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第三章 ふたり暮らし
第四話※
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長政との同居は順調だった。
学校で食べる昼ごはんが弁当でなくなったものの、毎晩長政のうまい手料理が食べられる。
長政は食事担当で、掃除が僕。
お互い苦じゃないことを担当してるから順調だ。
僕はずっとひとりで暮らしてきたようなものだ。食事は弁当屋にお世話になりっぱなしだったが、掃除なら完璧だ。
帰宅したらすぐ掃除機をかけ、長政が夕飯の支度に取り掛かると風呂、洗面所、トイレの掃除をする。風呂からあがると洗濯をする。
僕の仕事として自分に課す。長政になにかお返しができるのならそれしかない。完璧にこなさなくては。
それなりに慣れてきたと感じ始めた。
しかし、健全な高校生にとっては少々不自由ではある。
寝室はひとつ。
帰宅も一緒。
塾はオンライン。
つまり、ひとりでいる事ができるのはトイレか風呂。
そんな短時間で済ませるのも性処理している虚しさがこみ上げるし、でも風呂あがりの長政の裸は(下は履いている)僕を悩殺してくる。
これから夏休みが待っているのに……
チラリと見ると長政はテレビを見て笑ってる。
長政って、女の子と付き合ってたんだからノンケなんだよな。
なのに、僕を好きと言ったあの夜。
それにキスもしてくる。
キス、したんだから、そういう意味……だよね?
確かめることもできず、僕はされるがまま流されている。
有耶無耶のまま、こうやって毎日暮らしていければ幸せ。
そうだよね、うん。
このままでいいんだよね?
……でも、今夜も僕のベッドに眠るんだよね?
長政はキスから先は絶対にしない。
無理にはしないとか、我慢してるとか、言ってたかも。
はぁ……
僕だって男だ
好きなやつが目の前にいて抱きしめたくなるし
キ……キ……キスもしたい。
とりあえず、抜きてぇなぁ……
「風呂行ってくるわ」
「うん」
洗面所に行くと洗濯機が動いていた。あと15分くらいで終わるのか、確認して僕は風呂に入った。
髪を洗って顔を洗って……体を洗う。モコモコの泡を肌に滑らせていき、その手を下へ伸ばす。泡の力で僕の下半身はすぐに硬くなりはじめる。
壁に左手をつき目をつむって長政の裸を想像してみる。長政の太い首にキスして、胸の突起を舐めて腹筋を撫でたい。
そして、長政の……ソレを触ってみたい。
こんなふうに、硬くてあったかいんだろうな……
「はぁ……、すぐいきそ……」
扱く手を早めて早く絶頂を迎えたい。
手つきに合わせて腰も動く。
「長政……ながまさ……はぁ……ん……」
久しぶりの自慰にどんどん鼓動が早くなる。早くいってしまいたいのにいきたくない、つい手加減をして寸止めしてしまう。
「ん……ながま……さ……はぁ……はっ」
でも駄目だ、もういきたい。
その時風呂場のドアがカチャリと開いた気がした。
涼しい風が吹いて気のせいじゃないことが分かる。
性欲に占拠されていた脳がどんどん冷静になっていく。
振り返るとドアに長政がいたんだ。
学校で食べる昼ごはんが弁当でなくなったものの、毎晩長政のうまい手料理が食べられる。
長政は食事担当で、掃除が僕。
お互い苦じゃないことを担当してるから順調だ。
僕はずっとひとりで暮らしてきたようなものだ。食事は弁当屋にお世話になりっぱなしだったが、掃除なら完璧だ。
帰宅したらすぐ掃除機をかけ、長政が夕飯の支度に取り掛かると風呂、洗面所、トイレの掃除をする。風呂からあがると洗濯をする。
僕の仕事として自分に課す。長政になにかお返しができるのならそれしかない。完璧にこなさなくては。
それなりに慣れてきたと感じ始めた。
しかし、健全な高校生にとっては少々不自由ではある。
寝室はひとつ。
帰宅も一緒。
塾はオンライン。
つまり、ひとりでいる事ができるのはトイレか風呂。
そんな短時間で済ませるのも性処理している虚しさがこみ上げるし、でも風呂あがりの長政の裸は(下は履いている)僕を悩殺してくる。
これから夏休みが待っているのに……
チラリと見ると長政はテレビを見て笑ってる。
長政って、女の子と付き合ってたんだからノンケなんだよな。
なのに、僕を好きと言ったあの夜。
それにキスもしてくる。
キス、したんだから、そういう意味……だよね?
確かめることもできず、僕はされるがまま流されている。
有耶無耶のまま、こうやって毎日暮らしていければ幸せ。
そうだよね、うん。
このままでいいんだよね?
……でも、今夜も僕のベッドに眠るんだよね?
長政はキスから先は絶対にしない。
無理にはしないとか、我慢してるとか、言ってたかも。
はぁ……
僕だって男だ
好きなやつが目の前にいて抱きしめたくなるし
キ……キ……キスもしたい。
とりあえず、抜きてぇなぁ……
「風呂行ってくるわ」
「うん」
洗面所に行くと洗濯機が動いていた。あと15分くらいで終わるのか、確認して僕は風呂に入った。
髪を洗って顔を洗って……体を洗う。モコモコの泡を肌に滑らせていき、その手を下へ伸ばす。泡の力で僕の下半身はすぐに硬くなりはじめる。
壁に左手をつき目をつむって長政の裸を想像してみる。長政の太い首にキスして、胸の突起を舐めて腹筋を撫でたい。
そして、長政の……ソレを触ってみたい。
こんなふうに、硬くてあったかいんだろうな……
「はぁ……、すぐいきそ……」
扱く手を早めて早く絶頂を迎えたい。
手つきに合わせて腰も動く。
「長政……ながまさ……はぁ……ん……」
久しぶりの自慰にどんどん鼓動が早くなる。早くいってしまいたいのにいきたくない、つい手加減をして寸止めしてしまう。
「ん……ながま……さ……はぁ……はっ」
でも駄目だ、もういきたい。
その時風呂場のドアがカチャリと開いた気がした。
涼しい風が吹いて気のせいじゃないことが分かる。
性欲に占拠されていた脳がどんどん冷静になっていく。
振り返るとドアに長政がいたんだ。
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