僕が玩具になった理由

Me-ya

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ずれてゆくこわれてゆく-優紀の章-

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保から目を逸らさず、口を開く。

「…生意気なペットは嫌いですか?」

いきなり話を変えた僕に、保は驚いたように目を見開く。

「………何……急に……」

「…眞司が僕をお兄さんの玩具にしようとしたという事は…僕はお兄さんのタイプだったりします?」

(眞司とは全然タイプが違うけど………)

「………………………………………」

「このロープ、解いてくれます?…身体に食い込んで痛くて……………」

「………………………………………」

保は、何も言わない。

ただ、先程から眞司の事を忘れたように僕から目を離さない。

「……お兄さん………?」

僕の問いかけに、保はハッとしたように眞司から手を放した。

ベッドの上に倒れた眞司は白眼を剥いて、ペニスの先にバイブの柄を出したまま、腰を振り続けている。

そんな眞司には振り向きもせず保はベッドから下りると、僕の方へと近付いてくる。

「…そうだね……元気のよすぎる玩具は………疲れるね…」

「………そう………だから……眞司を壊そうと……?眞司を壊して自分の元に置こうと………?」

(……そんな事は、させない………!!)

「眞司は壊れませんよ…壊れたようにみえても、壊れずにお兄さんから逃げようとするでしょうね…何度でも…」

(眞司には、会いたい人がいるんだから………)

「……………何が言いたい」

保の声が震えている。

ロープを解く指が震えている。

僕を縛っていたロープが解けて床に落ちる。

僕は椅子から立ち上がり保と対峙する。

震える足を叱咤する。

「お兄さんが欲しいのは、お兄さんに反抗す
 る玩具…?…それとも従順な玩具……?」

(声が震えていませんように………)

「………なるほど。自分から進んでボクの玩具になると………………?」

僕は保の瞳を見詰めて微笑んだ。

-それが僕の答え。

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