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第302話 そして誰もいなくなった
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猫のタマが姿を消した。
初めは家出だろうと軽く考えていたけど、一週間たってももどってこない。
そのうち、娘のミカもいなくなった。
ミカは小学1年生だ。
誘拐だろうか。
翌日、警察に失踪届を出したが、一週間たっても、手がかりはなかった。
すると、長男で中学2年生の和夫が消えた。
蒼ざめる私に、反抗期だから家出かもしれない、と夫は言った。
とりあえず、今度も警察に失踪届を出した。
それからまた一週間がたつと、ついにその夫が姿をくらませた。
わけがわからなかった。
警察は、夫が子供たちを殺して失踪したのかもしれないと言う。
あり得ない、と思った。
あんな、子煩悩の、優しい人が、そんな恐ろしいこと、するはずがない。
そんなある日。
何もする気が起こらず、居間でふさぎこんでいた私は、ふと異様な気配を感じて顔を上げた。
部屋の隅に観葉植物の鉢が置いてある。
そこから身を乗り出すようにして、黒い大きな影が、こちらに”葉”を向けている。
こんなに大きかったけ?
私は近づいてくる”口”状の葉を見て、首をかしげた。
鉢から身を乗り出しているのは、天井に届かんばかりにまで成長した、巨大なハエトリソウだった。
初めは家出だろうと軽く考えていたけど、一週間たってももどってこない。
そのうち、娘のミカもいなくなった。
ミカは小学1年生だ。
誘拐だろうか。
翌日、警察に失踪届を出したが、一週間たっても、手がかりはなかった。
すると、長男で中学2年生の和夫が消えた。
蒼ざめる私に、反抗期だから家出かもしれない、と夫は言った。
とりあえず、今度も警察に失踪届を出した。
それからまた一週間がたつと、ついにその夫が姿をくらませた。
わけがわからなかった。
警察は、夫が子供たちを殺して失踪したのかもしれないと言う。
あり得ない、と思った。
あんな、子煩悩の、優しい人が、そんな恐ろしいこと、するはずがない。
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何もする気が起こらず、居間でふさぎこんでいた私は、ふと異様な気配を感じて顔を上げた。
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そこから身を乗り出すようにして、黒い大きな影が、こちらに”葉”を向けている。
こんなに大きかったけ?
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