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例の物
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「こうしてはおれん! モフレンダ、完成しておる素体にもう少し手を加えるぞ!」
あの地球とこの星が激突する様な現象をその目で見たボーディは、モフレンダへそう告げと、モフレンダは無言で頷いた。
「ちょ、ちょ~っと待ってください! 素体に手を加えるって…今からですか?」
それに待ったをかけたのは、その素体…いや新ボディの完成を心待ちにしていたサラ。
「うむ、その通りじゃ!」
何を当然の事を聞くのか? という顔のボーディ。
「いやいやいやいや、もう完成してるじゃないですか! これ以上何をしようって言うんですか!」
必死の形相のサラ。
「自爆機能を…」
「モフレンダさんは、黙らっしゃい!」
「では…このカチューシャを…」
「金のカチューシャで角が2本…しかも先っちょに丸い何かが付いてる、このカチューシャ?」
「笛を吹いたらすぐに飛んでくる…」
「マグ〇大使かよ!」
「それじゃ、似たようなデザインのリモコンで動かせる様に…」
「そりゃ、鉄人〇8号だよ!」
「だったら、腕時計型のリモコンか脳波感応式のヘルメットで命令を…」
「そら、ジャイア〇トロボと大鉄〇17だよ!」
どうやら、懐かしいネタでサラとモフレンダが漫才を始めた様子。
「お主ら、ちょっとは緊張感を持て! しょうがないやつじゃのぉ」
心底呆れたという顔で、モフレンダとサラを見るボーディ。
「だってだって、この根暗天パ女が…」「ツルペタ女が…」
「いいから、ちょっとお前ら黙るのじゃ! モフリーナよ、素体の改造は別として…例の物は完成しているかや?」
2人を怒鳴りつけたボーディが、背後に控えるモフリーナに声を掛けた。
サラは「か…改造!?」とか騒いでいたが、完璧に全員から無視されていたが。
「はい、9割ほど完成しておりますよ。見てみますか?」
これまでの騒動など聞こえていなかったかのごとく、とても冷静な声のモフリーナが答えた。
「うむ…映像をこれに…」
そう言ったボーディの目の前に、突如現れた秘密基地の様な映像が映し出されたモニター(?)には、巨大な何かの周囲に集っているコボルトとゴブリンの姿。
「ふむふむ、順調な様じゃのぉ」
「ええ。メカニック・ゴブリンと、メカニック・コボルトを総動員して計画を進めておりますので」
ゴブリンとコボルトに技術者がいた事に、素直に驚くサラとリリア。
「全体像を見せてくれんか?」
秘密基地でせっせと働くコボルトやゴブリンの様子を映し出していたカメラ(?)、ゆっくりと引いてゆき、やがてその基地の真ん中に立つ巨大な物体の全体像が露わになっていった。
「これ…サラですよね?」「これって、私じゃん!?」
そう、この秘密基地? 工場? で作られていたのは、巨大なメイド服を着たロボット…ではあるが、見た目はどう見てもサラだ。
「まあ、お主がモデルなのは否定せん。何せデザイン的に考えても、空気抵抗も少なそうじゃし、軽量なそのボディは燃費もよさそうじゃからのぉ」
ボーディのその言葉は、一見するとモデルとなったサラを褒めている様ではある。
だが、その映像を見たリリアは、
「なるほど。ミニロリツルペタボディのサラゆえに燃費も空気抵抗も少ないと…。当然、軽量に仕上がるとなれば、確かに私やモフリーナさんがモデルでは難しいでしょうね…」
見事な凹凸を持つ2人がモデルであれば、確かにそうかもしれない。
「ええ、そうなのです…」
モフリーナもリリアの言葉を困った顔をしながらも肯定した。
「なるほど…って、誰がミニロリツルペタじゃー!」
怒りで顔を真っ赤に染めたサラが叫ぶが、
「貴女です」「お主じゃ」「サラさんですね」
分身体幼女組はコメントを差し控えた様だが、大人組は即座にサラを指さした。
「う、うわー----ん! みんながいじめるー---------!」
漫画の様に両目から涙を飛ばしながら駆け出すサラ。
まあ、このダンジョン領域内においては、サラがどこへ逃げようとも、ダンジョンマスター達にの手にかかれば一瞬で捕獲されるわけなのだが…。
「それで、これの名称は?」
目の前のモニターに映し出される女性型の巨大ロボットについてボーディへと質問をリリアがすると、
「ALL ROUND INTERCEPT & ESCORT MAIDじゃ」
どこぞのマッド・サイエンティストも驚くほどの、マッドなニヤリ顔のボーディ。
「おぉ!? 見た目と違って、結構仰々しくもちゃんとした名称なんですね…」
リリアの予想では、巨大メイドロボとかいう巫山戯た名前だった。
「そして、その頭文字を取って…」
「頭文字Aとか言いませんよね?」
妙に持って回った言い回しのボーディに突っ込みを入れるリリアだが、
「ここに発表しよう! その名も輝く、ARIEM(エリアム)なのじゃ!」
「それは笹〇祐一先生の小説に出て来る全領域邀撃&支援レディ・AR〇ELの丸パクリじゃねーーーかーーー!!」
どっから取出したのか、巨大なハリセンでボーディの後頭部を強打するリリア。
「…あんたらも漫才してるじゃん…」
