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ハネムーン編
ハネムーン編 1 side ダリウス 全7話
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これまでダリウス視点は少なかったので、心情を描いてみようと思います。二話で視点変更があります。
ナンバリングなので書き上げてからと思ったのですが、ゆっくり更新ということで見逃してください! バルバロイ家を描きたかったので、何話かかる不明です。クマ一族め……!!
ーーーー
俺は困難を乗り切り、ジュンヤとめでたく結婚した。新婚のハネムーンで全員がジュンヤとのふたきりの甘い時間を与えられていた。そして今、エロエロで可愛いジュンヤを伴って実家であるユーフォーンの城門をくぐったところだ。俺も一緒に馬車に乗り、移動中はキスやセックスをして満喫していた。
だが、門をくぐってからは、ため息が出そうなのを耐えていた
「ダリウス、楽しみだなぁ! 今度は街を楽しみたい!!」
無邪気に喜ぶジュンヤが愛おしい。俺の憂いの理由は、浮かれて報告を怠ったせいだ。自業自得だってわかっている。
(—— 母上、怒ってるだろうなぁ……)
◇
俺たちとジュンヤの結婚が決まり、意気揚々と結婚衣装を仕立てるためにグレンの店に向かう途中、父上からの呼び出しがあり団長室に来ていた。
そこで、ついうっかりではすまない失敗をしたと気がついた。よりによって母上を怒らせてしまった……!!
「父上……」
「浮かれていたおまえが悪いなぁ」
「父上も一言言ってくださればよかったのに」
「成人した子の面倒までみきれん」
「うっ……」
「まぁ、俺も帰ることになるから、一緒に怒られちまうなぁ、おまえのせいで」
「ご迷惑をおかけします」
部屋を退出して、ため息をつく。
(うぉぉぉ~~!! 母上、おっかねぇ!! なんとか機嫌をとらねぇと……それからジュンヤを同伴させる許可をエリアスにもらわねぇと)
衣装どころではなくなり、遅れる旨を連絡しエリアスの元に向かった。執務室では、エリアスが大量の書類と睨めっことをしていた。
ベルパル卿も一緒になって書類の確認中だった。即位の儀まで時間があるが、既に王としての執務が山積みだ。
「どうした?」
「殿下、お願いがございます」
俺だってTPOをわきまえているさ。
「お願いだと?」
「はい。婚儀の後、本家で結婚披露宴をしろと、母から通達がきました」
「——そうだった。気が回らなくて悪かったな。バルバロイ家の次男の結婚だ。お披露目をしなくてはな。ううむ、いつにするか……」
「殿下、お話に口を挟んでもよろしいですか?」
タイミングに頭を悩ます俺達に、ベルパル卿が意見をしてきた。
「ダリウス殿には悪いが、殿下が最優先です。ですから、婚儀終了後にハネムーン期間を設けて、全員と休暇を取れば平等でしょう。となれば、公爵家であるバルバロイ家が 二番手になり、問題なくご実家でのお披露目ができるのでは?」
「ふむ。ダリウスはそれで良いか?」
「それなら母も納得するでしょう」
「チェリフには、私から手紙を書こう。——健闘を祈る」
「頑張ります」
◇
結婚前のドタバタを思い出したが、無事にジュンヤは俺の嫁になった!! とウキウキしてしまう。
母上問題もうまく片付けて見せる!! そして、甘い甘い時間を二人で過ごすんだ!!
「あっ、ダリウス! お屋敷が見えてきた! みんな元気かなぁ」
「お、おう。手紙では元気そうだったな。今回は兄上とメフリー殿の婚儀もあるし、賑やかになりそうだ」
そう、メフリー殿の体調がようやく整い、念願だった婚儀が行われる。そこで俺たちのお披露目も同時に行い、領内や王国、さらには近隣国にバルバロイの結束力を見せつけるのだ、と母上は計画をしていた。
「おかえりなさいませ!!」
リンドたち使用人がずらりと立ち並び出迎えてくれた。
「坊ちゃん、お母上がお待ちかねでございます」
「うっ、そうか。ジュンヤ、行こう」
「うん。みんな、しばらくお世話になります」
ジュンヤは使用人たちににっこりとほほ笑み、彼らも思わずほほえみ返した。普段ならば冷静に対処する彼らも、優しく誠実に気遣ってくれるジュンヤにメロメロだ。
当然だな!! 美人を鼻にかけることもなくニコッと可愛く笑うし、ありがとうなんて使用人を気遣うしでもエロいしエロ可愛くて可愛くてそりゃもう可愛い!!
