モテたかったがこうじゃない

なん

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第一章

14*

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隠してもじもじしてる方が恥ずかしいだろうし、堂々と入った。

広めの洗い場に男二人入っても余裕な浴槽。浴槽にはお湯が張られている様で、湯気で白んでいる。いつの間にお湯入れてたんだろう。

王子は洗い場に座り手招きをしている。

「やっと来たか。寒いだろう、早くおいで」

湯気で湿った髪が王子の顔やら首筋やらに貼り付いて壮絶な色気を放っている。…あそこに行けと言うのか。行きたくない。あぁっ、もう!腹括れマシロ!

さささーっと近づいて王子の隣に並んで座った。ちらっと横目で王子を見ると、嬉しそうにおれを見ている。う"~…やっぱり恥ずかしい。

「くすっ、隣に座られると洗えないんだが」

「自分で洗える!」

「そうか、ではどうぞ」

石鹸とタオルを渡される。王子も器用に泡を立てて洗い始めた。いや、これでいいんだけど。もっと強引に洗われるかと思った。

おれも恐る恐る石鹸で泡立てて洗い始める。ごしごしと身体を洗う音が二人分響く。あらかた洗い終えて流そうとシャワーに手を伸ばしたところで止められた。

「マシロ、洗い残しがある」

「え?全部洗ったと思うけど…」

「ここがまだだ」

そう言って王子が触れてきたのはおれの尻。しかも割れ目から奥にある穴まで入ってきた。

「うえっ!?お、おうじ!?」

「今夜はここがメインだろう?よく洗っておかないと」

穴の上を何度も指で擦られる。ムズムズする感じと恥ずかしさに王子の手から逃れようと身体を捻る。するとあろうことか王子と向き合う体制になって、背中に伸びてきた腕に引き寄せられて抱き止められた。

お互いに泡だらけの裸体がくっついてぬるつく。伝わる体温がおれの体温も上げていった。王子は肩越しに覗き込んで、体制が前のめりに崩れて、足が開いて丸見えなおれの尻穴に遠慮なく泡を擦り付けた。

「ひゃっ、王子!あ、汚いからぁ…っ」

「大丈夫、今洗っている」

「そういう、ことじゃ…あっ!」

表面をクルクルとしていた指がスルッと一本入ってきた。泡の滑りもあってすんなり第一関節ほど埋められる。

「…思っていたより柔らかいな」

王子は入口の浅い部分を何度も抜き差しして不満そうに呟いた。

「マシロ、カール魔導士長を何度ここへ受け入れたんだ」

「あっ、あんっ、分かんな…」

「その声も惜しげもなく聞かせたのか?」

「やめ、あっ、おう…じ…やぁっ」

「…はぁ、すまない。責めるつもりじゃなかったんだ」

つぽっと尻の穴から王子の指が抜かれる。もう入っていないのに入口がくぱくぱと動いた。その感覚にカール様との事を思い出して身体が熱くなる。薄っすらと赤らむおれを王子が両腕で抱き締めた。

「今カールの事を考えているだろ。…いや、お前は悪くない。僕が誘導したようなものだ。浅ましいと分かっていても妬けるな」

逞しい胸と腕に力強く抱き締められて、耳元で悩ましげに響く低く艶のある声に脳が痺れる。高まった熱も合わさって王子の背中に腕を回した。びくっと僅かに揺れた大きな身体を抱き返す。

「いま、ここにいるのは王子でしょ…?」

それで勘弁して。

「…マシロ、レイヴァンと…呼んでくれないか?」

「…レイヴァン…様」

「マシロ…っ」

「レイぅ…っ」

背中に回されていた腕を解かれ、今度は肩を掴まれてキスされる。はむはむと唇を食べられる様な軽いキスは心地良くて、目を閉じて受け入れた。唇が合わさる度に温かいものが少し入ってくるのも気持ち良い。

