社会人が異世界人を拾いました

かぷか

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いつも一緒に

8 立ち上がる

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 久しぶりのネオン街は明るく眩しかった。はぐれないよう手を引っ張り空いている場所を探す。

空 新 満

空 空 満 
 
 平日の夜ならば空きはあると思い何ヵ所か見て最新リニューアルと書いてある場所に入った。部屋に入るとかチャリと鍵の閉まる音がした。


「ここに泊まります」

「わかった」


 ホテルの一室。

ベッドもそこそこでかい。

照明はいい感じにほんのり暗い。

 久しぶりのテレビをつければ致している映像のオンパレード。すぐに消す。

「あの…お風呂を沸かしてきます」

「わかった」

フィグ……大丈夫かな…

 戻ると、愛の手助けガチャガチャの前にフィグが立っていた。

「ここにも愛の手助けがある」

「はい、あります」


だってここラブホだもーん!!

 
 昨日、大暴れしたフィグさんは怒りが鎮まらず逃げきったフィグ父の変わりに気絶しているお付きの人を無理やり起こし指名手配をかけると言った。部屋に帰ってもいろいろな指示を出していたフィグは結局その日は疲れて寝たんだっけか…。

 次の日の朝、もぞもぞ動き出して俺を探り寄せぎゅっとしたフィグさん。

「おはよ、フィグ。部屋に運んでくれたんだね。ありがとー」 

「やまと…二人だけになりたい」

「フィグ?」

「……。」

フィグさんが珍しく思い詰めている。


 おかしい。


 起きた後もずっとしゃべらずに俺を抱っこして離さない。いや、いつもだけどいつもとちょっと違う。何て言うか、元気がないというか。

 いつもは部屋で別行動しても全然普通なのに今日はずっと離れない。

 どうみてもおかしい!

 やっぱりフィグ父が原因だろうか……

 うーん、どうしたもんか。

 婚儀ではフィグが一番がんばったし、それまでも大変だったから休みもとれるといいんだけど。
ご褒美的な何かがあげれないかな。
用意してなかったな~フィグは何が好きなんだ?

コンコンコン

「はい~」

「でなくていい」

フィグさんは俺を抱っこしたまま動かない。
凄い嫌そう。

「お、お、王。お食事をお持ち致しました」

返事もしない!

「あ、ありがとう。ございます!取りに行きます」

「行かなくていい」

えー!

「そこに置いといてください!すみません!」

これはまずい。

 俺はフィグを観察したが、城の人が食事を持って来ただけで眉間に皺を寄せている。護衛さんの交代の音すら反応している。とにかく敏感になってる!

これは…前に見たことがある。

 会社にいた頃、仕事が凄くでき完璧主義者の先輩がいた。しかし、ある日から笑顔が消え上司が来ると逃げるようにしていた。その上司が来ると反射的に眉間に皺を寄せていた。

 松君にそれを話したら最近部署の上司が変わってストレスを感じているみたいだと聞いた。

解決策は休職となったがそのまま会社を辞めてしまった。

もしやフィグが物凄くストレスを感じているのでは!?

ストレス社会がナグマ国にも蔓延るとは!

これはまずい!!
 
 まず、フィグのストレスが限界に近いと思いナグマ国を一時離れた方がいいと考えた。俺の出来る事は遊びに行かないかと誘うぐらいしかできないけど言ったらフィグは即答で快諾した。

 そこからすぐ準備を始めた。

「すみません、これを急ぎでクラムさんに渡して下さい!お願いします!」

「やまと、行くぞ」

護衛さんに話して紙を渡してもらう。

そして俺はフィグを救うべく立ち上った!


で、今にいたるんだけど。

 急に決めたし行き当たりばったりだから、とりあえず泊まる所を探す。
流石にこんな時間だしフィグもいるから松君にお世話になれない。

てことで予約もいらないラブホに行った。

久しぶりに入るが最新のラブホは凄いな~

「ねね、フィグ。これつけてみてよ!実際には居ないんだけどさ、居るみたいに見えるんだよ!」

「どういう意味だ」

「今、俺とフィグしか部屋にいないでしょ?」

「ああ」

「これつけると、虚偽映像?が見えるみたいな。景色とか変わって見えるんだよ。だから、掴んだりはできないけど目で見えるみたいな」

「……そうか」

「ちょと見てみて」

 フィグに装置を付けるとフィグはビクッとなった。

 やっぱり驚くよね!
 ただ、意外と感動してない?

「凄くない?」

「凄いが…」

「海とか見えない?」

「見えない」

「何が見える?」

「行為」

「は?」

「目の前でしている…」

「は!?」

 俺はフィグから装置を借りるとそこにはガッツリVRAVだった。

 前のカップルが見たのか初めからそれなのかわからないがリアルタイムでやってるかの映像が目の前に広がる。

…凄い

思わず手を出して触る仕草をした。

「やまと、そこには何もない」

「うっ…」

…ちょ、ちょと触りたくなるじゃん!

「フィグ…違うんだ。本当は素晴らしい海を見せたかった」

「わかっている」

 またもやこの国が快楽の根元だと位置付けてしまった。

フィグはおもむろに近づき俺の盛り上がる部分を撫でた。

「やまと、反応している」

 映像がリアル過ぎて目の前で覗いてるみたいでついつい反応して半勃ちになってしまった。

「今のちょと刺激的すぎたかな~みたいな」

「やまとは他の奴で反応するのか?」

「そりゃ、するでしょ。自然現象だから」

 当然のように言われたフィグはムッとしてやまとを抱えてベッドに押し倒した。

「ちょ、フィグ」

「俺は全くしない」

いや、そんな事を言われましても。
そっちのが珍しくないか?

「いや、フィグは忍耐力が有りすぎなんだよ。普通反応するから!」

「しない。忍耐力は鍛えられる」

「そうなの?」

そう言ってフィグは鞄から何か取り出した。
わざわざナグマから持ってくるような物あったかな?

「ちょと、何持ってきてんの!」

「泊まりなら持ち運ぶ」

「ちょと、マイ箸とかならわかるけどマイ玩具持って来ないで!!」

フィグは玩具を何個か持ってきていた。

「やまとが他の奴に気を取られないようにする」

「し、してないし!てか、映像じゃん、これは仕方ないからね!」

「言い訳だ」

「うぅ…あの、フィグさん…無理です」

「やまと、俺以外で勃たせるな」

「生理現象でそうなっちゃうから!!」 

 フィグは嫉妬しないと思ってたけどまさかフィグ以外に勃たせちゃダメなんて。

俺は一生AV見れないのが確定した。
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