冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

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兄の物語[116]職権乱用?

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(チッ!!! この野郎、避けやがった!!!!)

ジェリスが放った斬撃は届いた……確かにバジリスクの首に届いた。
しかし、出血はしたものの、即死のダメージとはいかなかった。

まだぎりぎり意識が残っているバジリスクは急遽予定を変更し、まだ宙に浮いている人間に石化ブレスを叩き込もうとした。

「考え、見え見えよ」

「っ!!!???」

だが、次の瞬間スピード重視の風矢が二本、バジリスクの頭部目掛けて放たれた。
正直なところ、まだ魔力を纏えているバジリスクであれば、眼以外の場所で受ければ大したダメージにはならない。

それでも避けるという選択肢を取ってしまったのは、間違いなくジェリスが与えたダメージが効いていたからである。

「おらッ!!!!!!!」

そしてバルガスはやらかして、バジリスクの内臓などを全損させてしまうのを避ける為に、首元に手刀を叩き込んだ。

「ギっ!!!! ィ」

残念ながら、その一撃で首を切断することは不可能だったが、それでもバルガスの手には……骨が砕けた感触が残っていた。

(こりゃあ、逝っただろ!!!!!)

自身の勝利を確信するも、バルガスは一切の気を抜かない。
それはバルガスだけではなく、他の前衛三人も同じだった。

首に切傷を与えて出血させ、バルガスが首の骨を砕いた。
バジリスクに再生、高速回復などのスキルや特性がなければ、ここから反撃することは不可能。
不可能なのだが……それでもバジリスクはBランク魔物であり、亜竜。

最後の最後まで、完全に息絶える時まで気は抜けない。

「ィ、ギ…………っ……………………」

「………………死んだ、みてぇだな」

そうバルガスが呟いた瞬間、前衛組の肩の力が一気に抜けた。

「ファイヤージャベリンッ!!!!!!」

「ウォータージャベリンッ!!!!!!」

しかし、予想通り……と言えば予想通りだが、嫌な予感が当たってしまった。
それでも最悪の結果はとりあえず防ぐことに成功。

木々の影から放たれた炎と雷の砲弾をカルディアとミシェルが素早く反応し、相殺した。

「やはり、バジリスクを邪魔に思っていた魔物がいたみたいね」

木影から表れた魔物は……双頭の魔獣、オルトロスだった。

「ったく。バジリスクにオルトロスまでいる森ってなんなんだよ」

ぶつくさと文句を言いながら、クライレットたちの戦いっぷりを観察していたガンツが現れ、抜剣。

「おいおいガンツさん。うちらはまだ戦えるぞ」

「バカ野郎。元々Bランクの昇格試験はバジリスクの討伐だけだ。オルトロスの討伐は入ってねぇ。それに、こういうのを想定して、カルディアたちに魔力を残しておいてもらったんだ、ろ!!」

全てを説明し終える前に、オルトロスの口から再度炎と雷の弾丸が放たれる。

ガンツはひらりと躱しながら、とりあえず前衛組は大人しくしてろと宣言。
動いたら評価を下げるぞと……職権乱用と思えなくもない言葉で無理矢理ジェリスたちを抑えた。

「それじゃあ、俺が相手だ。クソイレギュラー」

ガンツはロングソードに炎を纏い、オルトロスに向かって一人で駆け出した。

いくら現役のBランク冒険者だとしても、一人で突っ込むのは無茶。
そう考えるのが妥当だが……心配していた後衛組は、直ぐにその心配が杞憂だったと感じた。

(私たちのことをどうたらこうたら言っていましたが、ガンツさんもガンツさんで……割と大概なのでは、ないでしょうか?)

ガンツはあっという間にオルトロスの領域内に入り、爪撃を躱して斬撃を浴びせさせた。

炎を纏った斬撃はオルトロスの毛を焼き焦がすことはなかった。
理由としては、オルトロスの毛皮は炎や雷に耐性があるのだが……纏われている炎の密度は高く、刃に無駄なく薄く纏われていた。

結果として毛を焼き焦がしはしなかったが、それでもきっちりと毛皮を、肉を切り裂いた。

「ファイヤーアロー!!!」

「ウォーターガトリング!!!」

「っ!!??」

そして数や威力的に無視出来ない攻撃魔法が飛来。
その攻撃対応に追われる間に……二度目の斬撃が叩き込まれた。
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