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第183話 離島怪異譚⑧
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顔にあたる朝陽で目が覚めた。
私は掛け布団をはねのけて、汗びっしょりで敷布団の上に横たわっていた。
浴衣の前は全開で、ショーツ一枚の裸体が丸出しになっている。
ゆ、夢?
上半身を起こして、ゆるゆると首を振った。
庭に面した障子戸は開いたままだ。
縁側の向こうの狭い庭は朝日に照らされ、草花たちの緑がまばゆく輝いている。
ゆうべあそこにいた、あの巨大な蛸のような生き物は、何だったのだろう?
本体は見えなかったものの、触手だけでも数メートルの長さがあった。
けれど、むろん今は、そんな化け物、影も形もない。
やっぱり、あれは夢だったのだろうか…?
だとしたら、とんでもなくエロチックな夢を見たものだ。
ショーツのクロッチ部分についた染みを見て、私は思った。
身体の奥に熾火が残ったように、ジンジンするのがわかる。
面積の狭い薄布の中に指を入れてまさぐると、案の定、性器は情交の直後のように愛液で潤んでいた。
あ…。
指先が硬くなったままの肉芽に触れ、思わず、声が漏れてしまう。
背徳的な欲望が不意に湧き出て、無意識のうちに、熱く火照った肉襞の間に指先をうずめていた。
くう…。
脳天に電流が走ったような感触にのけぞり、あられもなく股を開く。
クチュクチュクチュ…。
指先が卑猥な音を立て始め、ショーツの隙間から新たな体液が染み出した。
はあはあはあはあ…。
息が荒くなる。
右手で股間をいじりながら、知らぬ間に左手は剥き出しの左乳房をつかんでいた。
手のひらにすっぽり収まる大きさの肉丘を手のひら全体で握りしめ、人差し指と中指の谷間で乳首を挟む。
いつものオナニーのやり方だ。
ここ1年男がいないせいで、欲求不満が高まっていたのだろうか。
それで、あんな卑猥な夢を見たのかも…。
自分弄りに没頭しながらふとそんなことを思った。
潮が満ちるように快感が高まってくる。
大蛸の触手に四肢をからめとられ、身動きを封じられた上に、乳房と性器を責められて、烈しく悶える私…。
脳裏に再現されたゆうべの夢のシーンがあまりにもリアルで、全身を戦慄とも愉悦とも判別できぬ震えが襲う。
あれではまるで、葛飾北斎の描いた猥褻絵そのものではないか…。
あと一歩で上り詰めるところだった私を現実に引き戻したのは、左手でつかんだ乳房だった。
ん?
なに、これ?
それに気づくなり、私は真っ蒼になった。
快感が潮が引くように身体から抜けていき、恐怖がそれにとって代わるのがわかった。
乳房を囲むように、根元の部分に円形の痣ができている。
SMプレイで緊縛された後みたいな、赤い痣…。
右も左も、そうだった。
更にー。
今まで気づかなかったけど、よく見ると、両手首と両足首にも、うっすらと赤い痕が残っていた。
そ、そんな…。
突然吐き気が込み上げてきて、私は手で口を覆った。
あれは、夢じゃ、なかったのだ…。
私は掛け布団をはねのけて、汗びっしょりで敷布団の上に横たわっていた。
浴衣の前は全開で、ショーツ一枚の裸体が丸出しになっている。
ゆ、夢?
上半身を起こして、ゆるゆると首を振った。
庭に面した障子戸は開いたままだ。
縁側の向こうの狭い庭は朝日に照らされ、草花たちの緑がまばゆく輝いている。
ゆうべあそこにいた、あの巨大な蛸のような生き物は、何だったのだろう?
本体は見えなかったものの、触手だけでも数メートルの長さがあった。
けれど、むろん今は、そんな化け物、影も形もない。
やっぱり、あれは夢だったのだろうか…?
だとしたら、とんでもなくエロチックな夢を見たものだ。
ショーツのクロッチ部分についた染みを見て、私は思った。
身体の奥に熾火が残ったように、ジンジンするのがわかる。
面積の狭い薄布の中に指を入れてまさぐると、案の定、性器は情交の直後のように愛液で潤んでいた。
あ…。
指先が硬くなったままの肉芽に触れ、思わず、声が漏れてしまう。
背徳的な欲望が不意に湧き出て、無意識のうちに、熱く火照った肉襞の間に指先をうずめていた。
くう…。
脳天に電流が走ったような感触にのけぞり、あられもなく股を開く。
クチュクチュクチュ…。
指先が卑猥な音を立て始め、ショーツの隙間から新たな体液が染み出した。
はあはあはあはあ…。
息が荒くなる。
右手で股間をいじりながら、知らぬ間に左手は剥き出しの左乳房をつかんでいた。
手のひらにすっぽり収まる大きさの肉丘を手のひら全体で握りしめ、人差し指と中指の谷間で乳首を挟む。
いつものオナニーのやり方だ。
ここ1年男がいないせいで、欲求不満が高まっていたのだろうか。
それで、あんな卑猥な夢を見たのかも…。
自分弄りに没頭しながらふとそんなことを思った。
潮が満ちるように快感が高まってくる。
大蛸の触手に四肢をからめとられ、身動きを封じられた上に、乳房と性器を責められて、烈しく悶える私…。
脳裏に再現されたゆうべの夢のシーンがあまりにもリアルで、全身を戦慄とも愉悦とも判別できぬ震えが襲う。
あれではまるで、葛飾北斎の描いた猥褻絵そのものではないか…。
あと一歩で上り詰めるところだった私を現実に引き戻したのは、左手でつかんだ乳房だった。
ん?
なに、これ?
それに気づくなり、私は真っ蒼になった。
快感が潮が引くように身体から抜けていき、恐怖がそれにとって代わるのがわかった。
乳房を囲むように、根元の部分に円形の痣ができている。
SMプレイで緊縛された後みたいな、赤い痣…。
右も左も、そうだった。
更にー。
今まで気づかなかったけど、よく見ると、両手首と両足首にも、うっすらと赤い痕が残っていた。
そ、そんな…。
突然吐き気が込み上げてきて、私は手で口を覆った。
あれは、夢じゃ、なかったのだ…。
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