僕の名前を

茗荷わさび

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第三章 ふたり暮らし

第五話※

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「そのまま、続けてよ」

 僕は前を見せないように背中を屈めた。

 続けてよって……こんなこと長政に知られて、裸を見られてどこか消えてしまいたい……。長政に背を向けていると長政はついに風呂場に入ってきた。Tシャツを脱ぎ捨て洗面所に放ると風呂場のドアを閉める。

 そして僕を後ろから抱きしめた。

「せっかくだから続けよ……?」

 そう耳元でつぶやかれ耳たぶを甘噛みされると、既に火照っている僕の体はすぐにまた熱くなる。

「まさか、俺のこと想像してやってるとはね」

 そう言いながら僕の項へ攻撃を始める。声でわかる。長政が楽しんでる。唇で甘噛みされたり舌で舐められたり、でもそれが首元から次第に背中や肩に広がっていく。

「んぁ……、ながまさ……」
「うん」

 長政の手が僕の胸を弄り撫でたとき、僕の突起をかすめていった。擦れた突起はすぐに硬くなって、確かめるように長政の手が戻ってきて親指で突起を刺激されると僕はあっけなく声を漏らした。

「ここ、弱い?」
「し、知らない……」
「ふぅん?」

 次に突起を指先で摘まれた。

「んぁ……っ」

 弱く絶妙に摘まれビリビリと電流が流れる。僕はたまらなくなり天を仰いだ。僕は童貞だ、誰かに僕の体を触られたことがないし、ひとりでやってるこんなところ見つかって、死ぬほど恥ずかしい。なのに、長政に触ってほしいって思ってる……。

「俺に寄りかかっていいよ」

 ぐいっと腰を引き寄せられてしまい、観念して言われるがまま長政に身を委ねると長政の右手が僕の太ももの間に差し込まれた。ビクリとすると、すかさず長政に僕の項を舐められてまた力が抜ける。太ももの内側を撫でられ、僕のモノが期待して膨張していく。

「巴、さわってい?」
「き……聞くな……」
「ふふ、わかった」

 太ももの内側を撫でていた長政の手がいよいよ僕のモノに当てられた。やさしく下から包むように撫でられる。

「あ…………」

 ずっと触ってほしかった……

「巴……、すげぇ、熱い」
「そんなん、言うな……っ」

 長政が僕のモノを握ると上下にやさしく扱き始める。

「はぁ……んっ」

 僕は顔だけ後ろを向いて長政を見ると長政はキツそうな顔をしている。後ろ手で長政の頬に触れると長政に唇を塞がれ、熱い舌がぬるりと入り込んで僕の口内を犯す。

「ん、……ぁ……」

 長政の手が早くなり僕は絶頂を迎えそうになる。

「…………んんっ」

 僕は簡単にいってしまった……。



 一気に力が抜けて長政に寄りかかる。

 長政は器用に手を伸ばしてシャワーのレバーをひねりお湯を出すと僕にそれをかけてくれた。


「きもちよかった?」

 長政が聞いてくるがその声はやはり少し余裕がなく感じる。僕は長政に抱きついた。

「長政も……いけよ」
「あぁ、……そうだな」

 僕を片手で抱きしめて、もう片方の手で器用に短パンと下着を脱いでそれを風呂の縁にかけると改めて僕をぎゅっと抱きしめた。

「もう、すぐイきたいよ」

 分かる、僕の腰を温かなものがツンツンと主張しているんだ。長政は自身の硬くて暑いものを触るとゆっくりしごき始めた。


 僕は長政の首から離れると風呂の縁に腰掛けた。




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