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悩ましいボイス⑨

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 腰を少し前に進めただけなのに、僕のバナナはスルリと飲み込まれてしまう。

 予想以上に、熱く濡れそぼったザクロだった。しかも、強い力で締めつけたり、ゆるめたりしてくる。

 まるで、ザクロの中に小さな手があるようだ。どうやら、ルナさんは無意識にしているらしい。

 全身の神経が股間に集中していた。バナナの芯までとろけてしまいそうだ。

 予想以上の素晴らしい快感に、僕は思わず呻き声を上げる。避妊具をつけていなければ、あっけなく放出していたかもしれない。

 これまで数多くの女性たちと身体を重ねてきたけれど、快感において最高級に該当するザクロだった。もし、経験の少ない男だったら、ものの数秒ともたなかったことだろう。

 しかし、僕はコールボーイだ。プロフェッショナルとしての矜持きょうじがある。

 僕はバナナを引き戻し、軽く腰を動かしていく。締めつけやからみつきと同時に、バナナに対する吸引力のような感触を覚える。

 俗な言い方をするなら、ルナさんのザクロはまごうことなき〈名器〉だった。

 どうやら、通り一遍のセックスでは終わりそうもない。僕は深呼吸をして、下半身に力を込める。

 ルナさんはビクンと身体を震わした。バナナの硬度と高まりを感じとったことだろう。

 僕は唐突に、腰を動かし始めた。彼女を後ろから抱きしめて、荒々しくバナナで串刺しにする。

 ゆるやかに、しかし、力強く、ザクロの奥底に突き立てる。

 ルナさんが大きな悲鳴を上げたので、僕は慌てて左手で口を塞いだ。もし誰かに見られたら、レイプと誤解されかねない。

 となれば、フィニッシュを急ぐべきだろう。

 僕はリミッターを外して、容赦なく腰を使った。1分、2分、3分……、力強い律動を続けた。

 そのうち、ルナさんは身体を激しく震わせて、乗用車のボンネットの上に突っ伏してしまった。

 一気に上り詰めたのだ。

 僕がバナナをゆっくり引き抜くと、ルナさんは脱力して膝をついた。意識が朦朧としている。眼の焦点も合っていない。それでも、僕に力一杯抱きついてきた。

「とっても、よかった。こんなの、初めてよ」

 不思議なもので、この仕事をしていると時折、運命的なものを感じることがある。

 どうやら、ルナさんとは、長い付き合いになりそうだった。


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