俺がお前を王にしてやる―隠れオメガクイーンは勇者様―

竜鳴躍

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結婚式の衣装の準備は着々と進む。

最近では、アーサーも自信をもって仕事をしていて、みんなに頼りにされているようだ。

よかった。



俺は、城の中で部屋が与えられ、既に引っ越しをしている。

アーサーの部屋とコネクティングルームになっているんだ。

早くあの内扉から来てくれないかな。


お母様はシュヴァイツァー王国に戻り、両親と一緒に住んでいる。
ガーデン商会は、俺に代表者としての権利があるまま、実務は職員に任せた。

時折、転移魔法で現地を見に行ってるけど、いくら魔法があるからって王妃になろうってやつがホイホイ市井にいくものじゃないって怒られた。

そのうち俺の護衛なり影なりが代理で行くか、もしくは護衛付きで仰々しくいく羽目になるんだろうな。




早く、アーサーの子が欲しい。


あの時お腹にいた子には悪いけど…。

俺は薄情な母親だろうか。



同じ父親を選ばなかったから、産んでやれなかったあの子を産むことはできない。

願わくば、同じ魂が俺の胎に宿ってくれますように。




「大好きだよ、アーサー。手を出してくれないなら、こっちが手を出しちゃうぞ。」



今日もアーサーは仕事で遅いみたいだ。
そろそろ俺にも仕事を回してもらいたい。

だけど、妃になるまでそうするわけにはいかないんだって。


早く、妃になりたい。







仕事を終えて部屋に戻り、中にある内扉をゆっくり開ける。

大きなベッドの上のローゼの寝顔を見るのが、最近の習慣だ。


ローゼが起きてると、なかなか勇気が出ないけど。



「おやすみ。ローゼ。」



寝ている瞼にキスをする。
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