婚活男の理想の結婚

丸井まー(旧:まー)

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29:若干気まずい

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早朝。
セガールは起きてパジャマから私服に着替え、洗面台がある脱衣場へ向かった。
伸ばして整えている口髭以外の髭を剃り、鏡を見ながら、櫛と鋏で口髭を整える。何気なく鏡で自分の頭を見れば、若干白髪が増えているような気がした。まだ40を過ぎたばかりなのに、セガールは白髪が多い方である。セガールの父親も40代半ば頃には、白髪混じりの灰色のような頭をしていたので、若白髪の家系なのだろう。実年齢よりも老けて見えるので、正直複雑である。

顔を洗って寝癖も直したタイミングで、パジャマ姿のカールがやって来た。
何故か、カールの目がどんよりと死んだ魚のように濁っている。
セガールは驚いて、カールに声をかけた。


「おはよう。どうした」

「……おはようございます……あのですね……」

「あぁ」

「……この歳で夢精しました……」

「おぉう……」

「……いっそ誰か俺を殺せ……」

「落ち着け。溜まってるんだから仕方がない。単なる生理現象だろ」

「ふぐぅ……俺シコる時は右手じゃないと上手くイケないんですよっ……だからって夢精って……10代のガキじゃあるまいしっ」

「あーー」


カールが恥ずかしそうに顔を歪めた。セガールはなんと声をかけたらいいか分からず、とりあえず落ち込んでいる様子のカールの髪が短くなった頭をわしゃわしゃと撫で回した。


「とりあえず髭を剃るぞ。パンツは俺が洗っておくから」

「夢精したパンツを上官に洗ってもらうなんて無理です!!」

「元上官な。今は同居人だ。気にするな。単なる介護の一環だ」

「うぅ……俺の羞恥心が木っ端微塵ですよ……もう駄目だ……」

「落ち着け。とりあえず落ち着け」


セガールは今にも泣きそうなカールの頭を両手でわしゃわしゃと撫で回した。
カールはまだ20代だし、航海中は中々オナニーもできないので、かなり溜まっていたのだろう。右手じゃないと上手くイケないのなら、仕方がないことだ。
セガールはカールを慰める為にわしゃわしゃと頭を撫で回しまくって、とりあえずカールの髭を剃ることにした。

石鹸をしっかり泡立て、顔の傷に触れないようにカールの顎周りに石鹸の泡をつける。左手でカールの顎を掴んで固定し、剃刀を持って、慎重にカールの髭を剃り始めた。他人の髭を剃るのは初めてだから、正直緊張するが、髭がもさもさになるのも気の毒なので、頑張ってカールの肌を傷つけないように、剃刀を肌に滑らせていく。
セガールはなんとかカールの傷を増やさずに髭を剃ることができた。濡らしたタオルで石鹸がついた顎周りを先に拭いてやり、タオルを洗ってから、傷があるところ以外の顔全体を拭いてやる。乾いたタオルで濡れた顔を拭いてやったらお終いである。
なんとか流血沙汰にならなくて、心底ほっとした。
鏡を見たカールが、自分の顎を触って、感心したような声を上げた。


「すげー。床屋で剃ってもらったみたいです。前々から思ってましたけど、セガールさん、めちゃくちゃ器用ですね」

「そうか?朝から流血沙汰にならなくてよかったな」

「はい。ありがとうございます。サッパリしました」

「よし。カール」

「はい」

「……パンツを脱がすぞ」

「……うぅ……さようなら俺の羞恥心……お願いします……」


セガールは、日焼けした顔を真っ赤に染めて、泣きそうな顔をしているカールのパジャマのズボンとパンツを一気にずり下ろして脱がせた。
チラッとパンツの中を見れば、白い精液がべったりついている。ついでにカールのペニスも見れば、ペニスにも精液がついていた。これは拭いてやらねばなるまい。
セガールは無言で先にカールのペニスを濡らしたタオルで拭いてやり、その後で乾いたタオルでカールのペニスを拭いてやった。カールが持参してきていたパンツを穿かせてやり、ついでにズボンも穿かせてやる。

とりあえず精液まみれのパンツを洗面台の上に置き、パジャマの上も脱がせて、私服のシャツも着せてやる。
セガールは、今にも死にたい……みたいな顔をしているカールに見られながら、無言で手早くカールの精液つきのパンツを洗面台で洗った。