「ダリウス?」
「ん? 悪い、見惚れてた」
「何言ってんの!?」
「毎日惚れ直す……早くハネムーンのイチャイチエッチしようぜ!」
「バーカバーカ! なんでこんなところで言うんだよ!」
真っ赤になって恥ずかしがるジュンヤ。
(しまった! こんな可愛い顔を他のやつに見せちまった!)
「よし、部屋に行って楽な格好に着替えようぜ? それから、な?」
一回だけ抱いて、それから母上のところに行こう。
「坊っちゃま。奥様から坊っちゃまだけでお部屋に来る様にと伝言です」
「——あぁ、わかったよ」
俺の行動はお見通しだった……!! 母上怖い!
俺は急いで母上の部屋に向かう。走ると公爵家の子息にあるまじき振る舞いと叱られるので、見苦しくない程度のスピードだ。
(父上! 先にレイモンド様の屋敷に向かうとか狡いぞ!)
母上の部屋の前で、身嗜みを確認する。髪も撫でつけ……大丈夫か? 大丈夫だよな!?
「母上、ダリウスです。入ってもよろしいですか?」
「お入り」
いつもの声音だが、母上は静かに怒るから怖いんだよな……
「待っていたよ。そこにお座り。リンド、お茶をおくれ。その後は下がっていなさい」
リンドが下がったのを確認した母上の視線が、射る様に鋭い。
「浮かれているのは分かっていたけれど、貴族には段取りが大事だとお忘れかい?」
「ご迷惑をおかけしました」
「まぁ、他の伴侶が殿下だったから、そちらを優先するのを皆も納得したけどね。ここからはしっかり、バルバロイ家の男として動いてもらうよ。衣装はグレンに頼んだから間に合った。あとは、各所に二人揃って顔見せをしてきなさい。これがリストだ」
「はい。母上、私はこれまで自分勝手な振る舞いをして、わがままで愚かでした。これからは、バルバロイの男として、兄上を支える所存です」
「……へぇ。ジュンヤ殿との出会いがここまでおまえを変えるとはねぇ。ダリウス。母は、そなたに謝らねばならない」
猛烈に叱咤されると思っていたが、想定外の言葉だった。
「謝る?」
「そうだよ。旦那様が王都で任務に当たらねばならないから、領内や屋敷の事を私が一手に担ってきた。多忙なせいで、おまえたちに目が届かず気がつかなかった……許しておくれ」
「母上は悪くありません。私も兄上も、誰かに相談をすればよかったのだと思ってます。」
「——私は政略結婚だったから、旦那様の信頼を得るために必死だった。そなたもヒルダーヌも真の愛を得たこと、嬉しく思っているよ。幸せにおなり」
「母上……これからは親孝行したいと思っています」
「ふふふ。それならば、もう無理をしなくて良いぞ? その言葉遣い、落ち着かないのだろう?」
母上はケラケラと笑い、その笑顔は初めてみる屈託のない笑顔だった。
「今日はゆっくりすると良い。——新婚なのはわかるが、ジュンヤを抱き潰したら顔見せができないから、程々にしておきなさい」
「うっ、はい」
部屋を退室したが、心が軽くなっていた。
(母上には母上の悩みがあったんだなぁ。俺は浅慮だった)
バルバロイに嫁ぐこと。それが母上にとってどれほど重かったのか……
(ジュンヤに会いたい)
早足で自室へ向かい、ドアを開けるとそこには着替えてリラックスしたジュンヤがいて、俺を見て微笑んだ。
