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「帰らなくていいの?」
「まだいい」
まるで不倫相手に言うようなセリフ。
国を守るって言ってたけど留守にして大丈夫なのかな?そしてクラムさんも大丈夫かな~といっても週末まで俺は仕事だし待ってもらうか一人で帰ってもらうしかないけど。
大人になってから拗ねると大変だな。
「ねぇ、フィグの国は好きとか嫌いとかある?」
「ある」
「じゃあ好きの上は?」
「好きしかない」
「それは、人や物?」
「そうだ」
「こちらでは、好きの上は大好きなんだ」
「そうか」
「大好きの上が愛かもしれない」
「…。」
「俺もよくわからないけど全部受け入れるみたいな。好きも嫌いも。元々皆、愛は持っててそれを誰かに与えるみたいな。だから、愛があれば大丈夫じゃないかな」
「…。」
上手く、てか全然説明できてないけどこれでわかってくれたかな?妃迎えるのにこんな所に居ちゃダメだよな。早く帰ってもらわないと。
「…愛がなかったら?」
王妃に愛がないって事?
「んー好きになる努力したらその内好きになって、大好きになって愛してもらえるかもよ。1.2回のキスがダメな位で諦めるなよ。上手くなればいいだけじゃん。相手もわかってくれるよ」
「やまとは愛を持ってるのか?」
「あると思う」
「俺は…」
「ん?」
「いや、いい…」
これでいい。こっちの世界に来ても生活できないしさ、フィグだって向こうの世界があるし。ましてや王がこっちに来るなんて…絶対だめなはず。
「俺、今週末から夏休みなんだ。1週間ぐらいあるからフィグと一緒に出掛けたかったけど早く帰らないとね」
「…。」
この沈黙はなんだ?
「フィグ、皆心配するからちゃんと帰らなきゃ」
「…わかった」
だといいけど。よし、フィグが帰りやすくするためにお土産でも買って渡してあげればいいよな!異世界人からしたらこっちが異世界になるわけだし。多分、向こうに無いものいっぱいあるはず!
てことで金曜日の夜、量販店に買い物にきた。欲しい物が一択しかないフィグ。まぁそれは買うから後は何がいいかな?
「フィグ欲しいもの他にない?」
「ん…愛は売ってないんだよな?」
「無い!…けど愛を手助けするものはあるかも」
「それが欲しい」
所定の場所に案内をする。
「…やまと」
そうです。18禁コーナーです。マンネリの方や性癖を確かめる場所です。
「妃も何か性癖があるやもしれない。適当に買ってがんばれ!ちなみに、映像は見れなさそうなので道具を買うといいよ!」
額に手をやるフィグを宥めつつポイポイ適当にかごに入れ明日の準備のため帰宅した。
お土産も買ったし、きっとフィグなら大丈夫だよ。さて寝るか。
…ベッドがさっきからごそごそ動く。
「フィグ?」
「悪い…起こしたか?」
「ううん」
全然大丈夫なんだけど。珍しいな、いつもならすぐ寝るのに。まぁ、そんな時もあるよな。
俺は起き上がり水をフィグに渡しベッドに腰掛け寝れるまで話をした。
「キスするの自信ない?」
「無い!」
「妃なら優しい人でしょ?」
「知らん、初めて会ったから」
そうか、自分で選べれない政略結婚的な感じなら安易な事は言えないか。そんなに傷心で妃迎えるのちょっと可哀想だな。せめてキスのアドバイスとか上手くなる方法が言えたらいいけど…携帯で検索してみるか。何かに見立てて練習か…
「指使えば?指を唇に見立ててキスの練習したら?」
「え?」
自分の指でしたらただの痛々しい男でしかないよなこれ。仕方ない、後で洗えばいいし指を貸すか!こういう時胸を貸すんだっけか?肩だっけか?綺麗に手を洗いフィグの前に指を向けた。
「ほい、いいよ。俺の指で練習してみて」
「な!?」
「ほら、早く。電気消えてるからそんなわかんないよ」
「いや…やまと…それはちょっと」
うーん、恥ずかしいか。二人しかいないからいい気がするんだけどな。仕方ない。
俺はどぎまぎしているフィグの手を取り二本だけ指を掴んで唇に見立てチュチュとした。
「こんな感じ」
「!?」
あれ?小鳥キス(やまと流のフレンチキスの言い方)じゃダメか。そらそうか、キス上手くないと無理って言われたんだよな。ガッツリだよな。フィグすまん、手は後で洗ってくれ!ペロペロ。はむはむ。
「な!っやま、やまと!」
意外と難しいな、指がゴツいし固いし。んぐぅ、俺も人と比べた事そんな無いから上手いか知らないけど。フィグ見てくれてるかな?
