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最終結果
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フレイア女学院との大戦後、次はバレウス学園。その次はジーリアス学園との団体戦が行われた。
さて、その結果は……全戦全勝であった。
「お疲れさん。楽勝だったな」
「まぁ……そうだな」
基本的には俺とセルシア、リース会長が参加して他の二枠はランダムで選出。
運が良かったという部分は確かに有ったが、それでも全戦全勝には変わりない。
「でも、アリクだって楽勝って感じの内容だったよな」
「そりゃ向こうが才能に胡坐描いたバカだったからな。数分の間戦い続けるのが少し苦痛だったぞ」
フレイア女学院との戦いでは瞬殺で終わらせてしまったアリクだが、ジーリアス学園の副将戦ではある程度戦ってから勝負を終わらせた。
確かに相手の生徒はアリクのことを見下しており、終始馬鹿にした態度を取っていたが本気を出したアリクに最後はボコボコにされて負けた。
「どうだった? 大将戦の相手は」
「正直、最初に戦ったラージュさんが一番強かったかなって感じです」
俺は三回戦とも大将として団体戦に参加したが、ラージュさんが一番強かった気がするんだよな。
バレウス学園の大将は確かに魔法の才能はあるんだろうけど、動けなさすぎる。
典型的な魔法主義者だったからつまらない戦いだった。
接近戦が殆ど出来なかったから魔弾と斬撃で戦ったけど……うん、色々と俺の中ではショボかった。
それに比べてジーリアス学園の大将は肉弾戦を主体にして戦う生徒だったのでそこそこ楽しめた。
体格は大きく、中々のマッチョだったのでパワーとスピードも学生の中ではトップクラス。
身に着けている装備もガントレットと、ガチガチのインファイターだった。
拳に火を纏うことも出来ていたので、将来は有名なインファイターになるかもしれない。
でも……総合的な力を考えるとラージュさんの方が上だったと思う。
「そうか……彼女も喜ぶだろうね」
そうなのか? 客観的に見てもハイレベルな接近戦と遠距離戦を行えるラージュさんが他の生徒と比べて差があるのは当然だと思うが……でも、そのラージュさんに勝ったアリクに勝ったリース会長は他と比べて本当に飛び抜けてるよな。
団体戦ではまともにダメージを食らってなかったし。
「ラガス、今回の試合は、楽しそうだった、ね」
「ガンガン前に出てくるタイプだったからな。一つ前に戦った魔法至上主義のクソより千倍楽しかったよ」
「あの試合は笑えたな。試合中に散々ラガスのことを煽っといて最後は物理攻撃でボコボコにされてたし。本気でやれば開始速攻で終わってただろ」
「当たり前だろ。いくら詠唱破棄が使えても壁が発動する前に腹に一発ぶち込んで終わりだ」
魔法の才はある、それは認める。
その才を腐らせない為に努力しているのも解るが……もうちょい動けるようになれよと思う。
本当に接近戦慣れしていなかった。ラージュさんを見習えって話だ。
「でも、今の試合だってセーブして戦ってたんだろ。お前のメイン武器は魔弾かもしれないが、肉弾戦だって結構得意だろう」
「得意っていうか、結構重点的に訓練してたからな」
実際のところ確かにセーブして戦っていた。
だって相手は別に性格がねじ曲がっておらず、いたって真面目な努力家だ。
そんな相手との肉弾戦なんて……楽しいに決まってるだろ。
だから本当に相手が戦えるギリギリまで試合を続けた。
「つか……本当に他校の一年が少し可哀そうになってきたな」
「俺とセルシアがいるからか?」
「その通りだ。来年は二年生のリア・グレーシアも残っている。とりあえずシングルスとダブルスはお前らが持っていくから団体戦に力を入れてくるだろうが、お前らが出る時点で二勝は確実。あとは誰かが一勝すれば問題無しだ」
「アリクの言う通り、改めて他校の一年生たちが可哀そうに思えるよ」
まぁ……確かにそうかもな。
でも、全員が無傷で試合を終えた訳じゃない。
やっぱり戦闘スタイルにも相性はあるので無傷の全戦全勝とはいかなかった。
いや、でも三つの団体戦全て勝ったって時点でやっぱり凄いよな。