「おかえり! チェリフ様はなんだって?」
細い腰を抱き寄せて、髪に顔を埋める。
「なんだよ? やっぱり怒られたのか?」
「少しだけ注意されただけだ、大丈夫」
俺の背中に手を回し優しく撫でてくれるジュンヤの手から、温かい力が流れ込んでくる。けがも何もしていない時に流される浄化は、ひたすら温かく優しいのだと知った。無意識に俺を癒そうとしているのが嬉しくて愛しくてたまらない。
「ジュンヤ……明日から、各所に二人で挨拶回りをしに行く。でも、今日は何も用がないんだ」
「そうなんだ? じゃあ……できる?」
「ああ、やっとベッドで抱ける」
ジュンヤを抱き上げてベッドへ雪崩れ込む。
「ふふっ、逃げないからがっつくなよ」
「我慢したんだから、褒美をくれ」
耐えきれずに口付けて舌をジュンヤの中に滑り込ませた。甘い滴から力が俺の中にじん……と染み渡る様だ。
「んっ……はぁ、ああ……」
官能的な吐息に、愛しさが込み上げる。ジュンヤの蜜色の首筋に口付けると、ふわりと花の香りがする。舌を這わせながら、細い体をゆっくりと愛撫すると、その香りが徐々に濃く、そして誘う様な香りになって鼻腔をくすぐる。
(優しくしたい……時間をかけて、じっくりと愛を確かめ合いたい)
俺はゆっくり愛し合うチャンスが少なかったせいか、夢中になって次の日に腰が立たないほど貪っちまう。
だが、領内にいる今は、俺は護衛じゃない……
「ん、脱ぐ……」
「やらせてくれ」
首筋に一つ花を散らして、ゆっくりとシルクのシャツを脱がせる。薔薇色に色づいた尖りは、既にツンと立ち上っていた。
ちゅっ……ちゅっ……ぴちゃ……
わざと音を立ててキスをして舌で転がすと、艶かしく身悶える。
(俺に与えられた奇跡だ)
信仰は薄い方だった。だが、俺は初めてメイリル神に心から感謝をした。
(あなたがもたらしてくれた伴侶を、生涯愛して守ります)
熱い吐息で見上げるジュンヤは、俺のシャツに手をかけた。
「なぁ、あんたの体、早く見たい……」
俺の伴侶は、簡単に俺の理性を吹っ飛ばす。
乱暴に服を剥ぎ取り脱ぎ捨てて、結局のところジュンヤを貪る獣になる——
ナンバリングなので書き上げてからと思ったのですが、ゆっくり更新ということで見逃してください! バルバロイ家を描きたかったので、何話かかる不明です。クマ一族め……!!
ーーーー
俺は困難を乗り切り、ジュンヤとめでたく結婚した。新婚のハネムーンで全員がジュンヤとのふたきりの甘い時間を与えられていた。そして今、エロエロで可愛いジュンヤを伴って実家であるユーフォーンの城門をくぐったところだ。俺も一緒に馬車に乗り、移動中はキスやセックスをして満喫していた。
だが、門をくぐってからは、ため息が出そうなのを耐えていた
「ダリウス、楽しみだなぁ! 今度は街を楽しみたい!!」
無邪気に喜ぶジュンヤが愛おしい。俺の憂いの理由は、浮かれて報告を怠ったせいだ。自業自得だってわかっている。
(—— 母上、怒ってるだろうなぁ……)
◇
俺たちとジュンヤの結婚が決まり、意気揚々と結婚衣装を仕立てるためにグレンの店に向かう途中、父上からの呼び出しがあり団長室に来ていた。
そこで、ついうっかりではすまない失敗をしたと気がついた。よりによって母上を怒らせてしまった……!!
