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アーサーの運命

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朝から港に出向き、船を待つ。

白い船体に花の飾りで彩られた華やかな船が港につき、船から貴人が現れた。


ピンクブロンドの髪。

軽やかな白いドレスを身にまとう姫とエスコートする王子。


タリスマン王国の楽団が音楽で出迎え、俺たちは前に出た。



「お出迎えありがとうございます。アーサー殿下。ローゼ様。」


ニッコリふわりとほほ笑む。

妖精のような人だ。



金木犀のような華やかな香りがする。

彼女はオメガか。

一瞬、隣のアーサーの体がこわばるのを感じた。



「アーサー?」


アーサーは俺に軽く視線をうつしてほほ笑んだ。


「まぁ。仲がよろしいのですね、羨ましいですわ。私にもアーサー殿下みたいな方、いないかしら。」



「長旅お疲れでしょう。馬車を用意させましたので、城へ案内します。」



これから一週間、城のゲストハウスに彼らは滞在する。

今夜はこの国の貴族を集めたパーティーだ。



嫌な予感がするのをかき消しながら、俺は王太子の婚約者として、他国の王族を案内することに集中する。


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