20 / 81
第20話 話し合い
しおりを挟む
アクアヒルまであとわずかという所でレイはクレハ達エスタの住民にこれからどうするか意思を確認する事にした。
世界樹の前にエスタの住民を集め皆の意見に耳を傾ける。
「皆さん、もうわずかでアクアヒルに到着します。そこで皆さんにはこれからどうするか話し合っていただきたいのです」
「あの……」
クレハが手をあげる。
「私達がアクアヒルに移るとして、暮らす場所はあるのでしょうか。私財のほぼ全てがエスタにありますし、慣れない土地で一から生活基盤を整えるのは困難だと思います」
「俺なんかほぼ一文無しだよ。戦うスキルもないし、今から家を買う金なんてとても集められないよ……」
「私も無理です……。もうエスタには帰れないのでしょうか」
その質問にレイが持論を述べる。
「帰れるとは思います。ですが反乱軍が激しく抵抗した場合、町は焼け落ちたり破壊されていたりするでしょう。仮に反乱軍が抵抗せず降伏したとすれば町は無事でしょうが……一度反乱が起きた場所は国も警備兵を増やすでしょう。全てが同じという事はもうないと思って下さい」
「そんな……。私達は被害者なのよ。国は何もしてくれないのですか!?」
レイはクレハに質問した。
「クレハさん。エスタの町があった地の領主はどうしてます?」
「反乱軍に加わっていたかと」
「なら尚更国には期待できないでしょうね。領主が変更となれば補償する義務はなくなります。反乱軍に補償させようにも恐らく全員処刑された上、国が財産を没収してしまうかと」
「私達は何も悪い事してないのにあんまりよ!」
新しい生活を始められる余裕がないエスタの住民達は憤っていた。
「考えられる解決方法としては、皆さんで住宅をシェアし、協力しながら住む家を増やしていく……でしょうか」
「そんな……。よく知らない人と一緒に暮らすのは……」
「どうしても無理な場合はこのままここで暮らすしかありませんよ? その場合自由に外には出られなくなりますが、他の住民のように安定した生活は僕が保証します」
その言葉にエスタの住民達がざわついた。
「選択肢として私達がこのままここに残る事はありですか?」
「もちろんありです」
「ここに残ったら家や畑がもらえるのか? 土地代やら税金は?」
「土地代はいただいてないですし、作物は毎日収穫できますから余った分はこの収納箱に入れてもらえたら皆さんのように臨時で集まった方々に分けてあげられます。しいて言えばそれが税金の代わりでしょうか」
「今ここに住んだとして、後でやっぱり外に出たいと言ったら?」
「止めません。住むも出るも皆さんの意思に任せます。住むなら全力でサポートいたしますよ」
住民達は大いに悩んだ。
「まぁ……外に出られないだけで今安定した暮らしを送れるならアリなんじゃないか?」
「ナシよ。ここにはお店もないし……」
「店なら一から始めたら良いじゃないか。レイさん、布とか金属、木材なんかは手に入るのか?」
レイは男の質問に答えた。
「はい。まず、住民が増えるとこの空間が数に比例して拡張されます。そして発展ボーナスが得られるので空間内に山や川、森林や海などもいずれ作れるようになるかもしれませんね」
「まだわからないって事か」
「はい。僕もまだこのスキルについて試行錯誤している段階でして。発展ボーナスについては不明な点が多々あります」
「仮に手に入らなかったら?」
「その時は収納箱から素材を売却して外から購入ですね。魔獣牧場にいる魔獣の素材は毎日手に入りますし」
今や魔獣牧場は空間の大半を占めており、かなりの数の魔獣が飼育されている。
「レイさんから私達に何か強制したりとかは……その……」
「な、ないですよ! 僕からは何も強制したりしません! 先程も申したように、このスキルはまだまだ未知なんです。この未知の部分は住民が増えなければ解明すらできない状況なんです」
レイは住民達に向け言った。
「皆さんが住民になってくれるだけで僕にはメリットが生まれます。先に住んでいた方々もスラムで苦しい生活をしていた方々で、自ら進んでここでの生活を選択してくれました。皆さんに感謝こそすれ、僕が命令したりする事はありません。外での暮らしに戻りたい人はいつでも戻します。戻るために蓄えが必要なら作物などは買い取りします」