パジャマも一緒に、洗って絞ったカールのパンツを魔導洗濯機に入れ、他の洗濯物も魔導洗濯機に突っ込み、洗剤を気持ち多めに入れて、蓋をしてスイッチを押した。ごぅんごぅんと魔導洗濯機が動き出すと、セガールは軽く手を洗った。
流石に他人の精液つきパンツを洗うのは初めてである。仕方がないことなのだが、セガールも若干気まずい。

とはいえ、カールがあまりにもしょんぼり落ち込んでいるので、セガールは手を拭いてから、またカールの頭をわしゃわしゃと撫で回した。


「そう凹むな。男の生理現象だろ」

「落ち込みますよー。俺の羞恥心が死にました」

「あまり気にするな」

「折れたのが左腕ならよかったのにっ……」


カールが、くぅっと悔しそうに顔を歪めた。カールの日焼けした顔は、真っ赤に染まったままだ。
セガールはカールの頭をわしゃわしゃと撫で回しながら、ふと思いついた。


「いっそ俺が抜くか?」

「……は?」

「介護の一環で」

「い、いやいやいやいやいや。無理です。本当に無理です。俺の羞恥心が死ぬどころじゃないです」

「ガキの頃に友達と抜きっことかしなかったか?」

「……一応したことありますけど……」

「それと同じようなものだ。俺からしたら、単なる介護の一環だし」

「……うぅーーっ……恥ずかしくて死にそうですけど、夢精する方が死にたくなるので、お願いします……」

「まぁ、そう大袈裟に考えるな。単なる介護だ。俺なんか糞の世話まで他人にされたぞ」

「どっちもシモの世話ですけど、どっちが羞恥心的にやべぇですかね」

「似たようなもんじゃないか?」

「うーーーーっ。……週一くらいでお願いしていいですか?」

「あぁ。お前だけやるのが恥ずかしくて死にそうなら、俺も一緒にやるか?ガキの抜きっこのノリで」

「それはそれで気まずいものがありますが、1人で羞恥プレイされるよりマシな気がします」

「俺もぶっちゃけ気まずいが、溜まるもんは溜まるから仕方がない。諦めろ」

「うぅ……了解であります……」

「ほら。そろそろシェリーが起きてくるぞ。その死にそうな顔をなんとかしろ」

「ふぁい……」


カールが自分の赤くなった右頬をゴシゴシと左手で擦った。
2人で脱衣場を出たタイミングで、パジャマ姿のシェリーがやって来た。髪は寝癖でボサボサで、眠そうに大きな欠伸を連発している。


「おはよ」

「おはよう。シェリー」

「おはよー。シェリー。寝癖すごいな」

「んー。なんか絡まってるから、シャワー浴びるわ」

「先に朝飯の仕込みをしておくな。シャワーから出たら、一緒に走りに行こう」

「うん」


セガールはカールと一緒に入れ替わるように脱衣場に入ったシェリーを見送り、台所へと向かった。
エプロンを着けて、朝食用の野菜やベーコンを刻んでいると、一緒にくっついてきたカールが話しかけてきた。


「セガールさんって、ガキの頃、よく抜きっことかしてたんですか?」

「割と?家の近所にヤリまんで有名な人妻がいて、友達と一緒にたまにヤってるところを覗きに行ったりしてたな。いつもカーテン全開でヤってたから、普通に見えてた」

「わぉ。やべぇっすね」

「そういう趣味だったんだろ。ついでに、自分でシコるより気持ちいいから、シコりあいっこしてたな。そいつは今じゃ5人のパパだ」

「へぇー。今も仲いいんですか?」

「まぁ。年に1回くらい、一緒に酒を飲みに行くな。幼馴染ってやつだ」

「いいですねー。仲がいい幼馴染。俺も幼馴染いますけど、そんなに仲よくもなかったんで、今は完全に疎遠になってますね」

「まぁ、人の縁は色々あるからな。とりあえず、今夜1発抜いとくか?まだ溜まってるだろ」

「おぉう……こ、心の準備をしておきます……がんばれ俺の羞恥心」

「まぁ、がんばれ」


こうして、セガールはカールと抜きっこをすることになった。

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