女神の箱庭は私が救う【改編版】

いろは

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81.スカーフ祭

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「多恵さん。今日はスカーフ祭りの日です。そろそろご起床を!」
「はーい!」

午前中はダンスレッスンがあり4刻半にトーイ殿下がお迎えに来てくれます。殿下からは祭りで屋台を回るので昼食は軽めにと指示があって、スープとサラダしか食べていません。早く祭りの屋台で色々食べたい!
トーイ殿下は時間通りにお迎えに来てくれました。殿下は淡い黄色のシャツにに濃いグレーのスラックで平民の装い。溢れ出る高貴なオーラが隠せていません。殿下は水色に花柄のスカーフを頭に巻いてくれました。

「可愛い町娘の完成ですね」

トーイ殿下が嬉しそうに笑ってくれる。準備もできてトーイ殿下の愛馬に乗って城下に向かいます。
護衛騎士は第3騎士団から3名ついてくれた。伴侶候補のケニー様は最後まで行くとごてたようだが、トーイ殿下が許さなかったようです。
勿論騎士の皆さんも平服ですが美丈夫ぶりが目立つ。トーイ殿下の馬に乗せてもらい城下のはずれの宿へ。ここはトーイ殿下がお忍びでよく使うらしく、ここに馬を預けて歩いて祭りに参加します。
街中ではエスコートは目立つので殿下が手をつないてくれます。私的にはこっちの方が気楽でいい。
城下の中心部の広場はお祭りムード一色。屋台で買い物する人に音楽に合わせて踊る人々…楽しそう!

殿下と色々屋台を見てまわりカップケーキを買ってもらい歩きながら食べます。祭りの醍醐味買い食いです。次はあの山盛イチゴのカップフルーツを狙っています。食べてトーイ殿下と踊って楽しい!もう帰りたくない!
騎士の皆さんとも踊ると騎士さんは「留守番の団の奴らに自慢します」っとなぜか感謝されてしまった。

休憩するのに広場から離れたところで、果実水を飲んでいたら、広場から黄色い声が聞こえ広場が騒然としだす。
騎士さんたちは途端に殺気立ち警戒を始めて殿下は私の手を握りしめた。騎士さん一人が広場に確認に行き少しすると戻って来て、騎士さんは気まずそうに…

「実は警邏にアーサー殿下がいらっしゃったようで、令嬢達が群がり大変な事になっています」

広場へ視線を向けると騎乗したアーサー殿下が見えました。

「へ?」

一瞬目が合ったような気がした? 呆然と見ていたら、黄色い声の塊がこっちに向かってくる。それに合わせて人の波も近づいてきた。あっという間に人波に飲み込まれてもみくちゃに! 転びそうになった子供に手を差し伸べたトーイ殿下。すると繋いだ手が離れあっという間にトーイ殿下とはぐれてしまいました。
遠くにアーサー殿下とデュークさんが見えます。取りあえず知っている人の所に行こうと、人をかき分け移動するけど行きたいところに行けない!
呆然としていたら

「ルカ!約束の場所にちゃんと居ろ。早く帰らないと日没までに森を抜けれないだろう!」

男の人が誰かを怒っているようだ。次の瞬間…
手を引っ張られた。びっくりして抵抗したら担がれ広場から離れて行く。

『また誘拐なの?』

逃げようと暴れてみるが男は大柄でゴリマッチョ!ビクともしない。

「暴れるな!」っとお尻を叩かれた。
『痛い・・・』

あっと言う間に城下の端に出て幌馬車の荷台にほり込まれ、起き上がる前に走り出した。

「ルカ!急ぐからしゃべるなよ舌を噛むぞ!」

男が言った通り揺れがひどく荷台で転がり、大きな樽にぶつかり止まった。何処かに掴まらないとまた転がる!必死に樽にしがみついてしのぐことにした。どのくらい走っただろう。酔った…気持ち悪い! 幌の隙間から外を見るともうすぐ日が沈む。

『てん君、また誘拐みたい。フィラか妖精さん呼べる?』
『たえ…ここ きらい ぬの よべない』
『鉄の布なの?』

どうやらこの馬車の幌は鉄の布で出来ているらしい。残念!てん君無力…
とりあえず馬車が止まらないとどうしょうもない。
酔いを我慢しながら早く着く事を祈る。

どの位経っただろう。やっと馬車が止まった。気持ち悪くて動けない。
外では私を拐った男と女性が言い争っている。
どうでもいいからここから出して!

言い争いは中々終わらす、座ってるのも辛くて寝転がる。ケイトさんワンピース汚してごめんなさい…

遠くから沢山の馬の蹄の音がする。誰か来たの仲間? 何処かに移動するのだろうか…
馬は嘶きすぐ近くで止まった。男と女性の会話に男性が加わった様だ。来た男は品を感じる声をしている。貴族かなぁ?

話し声が近付いてくる誘拐犯とご対面だ。私はこれからどうなるんだろう…
そして勢いよく馬車の入口が空いた。

「…たっ多恵さま?」

名前を呼ばれて顔を上げた。

「やはり多恵様ではありませんか!」

沈みかけの夕日を背に男の人が私の名を呼ぶ。
逆光で顔がわからない。もしかして知り合い?

私の名を呼んだ男の人は荷台に上がり、私を抱き抱え馬車から降りた。やっと男の人の顔が見えた。

「グリード殿下?!」

見上げた先に美しいグリード殿下の顔があった。

『もぉ!意味不明』
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