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27話∶互いの気持ちを感じるために 2 ※R18

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 慎重な手つきでヴィンスの服をベートは脱がす。少し暮れ始めた窓からは、オレンジ色の光が差し、白いヴィンスの肌を染める。そして自分の服を脱いでヴィンスの前に、ベートはまた自らを曝した。傷口の部分を確かめると、血は滲んでいる様子はない。
 ほっと小さく息を吐くと、ゆっくりと自分の身体をヴィンスに覆い被さり、そして心臓の部分にそっと口付けた。
 
「ん――」
 
 白い肌や胸の突起には、点々と赤い華や歯の跡が付いている。自分が来る前にルナールにされた事を思うと、チクチクとベートの胸に針が刺されるような痛みを感じた。
 
「ん――っ、ぁっ」
 
 自分が傷ついた時に、師匠の飼っていた犬がしてくれたよう、歯跡の残った痛々しい胸の突起を慰撫するように、ベートはそっと舌で舐めてみた。ザラザラとした舌が肌を撫でる度に、ヴィンスの喉からは甘い声が漏れ、ヒクヒクと小さく腰が揺れている。
 
「は……ぁ」
 
 ヴィンスの反応を確かめてみると、ニガヨモギ色の瞳を悦に濡らし蕩けた表情を浮べていて、嫌がっている様子はない。安堵の息を吐き、ベートは肌を舌で何度も舐めながら、下腹部へと手を伸ばす。 
 ジンワリと先走りで濡れるヴィンス自身は、半分ほど立ち上がっている。少し粘性のある体液が指を湿らせ、撫でる度に小さく震えて段々と硬くなってくる。
 
「ヴィンス。噛んだり、痛いコトしないから。此処……舐めていい?」  
 
「っ、あ……して、良い」
 
「ありがとう」
 
 胸の中央にキスを落とした後、ベートは口の中にヴィンス自身を含んだ。トロリとした蜜は、想像したとおりに甘い。口を窄めて蜜を吸い飲み込むと、小さくヴィンスの腰が跳ねた。
 
「あ、は……ぁぅっ……!!」 
  
 切なく漏れるヴィンスの声が、ベートの耳を静かに浸す。気持ち良さそうに声を上げるヴィンスが。自分の口の中で、与える刺激に素直に反応するヴィンスの自身が。たまらなく可愛い。
 
「ベー……トっ……」
 
 くしゃり、と白く細い指が自分の髪を強く掴む。頭皮が引っ張られる感触は、小さな頃に犬とタオルを引っ張りあって遊んでいた時を思い出す。
 
「ふふ――」
 
 小さく笑うと、ジュルリと大きく音を立てて引き剥がそうとするヴィンスの 意思に反して、より一層強い力で吸い付いた。
 
「だめ、だ……ベート、も、出る……から、ぁっ……」 
 
 舌を縺れさせ、ヴィンスが必死にベートの口の中で達すまいと抗っている。じわり、じわりと漏れ出す先走りだけでもこんなに美味しいのだ。注がれる精は、きっとどれ程美味しいのだろうか。
 
 胃の底が、飢えでグルグルと大きく鳴る。限界が近いのか、ベートの口の中でヴィンスの雄はビクビクと震えている。口の中で達しまいと髪を引っ張ろうと抗っているが、腰は己の口の中に押し付けようと動いている。
 
「は、ぁ――ヴィン、ス」
 
 一度だけ口を離し、熱の籠った声色でベートは名前を呼んだ。その後根元奥深くまでヴィンス自身を口に含むと、喉の奥を亀頭が押す。咽頭を強く締め、強く吸い付くと粘ついた熱い液体がベートの口の中に吐き出された。
 
「あ、はっ――あぁっ!!」 
 
「ん、む――ふ、ぅっ……」 
 
 声を上げて飲み込み、喉を鳴らして口の中の精を胃の腑に押し流す。絶頂の快感にヴィンスが嬌声を上げると、ベートの髪が数本プチプチと音を立てて引きちぎれる。
 
「はぁ、ぁ……はっ……」
 
 吐き出したものを全て呑み込み舐め終わると、ベートはヴィンスの雄からようやく口を離した。
 
「ヴィンス……大丈夫?」
 
 快楽に翻弄されている間ヴィンスは悶えよがっていたのだろう。白く清潔なシーツの上に、ヴィンスの長い黒髪が蛇のようにのたうち、汗で湿った白い頬にも張り付いている。ベートは慌ててヴィンスの傷口の方を確かめると、幸いな事に包帯はしっかりと巻かれて緩んでいる様子はない。
 
「ヴィンス、痛く無かった?」 
 
「ああ」
 
 安堵してベートがヴィンスの足の付け根の部分を確かめると、その部分がじんわりと蜜で濡れて光っている。秘所へと指を伸ばし縁をベートがなぞると、待ち焦がれるように収縮を繰り返し愛液が溢れ始めた。
 
 一度ベートは、その場所を蹂躙した。だがその時の記憶は朧げで、夢のようにフワフワとしてただ恍惚であった事だけは覚えている。今でさえ、ヴィンスの身体からはクラクラする程の良い匂いが漂っているのだ。本音を言うなら、ヴィンスの中に埋もれたい。彼を感じて、そして自分のことも感じて貰いたい。だが果たして自分は彼を大切に扱いたいという理性を持ったまま、彼を抱くことができるだろうか。
 
 胸の中の問にYESと答えられないのならば、ヴィンスと繋がるべきではないのだろうか。顔を曇らせ迷っているベートの頬に、熱を持ったヴィンスの手が添えられた。
 
「ベート、挿れて、くれ」 
 
「でも、俺……ヴィンスに酷いこと、するかもしれない」
 
「お前なら大丈夫だ」
 
 安心させるように、ヴィンスに何度も何度も頬を撫でられる。優しく宥めるように触れられると、不安は段々と解けてゆく。
 
「ヴィンス」
 
「何だ?」
 
「優しくする、から」
 
 一言告げると、ベートはヴィンスの両足をゆっくりと開かせた。   
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