毎日記念日小説

百々 五十六

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8月7日 花の日 眠気を誘うというより疲労寝落ち

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今日もまた、白い空間に放り出された。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴った。


”シチュエーションの設定、人物選択、話題選択が終了しました。
これより雑談を始めます。”

やっぱりアナウンスが止んだ。
やはり、雑談部屋で一番無駄な時間なう。
AIはここを修正しないのだろうか?
やっぱ、修正しないかぁ。
修正してくれないかなぁ。
毎回同じこと思ってるなぁ。
なんか最近個々の時間長くなってないか?
気のせいかなぁ?
まぁ、別に気にすることでもないか。
再びアナウンスが鳴った。


”雑談所要時間は30分、盛り上がり等により自動で延長や短縮を行います。
シチュエーションは、『花畑』です。
雑談に参加するメンバーは、『田中様』『渡辺様』『芦田様』『森様』です。
決まった役職、役割等はございません。ご気軽に参加してください。
それでは雑談を始めさせていただきます。
今回の話題は『花』です。
それでは楽しい雑談の時間をお過ごしください。”

アナウンスがやんで、光に包まれた。
また、広いなぁ。
どうしよう。
何か考えたところでその通りの流れになる事なんてほとんどないけどどうしよう。
花かぁ。
なんかあるかな?
聞かれれば答えられそうだけど、花について聞きたいこととかないしなぁ。
そもそも聞きたいこととかあったら、『雑談部屋』とか関係なく聞くしなぁ。
まぁ、誰かがきっかけをくれれば話せそうだし、大丈夫かなぁ。
『雑談部屋』の花畑とか、スゴそうだなぁ。
めっちゃリアルなんだろうなぁ。
花畑なら、静かでも気にならなさそうだし、『雑談部屋』にあってるのかもなぁ。
思考がそれ始めたところで、光が収まった。



……
………

.

アナウンスが鳴った。
あれ?
雑談は?
あれ?
皆話疲れたみたいな顔してる。
あれ?
なんで俺は花畑で横になっているんだ?
もしかして、寝ちゃってた?
それならなんで、退場になってないんだ?
アナウンスさんに気を使われたの?
そうか、そうなんだな。多分きっと。
そういうこともあるんだ。
突如メンバーが三人になってしまって、森、渡辺、芦田の三人には迷惑をかけてしまっただろう。
大変申し訳ない。
とりあえず三人に向けて、頭を下げておいた。
はぁ、情けない。
楽しみにしてた、『雑談部屋』で寝てしまうなんて。
多分、病み上がりからある程度無理してて、気づかないうちになまっていたのだろう。その疲れが一気に来て、急に寝ちゃったのかな。多分だけど、麻野エナドリが切れてきたのも関係しそうだな。
はぁ、本当に情けない。
でも、今は落ち込んでないで、ちゃんとアナウンスを聞こう。







”32分52秒62が経過しました。お話の途中かと思いますが、教室の方に転送いたします。話し足りないかと思いますが、この話題はこの場限りといたしますようよろしくお願いします。教室で同じ話題をしたとしても特に罰則等はございませんが、ご協力よろしくお願いいたします。それと同じように、教室での話題をこの場に持ち込まないようよろしくお願いいたします。このアナウンスの内容を何度もお聞きになっていると思いますがなにとぞご協力よろしくお願いいたします。

疲れが出ちゃうのは仕方がないことだとは思います。
ですが、重要な時、楽しみにしていた時に、疲れが出てしまうのはもったいないので、こまめに疲れを抜いておきましょう。
良く寝たことですし、頭すっきりしていると思うので、今日の残りの時間も頑張ってください。
それでは教室にお送りいたします。
それでは良い学校生活を”

アナウンスが止んだ。

教室に戻ってきた。
はぁ、本当に寝ちゃってたんだなぁ。
その後の授業は疲れが抜けていて、めちゃくちゃはかどったけれど、なんとなくずっと虚しかった。
はぁ、いつになったらちゃんと、『雑談部屋』を楽しめるんだろう。
明日は、少なくとも体調だけはちゃんと気を使って行こう。
他に原因がある時は仕方がないが、自分が原因で『雑談部屋』が楽しめないなんてことはないようにしよう。
そう、心の中で強く誓った。
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