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英国紳士の恋の作法
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ザ・ジャロルズに腰を据え英国での事業を展開させているらしい敵を前に、フロントマネージャーというレジナルドの立場はあまりに無防備に思えた。自分が男の欲望の対象となり得ることを自覚していない子羊は、牙を剥く狼に会っても礼儀正しく挨拶しているのだろう。だからこそ呑気にフランス野郎と歓談し、その結果困ったなどと言っている。自業自得だ。
しかしそもそもは、自分が狙われているとは思っていないレジナルドと、強く注意を促しても受け流されてしまうジェイムズの関係に問題があるのだが。心からの忠告を軽くいなし、「ウィズリーの昔ならともかく、年を取った今そんなことを言うのは君だけだ」と呆れたレジナルドを、ジェイムズが壁際まで追い詰めて、「ウィズリーの昔」について甘く鋭く詰問したのは言うまでもない。
一度は腕の中に捕らえ、手に入れたと思った。寝台の中で存分に抱いて責め抜き、その媚態でジェイムズの理性を蒸発させるほど艶かしく、レジナルドは啼いて乱れた。
しかしそもそもは、自分が狙われているとは思っていないレジナルドと、強く注意を促しても受け流されてしまうジェイムズの関係に問題があるのだが。心からの忠告を軽くいなし、「ウィズリーの昔ならともかく、年を取った今そんなことを言うのは君だけだ」と呆れたレジナルドを、ジェイムズが壁際まで追い詰めて、「ウィズリーの昔」について甘く鋭く詰問したのは言うまでもない。
一度は腕の中に捕らえ、手に入れたと思った。寝台の中で存分に抱いて責め抜き、その媚態でジェイムズの理性を蒸発させるほど艶かしく、レジナルドは啼いて乱れた。
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