「父上……」
「浮かれていたおまえが悪いなぁ」
「父上も一言言ってくださればよかったのに」
「成人した子の面倒までみきれん」
「うっ……」
「まぁ、俺も帰ることになるから、一緒に怒られちまうなぁ、おまえのせいで」
「ご迷惑をおかけします」
部屋を退出して、ため息をつく。
(うぉぉぉ~~!! 母上、おっかねぇ!! なんとか機嫌をとらねぇと……それからジュンヤを同伴させる許可をエリアスにもらわねぇと)
衣装どころではなくなり、遅れる旨を連絡しエリアスの元に向かった。執務室では、エリアスが大量の書類と睨めっことをしていた。
ベルパル卿も一緒になって書類の確認中だった。即位の儀まで時間があるが、既に王としての執務が山積みだ。
「どうした?」
「殿下、お願いがございます」
俺だってTPOをわきまえているさ。
「お願いだと?」
「はい。婚儀の後、本家で結婚披露宴をしろと、母から通達がきました」
「——そうだった。気が回らなくて悪かったな。バルバロイ家の次男の結婚だ。お披露目をしなくてはな。ううむ、いつにするか……」
「殿下、お話に口を挟んでもよろしいですか?」
タイミングに頭を悩ます俺達に、ベルパル卿が意見をしてきた。
「ダリウス殿には悪いが、殿下が最優先です。ですから、婚儀終了後にハネムーン期間を設けて、全員と休暇を取れば平等でしょう。となれば、公爵家であるバルバロイ家が 二番手になり、問題なくご実家でのお披露目ができるのでは?」
「ふむ。ダリウスはそれで良いか?」
「それなら母も納得するでしょう」
「チェリフには、私から手紙を書こう。——健闘を祈る」
「頑張ります」
◇
結婚前のドタバタを思い出したが、無事にジュンヤは俺の嫁になった!! とウキウキしてしまう。
母上問題もうまく片付けて見せる!! そして、甘い甘い時間を二人で過ごすんだ!!
「あっ、ダリウス! お屋敷が見えてきた! みんな元気かなぁ」
「お、おう。手紙では元気そうだったな。今回は兄上とメフリー殿の婚儀もあるし、賑やかになりそうだ」
そう、メフリー殿の体調がようやく整い、念願だった婚儀が行われる。そこで俺たちのお披露目も同時に行い、領内や王国、さらには近隣国にバルバロイの結束力を見せつけるのだ、と母上は計画をしていた。
「おかえりなさいませ!!」
リンドたち使用人がずらりと立ち並び出迎えてくれた。
「坊ちゃん、お母上がお待ちかねでございます」
「うっ、そうか。ジュンヤ、行こう」
「うん。みんな、しばらくお世話になります」
ジュンヤは使用人たちににっこりとほほ笑み、彼らも思わずほほえみ返した。普段ならば冷静に対処する彼らも、優しく誠実に気遣ってくれるジュンヤにメロメロだ。
当然だな!! 美人を鼻にかけることもなくニコッと可愛く笑うし、ありがとうなんて使用人を気遣うしでもエロいしエロ可愛くて可愛くてそりゃもう可愛い!!
「ダリウス?」
「ん? 悪い、見惚れてた」
「何言ってんの!?」
「毎日惚れ直す……早くハネムーンのイチャイチエッチしようぜ!」
「バーカバーカ! なんでこんなところで言うんだよ!」
真っ赤になって恥ずかしがるジュンヤ。
(しまった! こんな可愛い顔を他のやつに見せちまった!)
「よし、部屋に行って楽な格好に着替えようぜ? それから、な?」
一回だけ抱いて、それから母上のところに行こう。
「坊っちゃま。奥様から坊っちゃまだけでお部屋に来る様にと伝言です」
「——あぁ、わかったよ」
俺の行動はお見通しだった……!! 母上怖い!
俺は急いで母上の部屋に向かう。走ると公爵家の子息にあるまじき振る舞いと叱られるので、見苦しくない程度のスピードだ。
(父上! 先にレイモンド様の屋敷に向かうとか狡いぞ!)
母上の部屋の前で、身嗜みを確認する。髪も撫でつけ……大丈夫か? 大丈夫だよな!?
