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物凄く、感覚的に
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SIDE シュラ、セルシア
「…………」
「…………」
ラガスがヴェルデと呑んでおり、メリルはフィーマとファールナの二人と呑んで食っている。
そうなると必然的に、シュラとセルシアの二人が残る
どうしようかとシュラが悩んでいると、セルシアがアイテムバッグの中から一本のワインとリバーシを取り出した。
そして二人は泊っている宿の部屋でワインを呑みながらリバーシに興じていた。
「メリルの奴、今頃フィーマとファールナを相手に暴れてるんすかね~~」
「……いつも、より……呑んで、よく喋ってる、かも」
出来たメイドではあるメリルだが、まだ成人……大人としての経験はあまり多くない。
そのため、酒に呑まれてもおかしくないといえばおかしくない。
「俺としては、ラガスさんの言う通り、ここで別の場所に移るのはダサいと思うんすよね」
「…………………………物凄く、感覚的、な問題……で、合ってる?」
「あぁ~~~~~……そう、っすね。多分物凄く感覚的なダサい? で合ってると思うっす」
正直なところ、シュラもシュラでラガスの言うダサいという感覚は解る……非常に解るのだが、ファッションがダサいなどと違って、どう伝えれば良いのかいまいち解らない。
「ていうか、セルシア様も気にならないっすか。あの地下遺跡の最下層がどうなってるのか、なんでダンジョンみたいな構造になってるのかって」
「それは、気になる」
即答だった。
ラガスたちと同じく、セルシアも地下遺跡の最下層はどうなっているのか。
もし、自分たちの仮説通り、何かしらの動力源があるとしたら、いったい何を動力源としているのか……セルシアも非常に気になっていた。
「やっぱそうっすよね!」
「でも……メリルは、色々と、心配、してる」
「心配ね~~~~。確かに俺も解らなくはないっすよ。ぶっちゃけ、メリルが毒をぶち込んだはずなのに、その毒を生命力を利用して燃やして? 対処したのとか、割とマジか!! ってなりましたもん」
「そう、ね。ケルベロスも、同じ、事をしてた。けど、イレックスコボルトは……代償? が、感じられ、なかった」
ケルベロスは全身を、内側まで焼くことで熱消毒したが、その代償としてキッチリ身体能力が低下した。
だが、イレックスコボルトは生命力を再生力などに変換することで、それ以降に始まったラガスとのタイマン勝負の最中に受けた傷も治していた。
「つっても、あんなモンスター早々現れないと思うっすけどね。だって、生命力を力に変化するのがAランクモンスターの標準武器とか、さすがに反則じゃないっすか?」
「確かに、それは……反則」
セルシアは、紫電崩牙を使用した斬撃、刺突であればAランクモンスターにも通じるという自信がある。
しかし……生命力を利用して再生する力を有するモンスターが相手である場合、心臓や脳を突いたとしても、一発で仕留めきれない可能性がある。
「まっ、こんな事メリルの前で言ってたら、そういう発言が油断に繋がるのよ! って言われそうっすけどね」
「ふふ。確かに、言いそう」
シュラに小言を言う姿が容易に想像出来てしまい、小さく笑ってしまったセルシア。
「心配って気持ちは大事だと思うっすけど、言うて俺ら……結構準備してるっすよね」
「…………そう、ね。割と、準備、してると、思うわ」
ラガスたちのパーティーには、明確なヒーラーがいない。
ラガスの魔弾のアビリティに回復弾があるものの、回復力は中レベルに届くかどうかといったところ。
そのため、回復系のポーションは良い物を見つければかかさず購入している。
武器に関しても、全員普段使いの武器以外に、セルシアの紫電崩牙の様な得物を備えている。
「やっぱそうっすよね。金があるから出来ることってのは解るっすけど、それだけ準備してるなら……Aランクモンスターが二体ぐらい同時に現れる、遭遇するぐらいまでなら普通にやれると思うんっすけどね」
