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松編 ②
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しおりを挟む昨日の話はかなり俺を揺さぶった。重いものが嫌いな俺にとって追い討ちをかけるソルトの所業がわかりのしかかる。
何で後先考えず重い行動するかね~もっと気楽に考えりゃいいのに。要はこいつが軽く考えるようにすればいいんじゃないか?とも考えた。
「松君、印鑑ありがとう!来てたんだ!」
「うん、昨日からいるよ。一応河口君には挨拶したんだけどね」
「?」
「フィグさんで見えなかったかも」
「そっか!」
松が来ていると言われ松の部屋を訪れると隣にはソルトが座っていた。フィグから事情を聞きソルトの牢屋生活が解除されたのを知った。
「ソルトさん、松君の側に居れて良かったね!」
「はい!命をかけてお守りします!」
「重い……」
「松君は良かったの?」
「良いも悪いも…もう出しちゃったからね」
「そ、そっか」
革縄をしっかり持ちため息混じりでソルトの横に座る松をみて苦笑いしつつ話をした。
「ところで松君が持ってる革縄、前は手じゃなかった?」
「はい!私の希望で首になりました!」
「そっか、希望が叶って良かったね!」
「はい!!」
相変わらずのソルトに呆れる松は話を変えようと昨日から気になっていたフィグの首の変化に目を向けた。
「フィグさん首にタトゥーしたんですね」
「それは飾り文字の事か?」
「そう、それ。タトゥーじゃないの?」
「タトゥーみたいなんだけどちょっと違うくて、全然痛くない。フィグがお揃いみたいな感じで付けたいって、ね?」
やまとはフィグの首を見て答えた。
「ああ、魔石を使った飾り文字で付けるんだが魔石の種類で色や見えかたが違う」
「へーナグマ文字格好いいんだよな~フィグさん付けるとかなり似合う。お揃いって事は河口君も?」
「うん」
やまとが顔を真っ赤にした。するとフィグがやまとのうなじを撫でゆっくり抱き抱え二人にうなじを見せた。
「へーちなみに何て読むんですか?」
「文面はやまとが考えた。俺に入ってるのが
【やまとのもの】で、やまとの首に入ってるのが【フィグのもの】だ」
「何それ~!ずりー!!めちゃくちゃ可愛いじゃん」
「場所はフィグが絶対ここが良いって」
「俺の首にはやまとがいつでも見れるようにした。やまとの方は後ろからでも俺のだとかわかるようにだ」
「身長の低い俺でもよくわかる!」
違うな河口君、そうじゃない。
何故、お揃いといいつつ同じ場所じゃないんだと思った。あのフィグさんの事だからお揃いにするはずなんだが敢えて少し別の場所にしてるのは…
正常位でした時に河口君の視界に入るようにしたかったからと、うなじはバックでした時にフィグさんが見たかったからだ!そうに違いない!!
そう思った瞬間、フィグが頷いた。
やっぱり!!
「より、やまとが良くなった」
「いいな~」
そんな松の言葉にソルトが反応した。
「とら様が飾り文字を入れるならどこですか?」
「俺か~社会人だからな。目立つ所は絶対だめだし、無難に足首とかかな」
「ソルトは?」
「ここに、とら様一生好きと入れます」
「「「……。」」」
嬉しいそうに指を指したその部分は紛れもなくアソコだった。松は聞くんじゃなかったと酷く後悔をした。
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