31 / 114
二章◆お姫様みたい◆
31
しおりを挟む
「ねえ、琴葉の話も聞かせて。パン屋、一人で経営してるんだよね?」
「はい、一人です。」
「すごいな、大変だろう?」
「大変ですけど、楽しいですよ。」
琴葉は一人で【小さなパン屋minami】を経営している。
小さなお店で朝から晩まで一人きりなので、会社という組織に入っている雄大とはまるで違う働き方だ。
「ありがたいことに気に入ってくださる方がいて、それこそ常連さんですよね。近所のおばあちゃんとかお散歩がてらに寄ってくださったり。お子さんがminamiのパンが好きだからって、お母様が買いに来てくださったり。」
それに、と琴葉は付け足して雄大を見ると、うっすら頬を染めながらとびきりの笑顔を見せた。
「早瀬さんも来てくださいますし、毎日楽しいです。」
「俺も常連さん?」
「もちろんです!いつもありがとうございます。」
「琴葉の焼くパンは美味しいだけじゃなくて何だかあったかい気持ちになる。繊細なのに優しい。食べる人のことを考えて作られているんだなと感じるよ。」
雄大の言葉に、琴葉の瞳は揺れた。
自分が焼いているパンをそんな風に評価してもらったのは初めてで、これからもパンを焼き続けてもいいのだと認めてもらえた気がした。
「はい、一人です。」
「すごいな、大変だろう?」
「大変ですけど、楽しいですよ。」
琴葉は一人で【小さなパン屋minami】を経営している。
小さなお店で朝から晩まで一人きりなので、会社という組織に入っている雄大とはまるで違う働き方だ。
「ありがたいことに気に入ってくださる方がいて、それこそ常連さんですよね。近所のおばあちゃんとかお散歩がてらに寄ってくださったり。お子さんがminamiのパンが好きだからって、お母様が買いに来てくださったり。」
それに、と琴葉は付け足して雄大を見ると、うっすら頬を染めながらとびきりの笑顔を見せた。
「早瀬さんも来てくださいますし、毎日楽しいです。」
「俺も常連さん?」
「もちろんです!いつもありがとうございます。」
「琴葉の焼くパンは美味しいだけじゃなくて何だかあったかい気持ちになる。繊細なのに優しい。食べる人のことを考えて作られているんだなと感じるよ。」
雄大の言葉に、琴葉の瞳は揺れた。
自分が焼いているパンをそんな風に評価してもらったのは初めてで、これからもパンを焼き続けてもいいのだと認めてもらえた気がした。
40
あなたにおすすめの小説
想い出は珈琲の薫りとともに
玻璃美月
ライト文芸
――珈琲が織りなす、家族の物語
バリスタとして働く桝田亜夜[ますだあや・25歳]は、短期留学していたローマのバルで、途方に暮れている二人の日本人男性に出会った。
ほんの少し手助けするつもりが、彼らから思いがけない頼み事をされる。それは、上司の婚約者になること。
亜夜は断りきれず、その上司だという穂積薫[ほづみかおる・33歳]に引き合わされると、数日間だけ薫の婚約者のふりをすることになった。それが終わりを迎えたとき、二人の間には情熱の火が灯っていた。
旅先の思い出として終わるはずだった関係は、二人を思いも寄らぬ運命の渦に巻き込んでいた。
神様がくれた時間―余命半年のボクと記憶喪失のキミの話―
コハラ
ライト文芸
余命半年の夫と記憶喪失の妻のラブストーリー!
愛妻の推しと同じ病にかかった夫は余命半年を告げられる。妻を悲しませたくなく病気を打ち明けられなかったが、病気のことが妻にバレ、妻は家を飛び出す。そして妻は駅の階段から転落し、病院で目覚めると、夫のことを全て忘れていた。妻に悲しい思いをさせたくない夫は妻との離婚を決意し、妻が入院している間に、自分の痕跡を消し出て行くのだった。一ヶ月後、千葉県の海辺の町で生活を始めた夫は妻と遭遇する。なぜか妻はカフェ店員になっていた。はたして二人の運命は?
――――――――
※第8回ほっこりじんわり大賞奨励賞ありがとうございました!
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる