冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

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兄の物語[5]強くなれるなら

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「ヒポグリフだ!! 数は二体!!!」

Cランク魔物、ヒポグリフ。
世間一般的にはグリフォンの下位互換と……名前も強そうではないこともあり、弱そうなイメージを持たれることもあるが……実際のところはCランクの中でも上位に入る強さを有している。

(二体か……一体は、僕が引き受けよう)

ただ強いだけではなく、空を飛ぶという行動が出来る強敵。
パーティーの中でも頭一つ抜けている自分が一体を相手した方が良い。
そう思った瞬間、同じ前衛の仲間が素早く前に出た。

「一体は俺が戦る!!!! 後はよろしく!!!!!!」

「っ!!! 勝手に動かないでよ!!!!」

バルガスの行動に、すかさずペトラが苦言を呈す。

しかし……元からそういうところがあり、そういう機会が自分たちを強くすることを知っているため、クライレットやフローラもバルガスの独断行動を止めず、もう一体との戦いに集中。

「こいや!! グリフォン擬き!!!!!」

「っ!! キィイイエエエアアアアッ!!!!」

自分たちの蔑称がグリフォン擬きなどとは知らない。

ただ、知らずともその顔が、声の調子が自分を挑発していると解かる。

「しゃおらっ!!!!」

狙っていた訳ではない。
狙ってはいなかったが……グリフォン擬きと呼ばれたヒポグリフは自然と空中から羽や風魔法を利用して攻撃するのではなく、自身の爪やくちばしを利用して戦い始めた。

(っ!!! まっ、だまだぁあああああっ!!!)

真正面から双剣をクロスしてヒポグリフのスタンプをガードし、そのまま潰されることなく耐え抜いた。
そして押し返した後は……バルガスのターン。

本能的にヒポグリフが宙に逃げるのを察し、斬撃だけではなく斬撃刃を放つ。

「っ!!??」

胴体であれば、万全の体勢ではなく、本気ではない斬撃刃などそこまで気にする必要はないが、放たれた場所は顔面。
最悪、視界を潰される可能性がある。

「うぉらあああっ!!!」

ギャンブルで左側に走っていたバルガスはラッキーと思いながら、全力で蹴りを叩きこんだ。

「ギっ!!!??? っ!!!!!!」

宙に飛んでいれば踏ん張りが効かない。
ゼルートやルウナほどの身体能力はないが、踏ん張りが効かない空中であれば……派手に吹き飛ばすことも不可能ではない。

「っと!! シャッ!!!!!」

蹴り飛ばし、木に叩きつけた直後にダッシュ。

しかしヒポグリフも意識が飛んでおらず、ウィンドランスを展開。
ナイスな判断とも言えるが……それはまだ攻撃するターンであるバルガスも同じだった。

リーダーの……親友から「常に動き続ける為に、ある程度敵の行動を頭に入れておいた方が良いよ」と言われた。
自分で自分のことをあまり頭が良くないと、解っている。
クライレットやペトラみたいに敵の動きを数手先まで読みながら行動するのは不可能。

そう思っていたが……その思考は、予測は強くなれる行動である。
であれば、実行するしかない。

「はっはっはッ!! まだまだこれからだぜ!!!!!!」

過去にヒポグリフとの戦闘経験があり、風の球から矢、刃と槍まで扱えることは知っていた。
そのため、蹴り飛ばされて木に叩きつけられた状態でも、風の魔法であれば発動出来る可能性があると予想。

予想通りに動いた場合……地面との隙間を狙ってスライディングしながら近づくと決めていた。

「ぐっ!!!! さっきより……重さがねぇぞおおおおおおおおおおッ!!!!!」

最終的に片方の双剣がとばされたが、それでも強烈なスタンプを両手で受け止め……そのまま掴み、全力でブリッジを決めて地面に叩きつけた。

「はぁ、はぁ、はぁ……へ、へっへっへ! どんなもんよ!!!!!」

以前は仲間と協力して倒した強敵。
決して一人では倒すことが出来ず……強気でいこうとしてもリスクの大きさが頭にチラついていた。

それでも今回、見事そのリスクを叩き潰した。
これまでに何度も味わってきた最高の達成感……ガッツポーズを取り、声を張り上げるなというのは無理な話だった。
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