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相変わらず詐欺

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「そう言ってくれるのは嬉しいですけれど……しかし、それとこれとはまた別問題です」

「そうなの? メリルさんは……ちょっとおバカな要素はあるかもしれないBランクモンスターを倒せて、シュラさんも倒せるんでしょ。んで、セルシアさんも倒せる……ってなると、割と大丈夫だったりしないの?」

Aランクモンスターは無理でも、Bランクモンスターをそれぞれがソロで討伐することが出来る。

であれば、ラガスがAランクモンスターと戦っている間に別のAランクモンスターが襲撃してきても、三人とルーフェイスの力があれば、割と倒せるのではと思ったフィーマ。

「……ルーフェイスに頼るのは最終手段だと、私は思っています。なので、本当に私とシュラ、セルシア様の三人でAランクモンスターに挑むとなると…………誰か一人、複数のBランクモンスターと戦っても勝てるだけの戦闘力が必要です」

イレックスコボルトが生命力を力や再生力に変換するまで、一応三人はイレックスコボルトの動きにラガスという存在がいたからという理由はあれど、なんとか付いていけていた。

メリル自身、一応Bランクモンスターをソロで討伐した自分自身を、並だと……もしくは弱者の部類に入るとは思っていない。
ただ、イレックスコボルト戦では、ラガスが多数の魔弾を操っていたからこそ、自分の毒をイレックスコボルトにぶち込めたのだと自覚している。

「それじゃあ、三人の誰かがそれぐらい強くなったら、ラガスさんの目標? 通り、とりあえず地下遺跡の一番下まで行くのも無理ではないんじゃないかな」

「フィーマの言う通りですね。実質シルバーからゴールドクラスのハンターが三人に、プラチナクラスのハンターが一人いる訳ですからね」

現在、メリルたちのランクはルビー。
下にはウッド、アイアン、エメラルド、サファイヤと四つのランクがあり、ルーキーとしては異例の速さで昇進していた。

その上にはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドといったランクがあるのだが、実力だけで言えばメリルたち三人はシルバーからゴールドに位置し、Aランクモンスターをソロで討伐出来るラガスはプラチナクラスの実力がある。

「……今更な話ではありますが、メリルさんたちはこう……かなりランク詐欺、ですね」

「そう言われるのも仕方ないという自覚はあります。ただ、ハンターギルドに登録した当初と比べれば、詐欺の幅は狭まったと思いますよ」

ウッドからルビーへ到達するまで掛かった年月は、まだ一年も経っていない。

スピード出世という言葉が相応しい状態。
それでも、四人の実力を知っているフィーマ、ファールナからすればまだ詐欺状態である。

「私たちは、街の外に出るたびに依頼を受けている訳ではないので、致し方ないかと」

「昇格する基準に、どれだけの依頼を受けているかなどもありますからね……とはいえ、メリルさんたちであれば貴族界隈でも名が広まっていることを考えれば、上に上る条件はほぼ満たしている様なものですね」

「うちらはそこら辺、ヴェルデとファールナに任せてるからね~~~」

ルビー以上のランクに昇格するとなると、貴族からの依頼、指名依頼……もしくはハンターギルドから頼まれた依頼を達成し、高評価を得る必要がある。

「そうですね……もう、今そこは諦めています。話を戻しますが、ハンターになった以上、やはりリスクのある冒険をすることになる。ハンター歴だけは先輩の私からアドバイスするのであれば、その状況を経験してきた数が多ければ多い程、咄嗟の判断が早く……正確になります」

「あれだよね。この前うちが思いっきり体勢崩れながら、膝裏を叩きつけたのとか最高だったよね!!」

「ですね。といった感じで、メリルさんたちがいずれ辿り着く場所を考えると、地下遺跡を一番下まで探索するのは、良い経験になると思います」

「…………」

お世辞ではない。
他人事だから、という訳でもない。
だからこそ……メリルは何とも言えない表情を浮かべ、直ぐに言葉が出てこなかった。
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