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19話:彼の元へと 2 ※R-18(お相手:ルナール)
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「くっ……ぅ……!!」
露にされた上半身に、ルナールの視線がじっとりと絡みつく。胸から肋骨、まで指をゆっくりと這わせると、狐色の瞳が陶酔したように潤みだす。
「ああ……触ってるだけで、達しそうだよ、ヴィンス……」
「ルナー……ルッ……!! っ、ぁっ……!!!」
肌を舐め尽くすきつね色の視線が、ルナールのものであるという恐怖に、ヴィンスは声を震わせ、我に還ると強く唇を噛んだ。己を刺激しないよう、ヴィンスは反応を必死で殺している。それに気づいたルナールは、薄桃色の突起に顔を近づけると、歯を立てた。
「いっ……つ……」
「我慢せずに声――出してくれよ、ヴィンス」
痛みを与えたかと思えば、乳輪の周囲をなぞるように舌を這わせる。鋭い痛みの後に来るルナールの愛撫は、一方的で荒々しいが故に、自分の全てを操りたいとでも言うような、ルナールの狂気的なまでの独占欲を強く感じさせた。
本能がこの状況を危機だと判断し、生き延びる為にあらゆる情報を収集するべしとそう命じたのだろうか。ヴィンスの意思とは反対に身体の感度が高まり、刺激を受ける度にひきつった声や跳ねる腰や強張る身体は、まるでルナールの愛撫に応えるような反応を起こしてしまう。
「っ、や、め……あ、うっ……!!」
拒絶の言葉を発しようとする度に、ルナールは肌に歯を立て、吸い、その拒絶を掻き消してゆく。己の身体の感度が上がる程に、放つ香りも強まっているのか。ルナールは自分を押し潰そうとする程に身体を密着させ、捩り逃れようとするヴィンスの身体に、完全に勃起した己自身を擦り付けた。
「ひ、……っ……!!」
「何を怖がってるんだ? ヴィンス。お前が、俺をこうしたのに」
「あ、ぅ……っ!!」
ズボン越しに蜜口を先端で突かれながら囁かれると、喉は否定の言葉の代わりにひきつった声が漏れだしてしまう。自分の意思を伝えるべく、しきりにヴィンスは首を横に振り続けながら目尻に涙を溜めてルナールを見つめるが、その涙は目の前の男を熱を冷ますことなく一層に煽らせ、熱く湿った舌で舐め取られ、愉しみの材料にされるだけだった。
「涙も――こんなに甘い」
陶然とした声を上げ、ルナールがヴィンス自身の反応を確かめようとした時、陶磁器よりも滑らかで美しい。触り心地の良さそうな両腰に、手の形に変色した青黒い痣があるのを見つけた。
己以外の男が、ヴィンスの身体を踏み荒らした。確たる証に気づいたルナールは、ピタリとヴィンスを愛撫する動きを止めた。
「ヴィンス」
密着していた身体を離し、ヴィンスを見下ろしながら狂おしいまでの嫉妬を込めて名前を呼ぶと、表情が凍り付いたように固まり、零れる涙さえ固まった。今までの行為は自分にとって前菜に過ぎない。呼びかける声色でヴィンスもまたそれを悟ったのだろうか。美しい薄緑色の瞳は大きく見開かれ、ルナールのみを映している。
「っ、ぁっ――!!」
肩を掴むと、ヴィンスの身体を反転させる。下穿きごとズボンを引き下ろし、フルフルと揺れる尻を押し広げ、薄桃色の蜜口を露にする。この薄っぺらな胎の中に、他の男の種が注がれたのかもしれない。そう思うだけでルナールの胸は嫉妬の業火で焦げ付き、ギリギリと歯が噛み締められる。
「はやく、しないと――孕ませ、ないと――」
「っ、男同士の交わりで、子が出来るはず……!!」
肌を草で切ってしまったのか、頬に赤い筋をはしらせながら、ヴィンスは振り返り、必死になって否定する。小さく笑いかけながら、赤い筋から珠のように小さく膨れた血を拭い、優しく教えてやった。
「出来るよ、ヴィンス。だって――お前は、男から生まれたかもしれないんだぞ?」
「……な、に?」
「お前を探している時にな、『悪魔憑き』を見つけたって男に逢ったんだ。二十数年前、綺麗な黒髪と薄緑色をしたとても美しい男が、自分にそっくりな子どもを産んだ。その悪魔憑きは生まれたばかりの子どもを連れて逃げたけど、結局は見つかって告発されて、死と炎によって清められたって」
ルナールの告げた『悪魔憑き』とヴィンスは、やはり関係があったのだろう。今まで浮かべていた恐怖と戸惑いが虚無の一色に塗りつぶされ、抵抗する気力さえ失い、ただ大人しくルナールの言葉を聞いていた。
「そんな過去があったなら、人を遠ざけても仕方ないよな。でも大丈夫、大丈夫なんだヴィンス――俺ならお前の全てを受け入れられる。お前が失ったものを、また与えてやれる」
だから、とルナールは腰を持ち上げて猛りそびえたつ己自身を、ヴィンスの秘孔に押し当てた。
