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第42話 すっかり決着した気分でいた!

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 よっし、状況はさっぱりわかんないけど復活ぅ!
 マキナがなんかしてくれたに違いない!
 きっと、たぶん、メイビー!

「タカシーッ!」

 ルナが足元にひしっと抱きついてきた。

「ルナ、無事?」

「あいっ!」

「そっか、よかった! でも……」

 しゃがんでルナと目線を合わせた。

「駄目じゃないか。山小屋で隠れてないと」

「あう。ごめん、なさい……」

「いいよ。俺を心配してきてくれたんだよね。ありがと! 嬉しいよ」

「タカシ、怒る、ない?」

「当たり前だよ! そんなちっちゃな体で、あんなとんでもない奴に立ち向かってくれたんだ。ルナが助けてくれなかったら俺は殺されてたと思う。だから、ルナの勇気に感謝だよ!」

「……あいっ!」

 ルナがすごく嬉しそうな満面の笑みを浮かべた。

 最高に癒される。
 マジこのために生きてるって実感するわ。

「うーん、それにしてもこの赤い炎みたいなのはなんなんだろ?」

 別に熱くはないけど、体からいくらでも力が湧きあがってくるような不思議な感じがする。

「ルナにも見えるかな? この炎が何かわかる?」

「わかんない、です」

「だよねぇ……あ、マキナに聞けばいいんだ。おーい、マキナ。あれ、マキナ?」

「どうした、ます?」

「うーん。マキナの返事がない。今までこんなことなかったんだけどな……」

 今までは呼びかけたらマキナは必ず答えてくれたんだけど。
 赤い炎と何か関係があるのかな?

「はっ、まさか……俺の代わりにマキナが犠牲に?」

『ご安心ください。私は無事です。』

「わ、びっくりした! なんだ、いるんだったら返事ぐらいしてくれてもいいじゃないか」

『申し訳ありません。ですが、今タカシさんに起きている現象について、私は何も話すことができないのです。』

「話すことができない? 知らなかったってこと?」

『知ってはいます。ですが、私に与えられた権限では話すことができないのです。』

「なんだそりゃ。いわゆる世界の知識を知っちゃいけないとか、そんな感じのやつ?」

『そのように解釈していただいて大丈夫です。可能な範囲で説明しておきますと、その力はタカシさんやルナさんを害するものではありません。これといって代償もありませんので安心して使ってください。』

「わ、わかったよ。まあ、ルナを危ない目に遭わせないっていうなら、どんどん使っちゃっていいってことだね」

 ふとルナを見ると、キラキラした目を向けてきてた。
 俺とマキナの会話がどんななのか気になって仕方ないのかな?

『むしろ、ルナさんを守るために積極的に使っていきましょう。さて、既にお気づきかと思いますが、戦いは終わっていません。ザルディス・エレインは戦闘不能にはなっていないです。』

「いや、ぜんぜんお気づきじゃなかったけどね!? まあでも、さすがにパンチ一発では沈まないか」

 あいつがその気なら、すぐ戻ってこられるはず。
 こうして話してられるってことは、あいつもノーダメージじゃないんだろうな。

『気を付けてください。今の状態でも互角か、ザルディス・エレインのほうが上です。しっかり準備しておいてください。』

「わかったよ。じゃあ、ルナ……ちょっと行ってくるね」

 一瞬だけ寂しそうな顔を浮かべてから、ルナが小指を差し出してきた。

「ゆびきり! さっき、しなかった!」

「うん、わかった。約束しよう」

 あの日みたいに小指を結んだ。
 赤い月の下で、約束の歌をふたりで口ずさむ。

 ゆびきりが終わると、ルナがふわっとした笑みを浮かべて言った。

「いって、らっしゃい」

 ……ルナ、初めてちゃんと言えたね。
 そうだよな。
 たくさん練習したもんな。

「いってきます」

 待っててね。
 すぐに帰るから。
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