指を咥えたままフィグの顔を見た。暗くてあんまりよくわからないけど、もう片方の手で顔を抑え見ないようにしてたが指の隙間から俺の顔を覗き見ていた。フィグ、ムッツリか…。
「まだいい」
まるで不倫相手に言うようなセリフ。
国を守るって言ってたけど留守にして大丈夫なのかな?そしてクラムさんも大丈夫かな~といっても週末まで俺は仕事だし待ってもらうか一人で帰ってもらうしかないけど。
大人になってから拗ねると大変だな。
「ねぇ、フィグの国は好きとか嫌いとかある?」
「ある」
「じゃあ好きの上は?」
「好きしかない」
「それは、人や物?」
「そうだ」
「こちらでは、好きの上は大好きなんだ」
「そうか」
「大好きの上が愛かもしれない」
「…。」
「俺もよくわからないけど全部受け入れるみたいな。好きも嫌いも。元々皆、愛は持っててそれを誰かに与えるみたいな。だから、愛があれば大丈夫じゃないかな」
「…。」
上手く、てか全然説明できてないけどこれでわかってくれたかな?妃迎えるのにこんな所に居ちゃダメだよな。早く帰ってもらわないと。
「…愛がなかったら?」
王妃に愛がないって事?
「んー好きになる努力したらその内好きになって、大好きになって愛してもらえるかもよ。1.2回のキスがダメな位で諦めるなよ。上手くなればいいだけじゃん。相手もわかってくれるよ」
「やまとは愛を持ってるのか?」
「あると思う」
「俺は…」
「ん?」
「いや、いい…」
これでいい。こっちの世界に来ても生活できないしさ、フィグだって向こうの世界があるし。ましてや王がこっちに来るなんて…絶対だめなはず。
「俺、今週末から夏休みなんだ。1週間ぐらいあるからフィグと一緒に出掛けたかったけど早く帰らないとね」
「…。」
この沈黙はなんだ?
「フィグ、皆心配するからちゃんと帰らなきゃ」
「…わかった」
だといいけど。よし、フィグが帰りやすくするためにお土産でも買って渡してあげればいいよな!異世界人からしたらこっちが異世界になるわけだし。多分、向こうに無いものいっぱいあるはず!
てことで金曜日の夜、量販店に買い物にきた。欲しい物が一択しかないフィグ。まぁそれは買うから後は何がいいかな?
「フィグ欲しいもの他にない?」
「ん…愛は売ってないんだよな?」
「無い!…けど愛を手助けするものはあるかも」
「それが欲しい」
所定の場所に案内をする。
「…やまと」
そうです。18禁コーナーです。マンネリの方や性癖を確かめる場所です。
「妃も何か性癖があるやもしれない。適当に買ってがんばれ!ちなみに、映像は見れなさそうなので道具を買うといいよ!」
額に手をやるフィグを宥めつつポイポイ適当にかごに入れ明日の準備のため帰宅した。
お土産も買ったし、きっとフィグなら大丈夫だよ。さて寝るか。
…ベッドがさっきからごそごそ動く。
「フィグ?」
「悪い…起こしたか?」
「ううん」
全然大丈夫なんだけど。珍しいな、いつもならすぐ寝るのに。まぁ、そんな時もあるよな。
俺は起き上がり水をフィグに渡しベッドに腰掛け寝れるまで話をした。
「キスするの自信ない?」
「無い!」
「妃なら優しい人でしょ?」
「知らん、初めて会ったから」
そうか、自分で選べれない政略結婚的な感じなら安易な事は言えないか。そんなに傷心で妃迎えるのちょっと可哀想だな。せめてキスのアドバイスとか上手くなる方法が言えたらいいけど…携帯で検索してみるか。何かに見立てて練習か…
「指使えば?指を唇に見立ててキスの練習したら?」
「え?」
自分の指でしたらただの痛々しい男でしかないよなこれ。仕方ない、後で洗えばいいし指を貸すか!こういう時胸を貸すんだっけか?肩だっけか?綺麗に手を洗いフィグの前に指を向けた。
「ほい、いいよ。俺の指で練習してみて」
「な!?」
「ほら、早く。電気消えてるからそんなわかんないよ」
「いや…やまと…それはちょっと」
うーん、恥ずかしいか。二人しかいないからいい気がするんだけどな。仕方ない。
俺はどぎまぎしているフィグの手を取り二本だけ指を掴んで唇に見立てチュチュとした。
「こんな感じ」
「!?」
あれ?小鳥キス(やまと流のフレンチキスの言い方)じゃダメか。そらそうか、キス上手くないと無理って言われたんだよな。ガッツリだよな。フィグすまん、手は後で洗ってくれ!ペロペロ。はむはむ。
「な!っやま、やまと!」
意外と難しいな、指がゴツいし固いし。んぐぅ、俺も人と比べた事そんな無いから上手いか知らないけど。フィグ見てくれてるかな?
指を咥えたままフィグの顔を見た。暗くてあんまりよくわからないけど、もう片方の手で顔を抑え見ないようにしてたが指の隙間から俺の顔を覗き見ていた。フィグ、ムッツリか…。
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