「母上、ダリウスです。入ってもよろしいですか?」
「お入り」
いつもの声音だが、母上は静かに怒るから怖いんだよな……
「待っていたよ。そこにお座り。リンド、お茶をおくれ。その後は下がっていなさい」
リンドが下がったのを確認した母上の視線が、射る様に鋭い。
「浮かれているのは分かっていたけれど、貴族には段取りが大事だとお忘れかい?」
「ご迷惑をおかけしました」
「まぁ、他の伴侶が殿下だったから、そちらを優先するのを皆も納得したけどね。ここからはしっかり、バルバロイ家の男として動いてもらうよ。衣装はグレンに頼んだから間に合った。あとは、各所に二人揃って顔見せをしてきなさい。これがリストだ」
「はい。母上、私はこれまで自分勝手な振る舞いをして、わがままで愚かでした。これからは、バルバロイの男として、兄上を支える所存です」
「……へぇ。ジュンヤ殿との出会いがここまでおまえを変えるとはねぇ。ダリウス。母は、そなたに謝らねばならない」
猛烈に叱咤されると思っていたが、想定外の言葉だった。
「謝る?」
「そうだよ。旦那様が王都で任務に当たらねばならないから、領内や屋敷の事を私が一手に担ってきた。多忙なせいで、おまえたちに目が届かず気がつかなかった……許しておくれ」
「母上は悪くありません。私も兄上も、誰かに相談をすればよかったのだと思ってます。」
「——私は政略結婚だったから、旦那様の信頼を得るために必死だった。そなたもヒルダーヌも真の愛を得たこと、嬉しく思っているよ。幸せにおなり」
「母上……これからは親孝行したいと思っています」
「ふふふ。それならば、もう無理をしなくて良いぞ? その言葉遣い、落ち着かないのだろう?」
母上はケラケラと笑い、その笑顔は初めてみる屈託のない笑顔だった。
「今日はゆっくりすると良い。——新婚なのはわかるが、ジュンヤを抱き潰したら顔見せができないから、程々にしておきなさい」
「うっ、はい」
部屋を退室したが、心が軽くなっていた。
(母上には母上の悩みがあったんだなぁ。俺は浅慮だった)
バルバロイに嫁ぐこと。それが母上にとってどれほど重かったのか……
(ジュンヤに会いたい)
早足で自室へ向かい、ドアを開けるとそこには着替えてリラックスしたジュンヤがいて、俺を見て微笑んだ。
「おかえり! チェリフ様はなんだって?」
細い腰を抱き寄せて、髪に顔を埋める。
「なんだよ? やっぱり怒られたのか?」
「少しだけ注意されただけだ、大丈夫」
俺の背中に手を回し優しく撫でてくれるジュンヤの手から、温かい力が流れ込んでくる。けがも何もしていない時に流される浄化は、ひたすら温かく優しいのだと知った。無意識に俺を癒そうとしているのが嬉しくて愛しくてたまらない。
「ジュンヤ……明日から、各所に二人で挨拶回りをしに行く。でも、今日は何も用がないんだ」
「そうなんだ? じゃあ……できる?」
「ああ、やっとベッドで抱ける」
ジュンヤを抱き上げてベッドへ雪崩れ込む。
「ふふっ、逃げないからがっつくなよ」
「我慢したんだから、褒美をくれ」
耐えきれずに口付けて舌をジュンヤの中に滑り込ませた。甘い滴から力が俺の中にじん……と染み渡る様だ。
「んっ……はぁ、ああ……」
官能的な吐息に、愛しさが込み上げる。ジュンヤの蜜色の首筋に口付けると、ふわりと花の香りがする。舌を這わせながら、細い体をゆっくりと愛撫すると、その香りが徐々に濃く、そして誘う様な香りになって鼻腔をくすぐる。
(優しくしたい……時間をかけて、じっくりと愛を確かめ合いたい)
俺はゆっくり愛し合うチャンスが少なかったせいか、夢中になって次の日に腰が立たないほど貪っちまう。
だが、領内にいる今は、俺は護衛じゃない……
「ん、脱ぐ……」
「やらせてくれ」
首筋に一つ花を散らして、ゆっくりとシルクのシャツを脱がせる。薔薇色に色づいた尖りは、既にツンと立ち上っていた。
ちゅっ……ちゅっ……ぴちゃ……
わざと音を立ててキスをして舌で転がすと、艶かしく身悶える。
(俺に与えられた奇跡だ)
信仰は薄い方だった。だが、俺は初めてメイリル神に心から感謝をした。
(あなたがもたらしてくれた伴侶を、生涯愛して守ります)
熱い吐息で見上げるジュンヤは、俺のシャツに手をかけた。
「なぁ、あんたの体、早く見たい……」
俺の伴侶は、簡単に俺の理性を吹っ飛ばす。
乱暴に服を剥ぎ取り脱ぎ捨てて、結局のところジュンヤを貪る獣になる——
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