異世界で石に転生した件

atori

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6.お話し

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「わかればいい。落ち着いてくれたようだから、少し話をしてもいいか?」

「いしさんと、お話するの?」

「ああ。その前にまず名前を教えてくれ。俺は石井純だ」

「いし、いじゅん?」

「区切る場所が違うが、まあいい。君の名前は?」

「なまえはラナだよ」

「ラナか」

「うん、いしさん」

「……」

 まあ実際に石なんだからそれでいいのか?
 とにかく話を進めるか。

「ラナは外の状況わかってるのか? 他に人は居ないみたいだが……」

「その、わたし、わからないの。おおきな音がしたとおもったら……」

「荷物が散乱していたわけか」

「うん……」

 だが、なぜはこの中に隠れていたんだ?
 もしかして、この馬車の正規の乗組員じゃなかったのか?

「ラナはどうしてこの馬車に乗っていたんだ?」

「……おねえちゃんのところに行こうとおもって」

「おねえちゃん?」

 姉妹がいるのか。

 詳しく話を聞いてみると、街に冒険者として出稼ぎに出た7つ年上の姉に会うために馬車にこっそりと乗り込んだらしい。
 体の小さい彼女だからこそ出来たのだろう。
 
 俺は疑問に思ったことを聞いてみる。

「でもどうしてそこまで? ただ会いたかったからこんな無茶をしたのか?」

 普通、まだ年端も行かない子が、一大決心で馬車に乗り込んで姉に会いに行くとは思えなかった。
 姉の居る街まで、馬車で一ヶ月ほどかかる道のりらしいのだ。
 下手したら途中で見つかって大変なことになる可能性だってあった。
 

「おねえちゃんからぜんぜん手紙がこなくなって……もしかしたら」

 ああなるほど、ラナの目を見てわかった。
 らか、手紙が来なくなって死んでしまったと思ったのだろう。
 冒険者がどういう仕事なのかわからないが、俺が途中で目にした魔物らしき存在からするに、危険な仕事なのかもしれない。

「そうか、わかった。それでどうする? 俺もここから移動したい。ラナも姉のところに行きたい。だけど、外の状況を確認すればわかるが、他の馬車は全滅している。進むにせよ戻るにせよ、馬車は使えない。ラナはどうする?」

 正直なところ、最初の遭遇者がラナくらいの年齢の子でよかった。
 下手に大人のやつに話しかけて、悪魔祓いだの石の魔物だのと騒がれるのが一番まずかった。その辺のことを思うと、気味悪く思っていないラナは当たりかもしれない。


「わかんないよそんなの……。いしさん、わたし、どうすればいいの?」

 どうする?
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