冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

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少年期[1071]手のひらの上?

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「一部の人間だけ殺せば、復讐心に燃える冒険者がやって来る、ね……間違ってはいないし、それなりに知能が高い魔物なら、ある程度はその流れを理解しそうね」

エールを呑みながらほんの少し渋い表情を浮かべるアレナ。

「……仮にそういう考えに至った魔物からすれば、復讐心を持って挑んできた冒険者や騎士に殺されたとしても、それはそれで本望ってこと……なのかな?」

「強い者、もしくは覚悟を持った者との戦いが好きな個体であれば、そうなるでしょうね……」

アレナとしては、どう転んでもその魔物の手のひらの上というのが、少々気に入らなかった。

「しかし、そういう魔物ほどいざという時に本当の恐怖を感じて、逃げてしまうのではないか?」

「…………それはそれであり得そうね。魔物に限らず、冒険者とか騎士の中にもいるものね」

一番冒険者歴が長いアレナは、過去にそういった冒険者や騎士を何人か見てきた。

本当の恐怖を感じたことがないというのは、非常に危うい状況とも言える。
加えて、そういった経験がなければ標的から逃げるという行動にも慣れておらず、逃走に失敗する可能性が高い。

「逃げることに慣れていなければ、背中から攻撃すれば余裕で倒せそうだな」

「他者の復讐心を利用しようとした者の末路だと考えれば、かなり滑稽だけどね」

「……」

「? どうしたの、ゼルート」

「いや……まぁ、今更な話かと思ってな」

オーガマジックナイトが、自分たちの予想通り冒険者や騎士の復讐心を利用しているとなれば、他にも本格的にオーガマジックナイトを狙う者たちが現れても仕方ない。

(ギルドからの依頼ではあるから、他の冒険者たちが倒しても評価にどうこう影響することはないだろうから…………うん、そうだな。競争と言える場面になったら、頑張って速く攻撃を当てるようにするか)

一応、冒険者間では先に攻撃を当てた者がモンスターの所有権を有する。

そのため、オーガマジックナイトを奪われないようにするためには、アレナでなくとも誰かしらが先に攻撃を当てる必要がある。

その後、酔い潰れない程度に呑んで食い、三人は翌日にはまた街を出てインヴェス山岳へ出発。

「どうせなら、別れて行動するか」

出発してから数分後、ゼルートは二手に分かれて行動することを提案。

「……そうね。早く見つけるのを考えれば、それが得策ね」

普段のアレナであれば、万が一の事を考えて二手に分かれるのは良くないと口にしそうだが、今回ばかりは一切反対することはなかった。

ゼルート、ルウナ、ラル。
アレナ、ゲイル、ラームに別れ、探索を開始。

「ゼルート、先日の話だが、冒険者や騎士……あるいは魔塔の魔法使いたちが復讐心を燃やしてオーガマジックナイトに挑んだとしても、勝てると思うか?」

「さぁ、どうだろうな。まだオーガマジックナイトに出会った事がないから解らないけど…………それなりに戦える人が二十人から三十人もいれば、倒せるんじゃないか」

「それなら確かに倒せそうだが、そうなると素材の分配などが難しくなるのではないか?」

ルウナの言う通り、オーガマジックナイトがBランクの魔物であったとしても、二十人から三十人もの戦闘者が挑んだ場合……一人あたり、それ相応の物が手に入るとは限らない。

だが、ルウナは肝心な事を忘れていた。

「……冒険者ならそこら辺気にしそうだけど、復讐となれば、話は別なんじゃないかな」

「むっ…………そうか。確かに、そういうものか」

元から報酬など頭の中にない、寧ろ存在ごと消し飛ばしたい。

復讐対象に対する憎しみが強ければ強いほど、後で素材を売却出来るようになるべく良い状態で倒そうなんて考えは消えていく。

「っ…………」

「ん? どうかしたか、ラル」

「一つの気配ではないのですが、複数の気になる気配を向こうの方から感じまして」

ラルが指さす方向は……進めば洞窟がある小山。

「……よし、行ってみるか」

現状の一番の目的はオーガマジックナイトを発見する事ではあるが、それはそれでこれはこれ。

ラルが気になる気配となれば、是非とも確認したい二人。
迷うことなく、ゼルートたちはその気配を感じる元へと向かうのだった。
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