シュラのその発言は、傲慢や慢心ではなく……自信からくるものだった。
「…………」
「…………」
ラガスがヴェルデと呑んでおり、メリルはフィーマとファールナの二人と呑んで食っている。
そうなると必然的に、シュラとセルシアの二人が残る
どうしようかとシュラが悩んでいると、セルシアがアイテムバッグの中から一本のワインとリバーシを取り出した。
そして二人は泊っている宿の部屋でワインを呑みながらリバーシに興じていた。
「メリルの奴、今頃フィーマとファールナを相手に暴れてるんすかね~~」
「……いつも、より……呑んで、よく喋ってる、かも」
出来たメイドではあるメリルだが、まだ成人……大人としての経験はあまり多くない。
そのため、酒に呑まれてもおかしくないといえばおかしくない。
「俺としては、ラガスさんの言う通り、ここで別の場所に移るのはダサいと思うんすよね」
「…………………………物凄く、感覚的、な問題……で、合ってる?」
「あぁ~~~~~……そう、っすね。多分物凄く感覚的なダサい? で合ってると思うっす」
正直なところ、シュラもシュラでラガスの言うダサいという感覚は解る……非常に解るのだが、ファッションがダサいなどと違って、どう伝えれば良いのかいまいち解らない。
「ていうか、セルシア様も気にならないっすか。あの地下遺跡の最下層がどうなってるのか、なんでダンジョンみたいな構造になってるのかって」
「それは、気になる」
即答だった。
ラガスたちと同じく、セルシアも地下遺跡の最下層はどうなっているのか。
もし、自分たちの仮説通り、何かしらの動力源があるとしたら、いったい何を動力源としているのか……セルシアも非常に気になっていた。
「やっぱそうっすよね!」
「でも……メリルは、色々と、心配、してる」
「心配ね~~~~。確かに俺も解らなくはないっすよ。ぶっちゃけ、メリルが毒をぶち込んだはずなのに、その毒を生命力を利用して燃やして? 対処したのとか、割とマジか!! ってなりましたもん」
「そう、ね。ケルベロスも、同じ、事をしてた。けど、イレックスコボルトは……代償? が、感じられ、なかった」
ケルベロスは全身を、内側まで焼くことで熱消毒したが、その代償としてキッチリ身体能力が低下した。
だが、イレックスコボルトは生命力を再生力などに変換することで、それ以降に始まったラガスとのタイマン勝負の最中に受けた傷も治していた。
「つっても、あんなモンスター早々現れないと思うっすけどね。だって、生命力を力に変化するのがAランクモンスターの標準武器とか、さすがに反則じゃないっすか?」
「確かに、それは……反則」
セルシアは、紫電崩牙を使用した斬撃、刺突であればAランクモンスターにも通じるという自信がある。
しかし……生命力を利用して再生する力を有するモンスターが相手である場合、心臓や脳を突いたとしても、一発で仕留めきれない可能性がある。
「まっ、こんな事メリルの前で言ってたら、そういう発言が油断に繋がるのよ! って言われそうっすけどね」
「ふふ。確かに、言いそう」
シュラに小言を言う姿が容易に想像出来てしまい、小さく笑ってしまったセルシア。
「心配って気持ちは大事だと思うっすけど、言うて俺ら……結構準備してるっすよね」
「…………そう、ね。割と、準備、してると、思うわ」
ラガスたちのパーティーには、明確なヒーラーがいない。
ラガスの魔弾のアビリティに回復弾があるものの、回復力は中レベルに届くかどうかといったところ。
そのため、回復系のポーションは良い物を見つければかかさず購入している。
武器に関しても、全員普段使いの武器以外に、セルシアの紫電崩牙の様な得物を備えている。
「やっぱそうっすよね。金があるから出来ることってのは解るっすけど、それだけ準備してるなら……Aランクモンスターが二体ぐらい同時に現れる、遭遇するぐらいまでなら普通にやれると思うんっすけどね」
シュラのその発言は、傲慢や慢心ではなく……自信からくるものだった。
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