モフレンダがぼそりと呟くと、今まで無言を貫いていたもふりんとカジマギーも、
「「ぷっ!」」
っと、思わず噴き出した。
あの地球とこの星が激突する様な現象をその目で見たボーディは、モフレンダへそう告げと、モフレンダは無言で頷いた。
「ちょ、ちょ~っと待ってください! 素体に手を加えるって…今からですか?」
それに待ったをかけたのは、その素体…いや新ボディの完成を心待ちにしていたサラ。
「うむ、その通りじゃ!」
何を当然の事を聞くのか? という顔のボーディ。
「いやいやいやいや、もう完成してるじゃないですか! これ以上何をしようって言うんですか!」
必死の形相のサラ。
「自爆機能を…」
「モフレンダさんは、黙らっしゃい!」
「では…このカチューシャを…」
「金のカチューシャで角が2本…しかも先っちょに丸い何かが付いてる、このカチューシャ?」
「笛を吹いたらすぐに飛んでくる…」
「マグ〇大使かよ!」
「それじゃ、似たようなデザインのリモコンで動かせる様に…」
「そりゃ、鉄人〇8号だよ!」
「だったら、腕時計型のリモコンか脳波感応式のヘルメットで命令を…」
「そら、ジャイア〇トロボと大鉄〇17だよ!」
どうやら、懐かしいネタでサラとモフレンダが漫才を始めた様子。
「お主ら、ちょっとは緊張感を持て! しょうがないやつじゃのぉ」
心底呆れたという顔で、モフレンダとサラを見るボーディ。
「だってだって、この根暗天パ女が…」「ツルペタ女が…」
「いいから、ちょっとお前ら黙るのじゃ! モフリーナよ、素体の改造は別として…例の物は完成しているかや?」
2人を怒鳴りつけたボーディが、背後に控えるモフリーナに声を掛けた。
サラは「か…改造!?」とか騒いでいたが、完璧に全員から無視されていたが。
「はい、9割ほど完成しておりますよ。見てみますか?」
これまでの騒動など聞こえていなかったかのごとく、とても冷静な声のモフリーナが答えた。
「うむ…映像をこれに…」
そう言ったボーディの目の前に、突如現れた秘密基地の様な映像が映し出されたモニター(?)には、巨大な何かの周囲に集っているコボルトとゴブリンの姿。
「ふむふむ、順調な様じゃのぉ」
「ええ。メカニック・ゴブリンと、メカニック・コボルトを総動員して計画を進めておりますので」
ゴブリンとコボルトに技術者がいた事に、素直に驚くサラとリリア。
「全体像を見せてくれんか?」
秘密基地でせっせと働くコボルトやゴブリンの様子を映し出していたカメラ(?)、ゆっくりと引いてゆき、やがてその基地の真ん中に立つ巨大な物体の全体像が露わになっていった。
「これ…サラですよね?」「これって、私じゃん!?」
そう、この秘密基地? 工場? で作られていたのは、巨大なメイド服を着たロボット…ではあるが、見た目はどう見てもサラだ。
「まあ、お主がモデルなのは否定せん。何せデザイン的に考えても、空気抵抗も少なそうじゃし、軽量なそのボディは燃費もよさそうじゃからのぉ」
ボーディのその言葉は、一見するとモデルとなったサラを褒めている様ではある。
だが、その映像を見たリリアは、
「なるほど。ミニロリツルペタボディのサラゆえに燃費も空気抵抗も少ないと…。当然、軽量に仕上がるとなれば、確かに私やモフリーナさんがモデルでは難しいでしょうね…」
見事な凹凸を持つ2人がモデルであれば、確かにそうかもしれない。
「ええ、そうなのです…」
モフリーナもリリアの言葉を困った顔をしながらも肯定した。
「なるほど…って、誰がミニロリツルペタじゃー!」
怒りで顔を真っ赤に染めたサラが叫ぶが、
「貴女です」「お主じゃ」「サラさんですね」
分身体幼女組はコメントを差し控えた様だが、大人組は即座にサラを指さした。
「う、うわー----ん! みんながいじめるー---------!」
漫画の様に両目から涙を飛ばしながら駆け出すサラ。
まあ、このダンジョン領域内においては、サラがどこへ逃げようとも、ダンジョンマスター達にの手にかかれば一瞬で捕獲されるわけなのだが…。
「それで、これの名称は?」
目の前のモニターに映し出される女性型の巨大ロボットについてボーディへと質問をリリアがすると、
「ALL ROUND INTERCEPT & ESCORT MAIDじゃ」
どこぞのマッド・サイエンティストも驚くほどの、マッドなニヤリ顔のボーディ。
「おぉ!? 見た目と違って、結構仰々しくもちゃんとした名称なんですね…」
リリアの予想では、巨大メイドロボとかいう巫山戯た名前だった。
「そして、その頭文字を取って…」
「頭文字Aとか言いませんよね?」
妙に持って回った言い回しのボーディに突っ込みを入れるリリアだが、
「ここに発表しよう! その名も輝く、ARIEM(エリアム)なのじゃ!」
「それは笹〇祐一先生の小説に出て来る全領域邀撃&支援レディ・AR〇ELの丸パクリじゃねーーーかーーー!!」
どっから取出したのか、巨大なハリセンでボーディの後頭部を強打するリリア。
「…あんたらも漫才してるじゃん…」
モフレンダがぼそりと呟くと、今まで無言を貫いていたもふりんとカジマギーも、
「「ぷっ!」」
っと、思わず噴き出した。
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