不安そうにする住民達に手を差し伸べる。
「今すぐ決めてくれなくても構いません。住みたい方には家を用意します。住む意思が固まりましたら僕に申し出て下さい。決して無碍には扱いません。僕はここを楽園にしたいんです。誰もが幸せになれる世界、この箱庭の世界をそうしていきたいと思っています」
レイの言葉を受けクレハ一家が意思を示した。
「私は主様のお世話になりたいです。父や母、娘のマリーも同じです」
「ありがとうございます、クレハさん。町長婦人のクレハさんが味方になってくれたら色々と助かります」
「ふふっ。私より元町長の父の方が役に立ちますよ」
「ワシも力になろうじゃないか。町にするなら設計の段階から助言してやるぞい?」
「あ、ありがとうございます! 設計は畑違いなので助かります!」
クレハ一家が手をあげた事で他の住民達も続々と手をあげ始めた。
「俺、ずっと自分の店を開きたかったんだよ。スキル【細工】を生かした店を始めたい!」
「私もスキル【服飾デザイン】でお店を開きたいわ!」
「なら【裁縫】持ちの私を雇わない?」
「お、おいらは【採掘】持ってるから山ができたら鉱石掘りで協力できるぞ!」
「私は【薬師】なので薬草畑があれば回復薬を作りますよ」
「それなら森ができたら私の鑑定で薬草とか野草見つけられるよっ。魔獣に襲われないなら採取に行けるし」
それからおよそ五千人の住民がこれまで我慢していた夢を次々に口にし、この箱庭で始めたい事を語り始めていった。これだけの数がいれば外に出たいと願う住民もいるかと思ったが、誰一人外で暮らすとは口にしなかった。
「皆さん……ありがとうございます。あとわずかでアクアヒル到着の予定でしたが予定を変更します。皆さんがここに住んでくれるならそちらを優先します」
レイはクレハの父親に頭を下げた。
「すみません、町の設計をお願いします」
「うむ。ワシに任せいっ」
「はいっ!」
「お父さん、私も手伝うからいい町にしましょうね」
「うむっ。クレハは皆の意見を集めるのじゃ。さあ、忙しくなるぞいっ」
この日箱庭に新たな住民五千人が加わり、世界は元の数倍に拡張されたのだった。
世界樹の前にエスタの住民を集め皆の意見に耳を傾ける。
「皆さん、もうわずかでアクアヒルに到着します。そこで皆さんにはこれからどうするか話し合っていただきたいのです」
「あの……」
クレハが手をあげる。
「私達がアクアヒルに移るとして、暮らす場所はあるのでしょうか。私財のほぼ全てがエスタにありますし、慣れない土地で一から生活基盤を整えるのは困難だと思います」
「俺なんかほぼ一文無しだよ。戦うスキルもないし、今から家を買う金なんてとても集められないよ……」
「私も無理です……。もうエスタには帰れないのでしょうか」
その質問にレイが持論を述べる。
「帰れるとは思います。ですが反乱軍が激しく抵抗した場合、町は焼け落ちたり破壊されていたりするでしょう。仮に反乱軍が抵抗せず降伏したとすれば町は無事でしょうが……一度反乱が起きた場所は国も警備兵を増やすでしょう。全てが同じという事はもうないと思って下さい」
「そんな……。私達は被害者なのよ。国は何もしてくれないのですか!?」
レイはクレハに質問した。
「クレハさん。エスタの町があった地の領主はどうしてます?」
「反乱軍に加わっていたかと」
「なら尚更国には期待できないでしょうね。領主が変更となれば補償する義務はなくなります。反乱軍に補償させようにも恐らく全員処刑された上、国が財産を没収してしまうかと」
「私達は何も悪い事してないのにあんまりよ!」
新しい生活を始められる余裕がないエスタの住民達は憤っていた。
「考えられる解決方法としては、皆さんで住宅をシェアし、協力しながら住む家を増やしていく……でしょうか」
「そんな……。よく知らない人と一緒に暮らすのは……」
「どうしても無理な場合はこのままここで暮らすしかありませんよ? その場合自由に外には出られなくなりますが、他の住民のように安定した生活は僕が保証します」
その言葉にエスタの住民達がざわついた。
「選択肢として私達がこのままここに残る事はありですか?」
「もちろんありです」
「ここに残ったら家や畑がもらえるのか? 土地代やら税金は?」