「かもしれないけど、来年も再来年も負けるつもりはない。な、セルシア」
「そう、だね。次も、その次も全部、勝つ」
さて、その結果は……全戦全勝であった。
「お疲れさん。楽勝だったな」
「まぁ……そうだな」
基本的には俺とセルシア、リース会長が参加して他の二枠はランダムで選出。
運が良かったという部分は確かに有ったが、それでも全戦全勝には変わりない。
「でも、アリクだって楽勝って感じの内容だったよな」
「そりゃ向こうが才能に胡坐描いたバカだったからな。数分の間戦い続けるのが少し苦痛だったぞ」
フレイア女学院との戦いでは瞬殺で終わらせてしまったアリクだが、ジーリアス学園の副将戦ではある程度戦ってから勝負を終わらせた。
確かに相手の生徒はアリクのことを見下しており、終始馬鹿にした態度を取っていたが本気を出したアリクに最後はボコボコにされて負けた。
「どうだった? 大将戦の相手は」
「正直、最初に戦ったラージュさんが一番強かったかなって感じです」
俺は三回戦とも大将として団体戦に参加したが、ラージュさんが一番強かった気がするんだよな。
バレウス学園の大将は確かに魔法の才能はあるんだろうけど、動けなさすぎる。
典型的な魔法主義者だったからつまらない戦いだった。
接近戦が殆ど出来なかったから魔弾と斬撃で戦ったけど……うん、色々と俺の中ではショボかった。
それに比べてジーリアス学園の大将は肉弾戦を主体にして戦う生徒だったのでそこそこ楽しめた。
体格は大きく、中々のマッチョだったのでパワーとスピードも学生の中ではトップクラス。
身に着けている装備もガントレットと、ガチガチのインファイターだった。
拳に火を纏うことも出来ていたので、将来は有名なインファイターになるかもしれない。
でも……総合的な力を考えるとラージュさんの方が上だったと思う。
「そうか……彼女も喜ぶだろうね」
そうなのか? 客観的に見てもハイレベルな接近戦と遠距離戦を行えるラージュさんが他の生徒と比べて差があるのは当然だと思うが……でも、そのラージュさんに勝ったアリクに勝ったリース会長は他と比べて本当に飛び抜けてるよな。
団体戦ではまともにダメージを食らってなかったし。
「ラガス、今回の試合は、楽しそうだった、ね」
「ガンガン前に出てくるタイプだったからな。一つ前に戦った魔法至上主義のクソより千倍楽しかったよ」
「あの試合は笑えたな。試合中に散々ラガスのことを煽っといて最後は物理攻撃でボコボコにされてたし。本気でやれば開始速攻で終わってただろ」
「当たり前だろ。いくら詠唱破棄が使えても壁が発動する前に腹に一発ぶち込んで終わりだ」
魔法の才はある、それは認める。
その才を腐らせない為に努力しているのも解るが……もうちょい動けるようになれよと思う。
本当に接近戦慣れしていなかった。ラージュさんを見習えって話だ。
「でも、今の試合だってセーブして戦ってたんだろ。お前のメイン武器は魔弾かもしれないが、肉弾戦だって結構得意だろう」
「得意っていうか、結構重点的に訓練してたからな」
実際のところ確かにセーブして戦っていた。
だって相手は別に性格がねじ曲がっておらず、いたって真面目な努力家だ。
そんな相手との肉弾戦なんて……楽しいに決まってるだろ。
だから本当に相手が戦えるギリギリまで試合を続けた。
「つか……本当に他校の一年が少し可哀そうになってきたな」
「俺とセルシアがいるからか?」
「その通りだ。来年は二年生のリア・グレーシアも残っている。とりあえずシングルスとダブルスはお前らが持っていくから団体戦に力を入れてくるだろうが、お前らが出る時点で二勝は確実。あとは誰かが一勝すれば問題無しだ」
「アリクの言う通り、改めて他校の一年生たちが可哀そうに思えるよ」
まぁ……確かにそうかもな。
でも、全員が無傷で試合を終えた訳じゃない。
やっぱり戦闘スタイルにも相性はあるので無傷の全戦全勝とはいかなかった。
いや、でも三つの団体戦全て勝ったって時点でやっぱり凄いよな。
「かもしれないけど、来年も再来年も負けるつもりはない。な、セルシア」
「そう、だね。次も、その次も全部、勝つ」
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