「俺の子を産んで、家族になろう。そうすればお前は、誰も惑わせずにすむ。『悪魔憑き』としての罪と苦しみから――解放されるんだ」
露にされた上半身に、ルナールの視線がじっとりと絡みつく。胸から肋骨、まで指をゆっくりと這わせると、狐色の瞳が陶酔したように潤みだす。
「ああ……触ってるだけで、達しそうだよ、ヴィンス……」
「ルナー……ルッ……!! っ、ぁっ……!!!」
肌を舐め尽くすきつね色の視線が、ルナールのものであるという恐怖に、ヴィンスは声を震わせ、我に還ると強く唇を噛んだ。己を刺激しないよう、ヴィンスは反応を必死で殺している。それに気づいたルナールは、薄桃色の突起に顔を近づけると、歯を立てた。
「いっ……つ……」
「我慢せずに声――出してくれよ、ヴィンス」
痛みを与えたかと思えば、乳輪の周囲をなぞるように舌を這わせる。鋭い痛みの後に来るルナールの愛撫は、一方的で荒々しいが故に、自分の全てを操りたいとでも言うような、ルナールの狂気的なまでの独占欲を強く感じさせた。
本能がこの状況を危機だと判断し、生き延びる為にあらゆる情報を収集するべしとそう命じたのだろうか。ヴィンスの意思とは反対に身体の感度が高まり、刺激を受ける度にひきつった声や跳ねる腰や強張る身体は、まるでルナールの愛撫に応えるような反応を起こしてしまう。
「っ、や、め……あ、うっ……!!」
拒絶の言葉を発しようとする度に、ルナールは肌に歯を立て、吸い、その拒絶を掻き消してゆく。己の身体の感度が上がる程に、放つ香りも強まっているのか。ルナールは自分を押し潰そうとする程に身体を密着させ、捩り逃れようとするヴィンスの身体に、完全に勃起した己自身を擦り付けた。
「ひ、……っ……!!」
「何を怖がってるんだ? ヴィンス。お前が、俺をこうしたのに」
「あ、ぅ……っ!!」
ズボン越しに蜜口を先端で突かれながら囁かれると、喉は否定の言葉の代わりにひきつった声が漏れだしてしまう。自分の意思を伝えるべく、しきりにヴィンスは首を横に振り続けながら目尻に涙を溜めてルナールを見つめるが、その涙は目の前の男を熱を冷ますことなく一層に煽らせ、熱く湿った舌で舐め取られ、愉しみの材料にされるだけだった。
「涙も――こんなに甘い」
陶然とした声を上げ、ルナールがヴィンス自身の反応を確かめようとした時、陶磁器よりも滑らかで美しい。触り心地の良さそうな両腰に、手の形に変色した青黒い痣があるのを見つけた。
己以外の男が、ヴィンスの身体を踏み荒らした。確たる証に気づいたルナールは、ピタリとヴィンスを愛撫する動きを止めた。
「ヴィンス」
密着していた身体を離し、ヴィンスを見下ろしながら狂おしいまでの嫉妬を込めて名前を呼ぶと、表情が凍り付いたように固まり、零れる涙さえ固まった。今までの行為は自分にとって前菜に過ぎない。呼びかける声色でヴィンスもまたそれを悟ったのだろうか。美しい薄緑色の瞳は大きく見開かれ、ルナールのみを映している。
「っ、ぁっ――!!」
肩を掴むと、ヴィンスの身体を反転させる。下穿きごとズボンを引き下ろし、フルフルと揺れる尻を押し広げ、薄桃色の蜜口を露にする。この薄っぺらな胎の中に、他の男の種が注がれたのかもしれない。そう思うだけでルナールの胸は嫉妬の業火で焦げ付き、ギリギリと歯が噛み締められる。
「はやく、しないと――孕ませ、ないと――」
「っ、男同士の交わりで、子が出来るはず……!!」
肌を草で切ってしまったのか、頬に赤い筋をはしらせながら、ヴィンスは振り返り、必死になって否定する。小さく笑いかけながら、赤い筋から珠のように小さく膨れた血を拭い、優しく教えてやった。
「出来るよ、ヴィンス。だって――お前は、男から生まれたかもしれないんだぞ?」
「……な、に?」
「お前を探している時にな、『悪魔憑き』を見つけたって男に逢ったんだ。二十数年前、綺麗な黒髪と薄緑色をしたとても美しい男が、自分にそっくりな子どもを産んだ。その悪魔憑きは生まれたばかりの子どもを連れて逃げたけど、結局は見つかって告発されて、死と炎によって清められたって」
ルナールの告げた『悪魔憑き』とヴィンスは、やはり関係があったのだろう。今まで浮かべていた恐怖と戸惑いが虚無の一色に塗りつぶされ、抵抗する気力さえ失い、ただ大人しくルナールの言葉を聞いていた。
「そんな過去があったなら、人を遠ざけても仕方ないよな。でも大丈夫、大丈夫なんだヴィンス――俺ならお前の全てを受け入れられる。お前が失ったものを、また与えてやれる」
だから、とルナールは腰を持ち上げて猛りそびえたつ己自身を、ヴィンスの秘孔に押し当てた。
「俺の子を産んで、家族になろう。そうすればお前は、誰も惑わせずにすむ。『悪魔憑き』としての罪と苦しみから――解放されるんだ」
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