子様……神子様と一緒のマテリオは以前のマテリオと違って見えます」
「えっ?」
「トッパー神官。それはどういうことですか?」
「お二人から、同じ光を感じます。共有している、とでも申しましょうか……二人で一人、という感じです」
「「——?!」」

 俺達は、二人で一つ……

 うまく言えないけど、それは感じていたこと。そばにいて、繋がって——欠けてはいけないピースだと。

「お幸せそうで、嬉しゅうございます。神子様、どうかマテリオをよろしくお願いいたします」

 トッパー神官が深々と頭を下げる。

「はい。俺達、幸せです。これからも、ずっと支え合っていこうと思っています」
「トッパー神官の教えがあってこそ、今の私がいます。最初の師がトッパー神官であったことを誇りに思います」

 きっと、大事にされたんだ。本当にありがとうございます……

「トッパー神官。少しでも体内に瘴気があれば蝕まれます。ですから、私はこれから町の浄化と治癒をしようと思います」

 トッパー神官の案内で、併設されている治療院へと行く。人数は少ないけど、やっぱり何人かは瘴気が体内に残っている。一部は、ピパカノやトーラントに行ったりして水や食べ物で摂取してしまったらしかった。
 俺は等しく治癒ができるように、スープを配給する。トッパー神官や、その他の神官、町の人もみんなが驚いていた。
 うちのチームすっかり慣れたもの。ささっと準備をしてくれる。仕事が終わる夕方に配給を始めて、町はとても活気に満ちていた。
 シートを敷いて酒を持ち出し、宴会を始めたり楽しげだ。俺達も外に席を設けてもらい、配給後はそこでゆったりと飲み食いして楽しげな様子を眺めていた。

「マテリオの故郷も、もう安心だな」
「ああ——ありがとう。いつも私はお前に助けられてばかりだな」
「それは俺もだろう? ふふっ……トッパー神官が二人で一人って言ってたよな。お互い様だ。これからも、な」
「そうだな。私達は——永遠に離れない……」
「マテリオ……」

 何? チューする? うん、しちゃおうか……

「ゴホンゴホン!!」

 棒読みの咳払いでハッとしてそちらを見るとラドクルトだった。そして、賑やかに雑談していたはずの町民の視線が俺達に……

「マテリオ! お前、そんなキャラだったか!?」
「ルイ!?……なぜいるんだ。ピパカノにいると聞いたぞ」
「そりゃあ、の凱旋だぜ? 帰って来るっての」

 ルイ? そうか、この人が……

「ジュンヤ」
「わっぷ?!」

 マテリオが俺を引き寄せ抱きしめ、胸に顔が押しつけられた。

「もったいない……見られた」
「何?」
「ジュンヤの可愛いところを他人に見せてしまった。私だけのものなのに」
「っ!? もう、大丈夫だって」
「だが」
「——あんたしか見てないものは、他にもあるだろ……」

 やらしいところとかさ。だからそんなにがっかりしなくて良い。

「……そうだな。ああ。——家に帰らないか?」
「ゴホンゴホン!!」
「「はっ!?」」
「ジュンヤ様……マテリオ殿……もうお帰りになったほうが良さそうですね」

 ひぃぃ~! ごめんラド!!

「えっ? そんな! 騎士様、俺達久しぶりに会うんっすよ。少しずつだけ良いですか?」
「ラド、俺も話したいな」
「……ジュンヤ様に失礼のないようにな」
「お邪魔しまーす!」

 そう言って、ルイさんは俺達の近くに陣取って座った。
 マテリオは相変わらず俺を抱きしめて隠したまま。

「なぁおい……本当にマテリオだよな?」
「マテリオ! 大丈夫だから離せよ。ルイさんの顔も見えないじゃないか」
「……」

 渋々といった具合だが開放された。振り向けば、日焼けした爽やか系ゴツいお兄さんがニコニコと俺達を見ていた。

「はじめまして、俺はジュンヤです。マテリオの……妻、です」

 妻、だってよ——!! 照れる~!!

「はじめまして! 俺はルイ。マテリオと同い年でね。あ、敬語は苦手で……不敬かな。いやぁ、神子様は噂に違わぬ色っぽいお方ですねぇ~! マテリオは見合いとかで真面目な相手になるかと思ってたよ。良かったな」
「ルイ、不敬だぞ」
「いや、良かったって言ってるだろ?」

 睨むマテリオをよしよしとなだめる。

「ふふっ、気にしないです……いや、俺も普通に話そうかな」
「ええ。俺には普通で良いっすよ」

 マテリオと対極で、フランクな態度のルイは豪快に笑った。

「マテリオって、どんな子だった?」
「ジュンヤ」
「えー? 知りたいだろう?」
「家が近くて、遊び相手だったんすよ。その頃は普通に遊んでた様な……」

 ルイさんは首を傾げた。

「治癒があると分かって、教会に行く回数が増えたらこんなクソ真面目に……だから、恋愛で結婚とか、本当にびっくりっすね。ましてや神子様だ!」
「ああ~、なんか、それは分かるかも。でも、意外に熱いところがあるよ?」
「えっ?! 本当っすか?! へぇ~! 神殿に入ってからはほとんど会ってないけど、そんなところ見たことねぇや。——良かったな、マテリオ。俺、ちょっと心配だったんだ」
「心配?」
「だって……」

 ルイは声を潜めた。

『自分で進路を決めたんじゃねぇし。治癒があったら問答無用で教会か神殿入りだ……自由なんかねぇから』
「そうか……」
「私は苦に思ったことはない。治癒があったからこそジュンヤと結ばれたのだ」
「——!! 堂々と惚気やがった!」
「ふんっ」

 マテリオが俺を引き寄せて、ルイから引き剥がして抱き込んだ。

「ふふっ、なんだよ。大丈夫だって。話をしてただけだろう?」
「……」

 困った奴め。俺は思い切って頬にキスした。

「俺がこういうことをするのは、惚れた相手だけだって知ってるだろう?」
「ジュンヤ……」

 ようやく微笑んでくれて安心した。俺もヤキモチを焼かれて、実は嬉しい。

「はぁ~! 安心した! こんな美人な嫁さんで王族になる人とうまくいくのか心配だったけど、惚れあってるなら平気っすね。じゃあ、お邪魔虫は失礼しますよ~」

 そう言ってルイは手を振り下がっていった。
 俺はというと、ラドクルトに叱られつつマテリオの家に戻りもう一泊をした。本当はあと数日泊まるはずだったが、珍しくマテリオがわがままを言い出したんだ。

「ここではジュンヤを存分に愛せない。離宮で二人だけの時間を過ごしたい」

 ですってよ!! もう!!

 それぞれと二人だけの時間を取っているから、マテリオにとっては貴重な時間なんだ、と言って強引に帰路についた。そんな俺達を微笑ましそうにイスラさん達が見送ってくれた。

 当然ですが、馬車の中でドロドロにされたのは言うまでもない。
 俺達の新しい生活は、これから始まる——


ーーーー
 気がつけば全四話。マテリオよ、貴様どれだけ文字を使う気なのだっ?!と言いながら書きました(苦笑)楽しんで頂けたら幸いです。
 さて、次は誰でしょう……これから書きます!しばらくお待ちくださいね。お楽しみに!
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