気が済むまでキスされて唇が離れ、見つめ合う。漂う雰囲気が甘く、呑まれてしまう。まだ発情してないはずなのにドキドキして、堪らずおれから視線を外した。

「…お湯に浸かろうか」

レイヴァン様がシャワーで泡を流してくれて、揃って湯船に浸かった。自然な流れで誘導され、レイヴァン様の脚の間に座らされる。後ろから抱き締められて背中にレイヴァン様の身体が密着した。おれとは違う逞しい感触に固まってしまう。心臓が口から飛び出そうだ。

緊張で強張ったおれの腹に腕が回され、肩に顎を乗せられスリスリと頬を寄せられた。更に密着度が上がって、もうガチガチだ。時折艶めかしい吐息が耳の近くで響いて腰に来る。

「あっ…ふぅ…っ」

緊張と羞恥で逆上せそうだ。

「どうした?まだ何もしていないのに腰が動いているぞ?」

「はぁ…や、みみ、しゃべんない…でぇ」

「あぁ…マシロは耳が気持ちいいのか」

「あっ!やんっ、やあぁぁぁ…っ」

レイヴァン様に耳を舐られる。じゅぶじゅぶと直接的な卑猥な音が脳まで響く。それに加えて低くエロい吐息や声にくらくらして身体が勝手に跳ねた。

バシャバシャとおれの動きに合わせてお湯が揺れ、自分の喘ぎ声とジュルジュル舐られる音が風呂場に響いた。

脳みそが犯されていく。

最高潮に昂らされているのに、イケない。決定的な刺激が足りず、ずっといたぶられているようだ。

尻をレイヴァン様に押し付けて左右に振る。当たっているそれがどんどん硬くなっていくのにも興奮した。気持ちいいのはおれだけじゃないんだ。

「ん…マシロ…っ」

「あぁーっ、あんっ、レイヴァン…さまぁ…っ、イキたいっ、…もう、こっちもさわってよぉ…っ」

腹に回された腕を下に押し、硬くぴくぴく震えているちんこに押し付ける。レイヴァン様の手が少し触れた感触にも甘い息が出た。思い切り擦って貰ったらどれだけ気持ちいいんだろ。

「…触っていいのか?」

「いい…っ!いいからぁ、はやく擦って…っ、いっぱい出したいのぉ…っ」

「……っ」

息を呑む音がして、性急にちんこが温かいものに包まれる。そのまま上下に擦られて脳天に電流が走った。あまりの気持ちよさに声が止まらない。

「ああ”あぁぁーっ、あぁ、ああぁ、はあぁ…っ」

「はっ、はっ、気持ちいいか?マシロ」

「きもちぃ…あん、きもち…ぃ、あー…でゆぅ…」

「イキそうなのか?」

「はぁあ、あ、いくぅ…っ、でゆぅ…っんえ…っ!?」

ばさぁぁーっと勢い良くレイヴァン様が立ち上がり浴槽の縁に座った。器用におれを横抱きに膝に座らせ思い切り擦られる。

「…イクところを見せてくれ、マシロ」

「ああぁぁっ!あぁっ、あっ、やぁあっ」

快楽とよだれでぐちゃぐちゃのだらし無い顔と陸の魚のように跳ね上がる身体を全てレイヴァン様に見られている。

恥ずかしい。恥ずかしいのに、興奮に光る紫色の瞳が食い入るようにおれの痴態を見ている様子に不思議な気分だ。

こんなにも綺麗な男の人が、おれで興奮している。おれが欲しいと訴えている。

ゾクゾク…っ!!と背中に鳥肌がたった。
瞬間。

「ああ”あぁぁーっ!!」

一際大きく波打ち盛大に射精した。
飛び出した精液がレイヴァン様を汚していく。その様にも興奮した。
あっ、あっ、と短く鳴きながら小さく震えるおれにレイヴァン様が啄むようなキスを落とす。

「凄く可愛かった…。マシロ…僕のマシロ…」

「あ…レイ、ヴァ…さま」

「…今夜は僕のために沢山鳴いておくれ、マシロ」

白く汚れた身体を洗い流し、綺麗になった身体にバスタオルが巻かれて横抱きにされる。

そのまま風呂場を出て運ばれた先は大きなベッド。ベッドが濡れるのも構わずに、おれ達は白いシーツに倒れ込んだ。














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