「土地代はいただいてないですし、作物は毎日収穫できますから余った分はこの収納箱に入れてもらえたら皆さんのように臨時で集まった方々に分けてあげられます。しいて言えばそれが税金の代わりでしょうか」
「今ここに住んだとして、後でやっぱり外に出たいと言ったら?」
「止めません。住むも出るも皆さんの意思に任せます。住むなら全力でサポートいたしますよ」
住民達は大いに悩んだ。
「まぁ……外に出られないだけで今安定した暮らしを送れるならアリなんじゃないか?」
「ナシよ。ここにはお店もないし……」
「店なら一から始めたら良いじゃないか。レイさん、布とか金属、木材なんかは手に入るのか?」
レイは男の質問に答えた。
「はい。まず、住民が増えるとこの空間が数に比例して拡張されます。そして発展ボーナスが得られるので空間内に山や川、森林や海などもいずれ作れるようになるかもしれませんね」
「まだわからないって事か」
「はい。僕もまだこのスキルについて試行錯誤している段階でして。発展ボーナスについては不明な点が多々あります」
「仮に手に入らなかったら?」
「その時は収納箱から素材を売却して外から購入ですね。魔獣牧場にいる魔獣の素材は毎日手に入りますし」
今や魔獣牧場は空間の大半を占めており、かなりの数の魔獣が飼育されている。
「レイさんから私達に何か強制したりとかは……その……」
「な、ないですよ! 僕からは何も強制したりしません! 先程も申したように、このスキルはまだまだ未知なんです。この未知の部分は住民が増えなければ解明すらできない状況なんです」
レイは住民達に向け言った。
「皆さんが住民になってくれるだけで僕にはメリットが生まれます。先に住んでいた方々もスラムで苦しい生活をしていた方々で、自ら進んでここでの生活を選択してくれました。皆さんに感謝こそすれ、僕が命令したりする事はありません。外での暮らしに戻りたい人はいつでも戻します。戻るために蓄えが必要なら作物などは買い取りします」
不安そうにする住民達に手を差し伸べる。
「今すぐ決めてくれなくても構いません。住みたい方には家を用意します。住む意思が固まりましたら僕に申し出て下さい。決して無碍には扱いません。僕はここを楽園にしたいんです。誰もが幸せになれる世界、この箱庭の世界をそうしていきたいと思っています」
レイの言葉を受けクレハ一家が意思を示した。
「私は主様のお世話になりたいです。父や母、娘のマリーも同じです」
「ありがとうございます、クレハさん。町長婦人のクレハさんが味方になってくれたら色々と助かります」
「ふふっ。私より元町長の父の方が役に立ちますよ」
「ワシも力になろうじゃないか。町にするなら設計の段階から助言してやるぞい?」
「あ、ありがとうございます! 設計は畑違いなので助かります!」
クレハ一家が手をあげた事で他の住民達も続々と手をあげ始めた。
「俺、ずっと自分の店を開きたかったんだよ。スキル【細工】を生かした店を始めたい!」
「私もスキル【服飾デザイン】でお店を開きたいわ!」
「なら【裁縫】持ちの私を雇わない?」
「お、おいらは【採掘】持ってるから山ができたら鉱石掘りで協力できるぞ!」
「私は【薬師】なので薬草畑があれば回復薬を作りますよ」
「それなら森ができたら私の鑑定で薬草とか野草見つけられるよっ。魔獣に襲われないなら採取に行けるし」
それからおよそ五千人の住民がこれまで我慢していた夢を次々に口にし、この箱庭で始めたい事を語り始めていった。これだけの数がいれば外に出たいと願う住民もいるかと思ったが、誰一人外で暮らすとは口にしなかった。
「皆さん……ありがとうございます。あとわずかでアクアヒル到着の予定でしたが予定を変更します。皆さんがここに住んでくれるならそちらを優先します」
レイはクレハの父親に頭を下げた。
「すみません、町の設計をお願いします」
「うむ。ワシに任せいっ」
「はいっ!」
「お父さん、私も手伝うからいい町にしましょうね」
「うむっ。クレハは皆の意見を集めるのじゃ。さあ、忙しくなるぞいっ」
この日箱庭に新たな住民五千人が加わり、世界は元の数倍に拡張されたのだった。
5
お気に入りに追加
476
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる