52 / 195
ずれてゆくこわれてゆく-優紀の章-
51
しおりを挟む
保から目を逸らさず、口を開く。
「…生意気なペットは嫌いですか?」
いきなり話を変えた僕に、保は驚いたように目を見開く。
「………何……急に……」
「…眞司が僕をお兄さんの玩具にしようとしたという事は…僕はお兄さんのタイプだったりします?」
(眞司とは全然タイプが違うけど………)
「………………………………………」
「このロープ、解いてくれます?…身体に食い込んで痛くて……………」
「………………………………………」
保は、何も言わない。
ただ、先程から眞司の事を忘れたように僕から目を離さない。
「……お兄さん………?」
僕の問いかけに、保はハッとしたように眞司から手を放した。
ベッドの上に倒れた眞司は白眼を剥いて、ペニスの先にバイブの柄を出したまま、腰を振り続けている。
そんな眞司には振り向きもせず保はベッドから下りると、僕の方へと近付いてくる。
「…そうだね……元気のよすぎる玩具は………疲れるね…」
「………そう………だから……眞司を壊そうと……?眞司を壊して自分の元に置こうと………?」
(……そんな事は、させない………!!)
「眞司は壊れませんよ…壊れたようにみえても、壊れずにお兄さんから逃げようとするでしょうね…何度でも…」
(眞司には、会いたい人がいるんだから………)
「……………何が言いたい」
保の声が震えている。
ロープを解く指が震えている。
僕を縛っていたロープが解けて床に落ちる。
僕は椅子から立ち上がり保と対峙する。
震える足を叱咤する。
「お兄さんが欲しいのは、お兄さんに反抗す
る玩具…?…それとも従順な玩具……?」
(声が震えていませんように………)
「………なるほど。自分から進んでボクの玩具になると………………?」
僕は保の瞳を見詰めて微笑んだ。
-それが僕の答え。
「…生意気なペットは嫌いですか?」
いきなり話を変えた僕に、保は驚いたように目を見開く。
「………何……急に……」
「…眞司が僕をお兄さんの玩具にしようとしたという事は…僕はお兄さんのタイプだったりします?」
(眞司とは全然タイプが違うけど………)
「………………………………………」
「このロープ、解いてくれます?…身体に食い込んで痛くて……………」
「………………………………………」
保は、何も言わない。
ただ、先程から眞司の事を忘れたように僕から目を離さない。
「……お兄さん………?」
僕の問いかけに、保はハッとしたように眞司から手を放した。
ベッドの上に倒れた眞司は白眼を剥いて、ペニスの先にバイブの柄を出したまま、腰を振り続けている。
そんな眞司には振り向きもせず保はベッドから下りると、僕の方へと近付いてくる。
「…そうだね……元気のよすぎる玩具は………疲れるね…」
「………そう………だから……眞司を壊そうと……?眞司を壊して自分の元に置こうと………?」
(……そんな事は、させない………!!)
「眞司は壊れませんよ…壊れたようにみえても、壊れずにお兄さんから逃げようとするでしょうね…何度でも…」
(眞司には、会いたい人がいるんだから………)
「……………何が言いたい」
保の声が震えている。
ロープを解く指が震えている。
僕を縛っていたロープが解けて床に落ちる。
僕は椅子から立ち上がり保と対峙する。
震える足を叱咤する。
「お兄さんが欲しいのは、お兄さんに反抗す
る玩具…?…それとも従順な玩具……?」
(声が震えていませんように………)
「………なるほど。自分から進んでボクの玩具になると………………?」
僕は保の瞳を見詰めて微笑んだ。
-それが僕の答え。
10
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる